魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

アジ科の幼魚

2010年09月19日 19時57分39秒 | 魚紹介

以布利定置網での操業で多かったのはハマトビウオ、アヤトビウオなどのトビウオ類、ソウダガツオ2種、ゴマサバ、ハガツオなどサバ類、ヤマトカマス、タイワンカマスなどカマス類、そしてマアジ、メアジからブリまで様々な種が水揚げされたアジ科の魚たちでした。

アジ科の魚は成魚のほか幼魚も獲れました。

まずはメアジSelar crumenophthalmus (Bloch)。メアジは南方系のアジですが、高知ではトンパクと呼ばれ人気がある食用魚の一つです。沖縄では釣り餌となります。側線は緩やかにまがり、離鰭を欠きます。これは成魚。

これがメアジの幼魚です。離鰭がありません。側線は緩やかに湾曲します。メアジというと、体色に黄色線があるように思われるかたもおりますが、これはあったりなかったりするそうです。

メアジはホソヒラアジ属やマテアジ属にそっくりですが肩帯下部に突起があることで区別できます。

このほか、細長いからだのアジではクサヤモロがあがっていましたが、これは写真をとれませんでした。

イトヒキアジAlectis ciliaris (Bloch)の稚魚です。イトヒキアジの稚魚は菱形の体と背鰭・臀鰭軟条が細長く伸びるのが特徴ですが大きくなるとこれは短くなります。大きいのは釣りで漁獲されますが数は多くないです。

これはたしかロウニンアジCaranx ignobilis (Forsskål)です。やや体高があり、サイズのわりにはっきりした稜鱗があります。ギンガメアジもたしかいたような覚えが。

オキアジUraspis helvola (Forster)の稚魚です。幼魚は体が真っ黒(成魚も黒っぽい)で、背鰭・臀鰭が大きいです。このほか成魚も1個体だけ獲れていました。以布利での流通名は「マナガツオ」です。

アイブリSeriolina nigrofasciata (Rüppell)です。ブリ属に比べ顔が丸く背鰭棘が黒っぽいのが特徴です。このほか巨大なブリも水揚げされていました。ただし数は夏よりもはるかに少ないのです。ブリモドキとことなり背鰭棘が鰭膜でつながっています。稚魚は何個体か入っていました。

イケカツオScomberoides lysan (Forsskål)は普通に見られた種です。これは普通のイケカツオのほうのようですが、ミナミイケカツオも1個体いました。ミナミイケカツオの稚魚は本種より、斑紋がはっきりしています。ただ成魚は全く見られませんでした。

最後におまけ。かがみん・・・いや、ギンカガミMene maculata (Bloch and Schneider) はアジ科の魚ではないのですが、魚類図鑑などではアジ科と近いところに置いていることが多いようです。体は無鱗、結構傷つきやすく扱いには気を使うようで水族館でも展示が難しいとのことです。撮影してみたら胸鰭が・・・orz しかしこれほどアジが入ってもシイラとかスギが全く入らなかったのが意外でした。

 

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チョウチョウウオ科の幼魚

2010年09月17日 23時34分03秒 | 魚紹介

今年は例年よりもチョウチョウウオの仲間が多いという話をあちらこちらで耳にしております。磯採集家のみなさんも様々な種類のチョウチョウウオの幼魚を採集されているようですね。

チョウチョウウオの仲間はみなトリクチス期Tholichthysと呼ばれる期間を経ます。この写真は高知県以布利の大敷網で漁獲されたものですが、種までは結局同定できませんでした。

陸上の王者、昆虫の仲間のチョウの幼虫である芋虫は女性はどんびきする方もおられますが、海のチョウの名にふさわしいチョウチョウウオの稚魚は愛らしいのです。

ゲンロクダイChaetodon modestus Temminck and Schlegelの稚魚です。写真上のサイズより一回り大きめの個体です。ゲンロクダイは日本ではチョウチョウウオ属のロア亜属にいれていますが、Fishbaseなど、海外では最近になってこの仲間3種をロア属Roaに昇格させています。今年の販売が噂される魚類検索第三版では、はたしてどうなるでしょう。

これよりさらに大きくなると、成魚によく似た模様が出てきます。本種は他のチョウチョウウオ属とは背鰭棘数が少ないこと、下顎の黒色斑で区別可能です。分布は南日本、山陰にも出没し、日本海側でも見るチャンスがある種です。ただし、磯採集では無理でしょう。やや深場にすむ種のようです。日本海では他、チョウチョウウオ (山陰以南) やトゲチョウチョウウオ (山口県など) も採集されています。

