長崎からやってきた珍しい魚。
購入したのは「クラゲウオ」。スズキ目エボシダイ科スジハナビラウオ属の魚である。
クラゲウオは幼魚はクラゲの下にいて、大きくなると深場を遊泳する。成魚はほかの種と混同されていたのか、従来の図鑑では「幼魚しかしられていない」とあったが、近年は底曳網漁業などで成魚が漁獲されている。この個体は長崎県産だが、鹿児島や台湾など、東シナ海では最近定期的に水揚げがあるような気がする。エチゼンクラゲなどクラゲ類が多いのだろうか。なお、写真の個体は成魚である。といっても体長161mmと大きい魚ではないのだが。この仲間は鱗がはがれやすく、鰭もぼろぼろになりやすいようである。展鰭には苦労させられる仲間だ。
本種の特徴は眼の後方に長くのびる無鱗域である。これによりスジハナビラウオなどと見分けられるようだ。同じような無鱗域を持つ種にはシマハナビラウオというのもいるが、この種はクラゲウオとはことなり、吻が細長いのが特徴。
クラゲウオの肉質はかなりやわらかい。今回は刺身で食べたが美味しかった。ほかに焼き物などにして食べても美味しいであろう。
今回のクラゲウオは長崎 印束商店 石田拓治さんより。いつもありがとうございます。