魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

タカベ

2024年04月08日 23時58分22秒 | 魚紹介

今回も以前紹介していたと思っていたが、実は紹介していなかったというもの。タカベ科・タカベ属のタカベ。

タカベは本州~九州沿岸、海外では朝鮮半島沿岸に生息している。沖縄では見られないようだが、小笠原諸島では見られる。また伊豆諸島では多い。体が青く、体側から尾鰭にかけて黄色いさまはフエダイ科のウメイロであったり、フエダイ科に近縁なタカサゴ科のウメイロモドキなどによく似ている。この個体は死後撮影したもので、若干色が落ちているがそれでも生鮮時の美しさの名残も少しは見えるだろう。南半球に見られるLabracoglossa nitidaという種はタカベよりも黄色の範囲がひろく、よりウメイロやウメイロモドキに似ている。タカベ属にはタカベとL. nitidaの2種が知られている。どちらも群れで動物プランクトンを捕食しており、ウメイロモドキと似た食性をもつといえるだろう。

タカベの水中写真。やや濁って見えるのは大阪府から来たという釣り人が餌を撒いていたからである。プランクトンのような細かい餌を食べるタカベには撒き餌はごちそうである。体側の細い縦線は水中でも目立つようだ。伊豆諸島などではこのタカベを追い込み網などで漁獲したりしており、食用として重要とされている。塩焼きなどにして食べると結構おいしいらしい。写真の下、横縞の魚はお馴染みのオヤビッチャ。高知県沿岸ではオヤビッチャはいつでもいる。タカベも数多くみられるが、毎日見られるとは限らない。

本種を含むタカベ科は研究者によっては、メジナ属などとともにイスズミ科のなかに含めたりしていたが、現在は独立したタカベ科とする考えが主流である。Fishbaseによればタカベ科は世界で4属11種が知られている。ほとんどの種が南半球に生息しており、北半球ではタカベとMedialuna属のハーフムーン(属名そのもの...)が知られるのみである。最も種の多いScorpis属はオーストラリアの西海岸からチリまでの海岸に生息していて、青く塗ったマルコバンみたいな姿をしている。また体側に目立つ横帯があるものもいる。


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