魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

ボウズハギ

2017年04月28日 20時40分48秒 | 魚紹介

以前小三郎jrさん(このぶろぐでもしばしばコメントいただきました、ありがとうございました)に送っていただいた個体だが、同定できず長い間冷凍庫で眠っていた個体。スズキ目・ニザダイ科。テングハギ属のボウズハギ。しかしこの属の稚魚は同定が難しいのだ。ただこの個体はテングハギなどのように成長するとツノが生えてくるような種や、そのほか尾柄部の骨質板が二つあるような個体と見比べると少しは同定しやすいように思う。

多くのテングハギ属と異なり、ボウズハギでは尾柄部に骨質板がひとつだけあるのだが、写真からはなかなかわからなかった。Facebookのコミュの中で加藤昌一さんに教えて頂いたのだが、尾柄部中央部の丸いのが骨質板のようである。成魚は生時体に黒くて細い横縞模様がでたり、黄色の太い縦帯があったりするが、夜間などは灰褐色の模様になったりする。幼魚は一様に青かったり、ぶち模様が出たりしているが、水中写真でみるとアイゴの仲間にも見える。おそらくアイゴ同様に保護色になっているのだろう。

背鰭棘数もほかの多くのテングハギ属魚類と比べて少なく、4棘となっている。日本産種でもう1種の尾柄部に骨質板がひとつしかないキビレボウズハギは背鰭に5棘ある。一方フィリピンやインドネシアに生息するNaso caeruleacaudaは4~5。この種は日本には分布していない。

ボウズハギの分布域は成魚は琉球列島、伊豆・小笠原諸島、東アフリカ~トゥアモトゥ諸島に至るインドー中央太平洋域(マーシャル諸島にはいない)。幼魚は千葉県館山湾以南の太平洋岸でも記録がある。成魚はサンゴ礁域で大きな群れをつくっていたりする。成魚の生息地では食用になったりするようだ。この個体を送っていただいた小三郎jr.さん、同定していただいた加藤昌一さん、ありがとうございました。


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