タキゲンロクダイCoradion altivelis  McCullochの稚魚です。この種は背鰭棘数が8本とゲンロクダイよりもさらに少ないのが特徴です。これだとわかりにくいのですが、あと3-4mmほど大きくなれば、親のような横帯が出現します。

もう少し大きくなった個体です。まるでイシダイのような色彩が特徴です。

ハタタテダイ属Heniochusの集合写真です。今回は2種が採集されました。

こちらがハタタテダイです。ハタタテダイHeniochus acuminatus (Linnaeus)は小さいものばかりが4個体。もっといたのですが、たくさん拾いすぎると、あとでややこしい(笑 背鰭棘は11本でした。

こちらがムレハタタテダイHeniochus diphreutes  Jordanです。背鰭棘数が多く、また顎歯数がハタタテダイと異なります。網に入ったのはハタタテダイよりも大ぶりのものばかり。日本産稚魚図鑑によりますと、ハタタテダイと比べて着底するまでの期間が長いそうです。青森県以南に分布し、ハタタテダイよりも北上することが多いのはこの習性によるものでしょうか。

 今回はチョウチョウウオの仲間を合わせて40匹位採集したのですが、今回トリクチス期を脱したチョウチョウウオ属の魚が1匹も獲れなかったのは意外でした (ゲンロクダイ除く) 。チョウチョウウオ属の魚は、やはり造礁サンゴに依存するものが多いからということもあるのでしょうね。

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ニチリンダテハゼ

2010年09月14日 22時46分05秒 | 魚紹介

近くの観賞魚店で、お亡くなりになっていたものを100円で購入した魚です。

ハゼ科ダテハゼ属のニチリンダテハゼAmblyeleotris randalli Hoese and Steeneです。

 

ニチリンダテハゼを含むダテハゼ属は日本からは13種が知られています。「日本のハゼ」においては当時知られていた12種のほか、未記録種が4種含まれています(2007年にそのうちのダテハゼ属の1種-1について新種記載され、モリシタダテハゼの和名がつきました)。

このニチリンダテハゼは他のダテハゼに比べて第1背鰭が大きく、背鰭に1暗色斑があるのが特徴です。奄美大島以南に分布するのですが個体数が少なく、生息水深が深かったため縁遠い種でしたが今回観賞魚店で発見し即購入、となりました。

死魚を購入したものですが、尾鰭が痛んでいた以外は大きな損傷もなく、特徴の第1背鰭もしっかりと開いた状態で撮影できました。

この個体はその後耳石を採取。新しく購入した拡大鏡も使用して、耳石を採集することに成功。

ということで、名古屋に来てからも耳石の研究は続きますので、サンプルのほうご提供よろしくお願いします(送られる前に 一度、メールをください)。

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アミメウツボの唐揚げ(3)

2010年09月10日 23時52分02秒 | 魚介類を食べる

アミメウツボの唐揚げ、前回はアミメウツボを特製のたれにつけたとこまで進んだと思いますが、ここでは最後の段階をご紹介します。

まず、前回の「秘伝のたれ」(うそ)から出したウツボの「骨切り」をします。これをやるとやらないではその最後である、「食べる」に移行したときに酷い目に遭います。

つぎに揚げます。揚げるのは骨を柔らかくするのも兼ねており、長く、やや弱めにやります。

そして完成

お皿は結局、いつもと同じでした・・・

食べてみました。

味は、いけます。ただ骨切りを失敗した箇所があり、その部分は皮を食べても骨を感じてしまいます。ウツボはやはりお店で食うもの・・・?いや、ウツボ切りを習得した高知の美女を捕まえて、その人と結婚することにいたしましょう。

というわけで長々と続いたウツボレポートも終了。次はオオカミウオにしようか、ボウズギンポにしようか、はたまたナガタチカマスにしようか、思案中です。またお付き合いのほどお願いいたします。

 

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アミメウツボの唐揚げ(2)+@

2010年09月07日 18時54分26秒 | 魚介類を食べる

前回の続き。アミメウツボの唐揚げその2です。

前回の記事をかいたあと、酒やしょうゆなどをミックスした「たれ」の中に漬けました。

明日には唐揚げの写真をご紹介できそうです。

 

以下、ウツボネタが続きます。

今日は観賞魚店まで行ってきました。近くの店にはヒメウツボ、アデウツボ、などが来ていたのですがその中に「沖縄産ウツボ」というのを見かけました。安価だったので購入を試みましたが、水槽の準備ができておらず断念・・・いいサイズだっただけに、もったいない。

しかし鰭の形から考えますと、「キカイウツボ」の仲間のようでした。

今回はニチリンダテハゼ、小型水槽でイレズミハゼと同居させるオヨギイソハゼ、を購入。ということで、おしまい~

次までに水槽にウツボを入れられるように、なんとかしないといかん。

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