魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

アズキハタ

2022年12月23日 22時45分47秒 | 魚紹介

今日はスズキ目・ハタ科のアズキハタ。またもハタ科でごめんなさい。

アズキハタはやや細長い体をしていて、体側には白いとぎれとぎれの縦線が入る。また体側全体に名前の由来にもなっている赤褐色斑があるのも特徴的であるが、このような赤い点があるハタの仲間は何種か知られているが、大体はこの白い縦線があることにより見分けることができるだろう。ただし、個体によってはこの白い縦線を欠くことがあるので注意が必要である。ちなみにこの白い線はベラの仲間の幼魚に擬態しているためともいわれているが、何かメリットがあるのあろうか。ベラの仲間の幼魚と一緒に暮らしていて、仲間だと思わせておいて、いつのまにかアズキハタのご飯になっている、とか...

一方こちらはキジハタ。キジハタは写真のように白く太い横帯が入ることはあるが、縦線は入らないので見分けることができる。本種は「アズキマス」なる地方名があるが、たまに「アズキハタ」と呼ばれ、種標準和名アズキハタと勘違いされることがあるが、キジハタとアズキハタは体形が大きく異なり、先述したような模様の違いもあるため見分けられる。そもそも種標準和名アズキハタのほうはめったに九州以北の市場に出回ることはなく、いけすの中を泳ぐこともない。

 

アズキハタは「沖縄さかな図鑑」によれば、まれにシガテラ毒をもつことがあり、市場価値はやや低いとされている。ただし、個人的にはアズキハタはこれまで姿を見たことがなく、あまりいないのかもしれない。分布域は小笠原諸島、沖縄諸島以南の琉球列島であり、海外ではインドー太平洋に生息している。体側にある大きな傷は突き漁で採集されたことをしめす。このように体側を突くと、大きな傷がつくが、その分耳石は安全に採取することができるのである。さすがプロの技である。

石垣島の市場に水揚げされていたアズキハタ

アズキハタは独自属であるアズキハタ属Anyperodonとされることもあるが、ほとんどアカハタ属とは違いがなく、今ではアカハタ属とされていることも多い。同じようにクロハタ属(クロハタのみ)、タテスジハタ属(タテスジハタとミナミハタ)、タマカイ属(タマカイ)はそれぞれユカタハタ属や当時のマハタ属に入れられていることが多い。しかしマハタ属のように逆に独立したものもある。ハタ科の分類については落ち着くまでかなり時間がかかるのかもしれない。

今回のアズキハタは石垣島の大濱優真さんより。ありがとうございました!


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