魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

カブトムシ

2021年07月20日 23時41分21秒 | 環境問題

最近は国連の「SDGs」(持続可能な開発目標)や、欧州のガソリン車販売禁止問題、環境にやさしい(とうたわれるが生物多様性の天敵)ソーラーパネルといった話題もあり、世界的にエコブームとなっている。そして「ヴィーガン(完全菜食主義者)」になった、という人も多くいる。肉や魚(育成や運搬、処理などの過程で多くの二酸化炭素、汚染物質などを排出)よりも環境にやさしいとされる、ヴィーガンに注目が集まり「代替肉」だの「肉を使わない焼肉」だのそんな食品も耳にするようになった。

しかし、完全菜食主義は確かに環境にやさしいのかもしれないが、その完全菜食主義者が本当に環境にやさしいことをしているのかは別の問題である。昨日も、こんなことがあった。とあるヴィーガンの方のツイートである。

「帰り立ち寄った施設に、プラスチックの牢獄に閉じ込められ数百円でその一生を台無しにされる可哀相なカブトムシが売られていたので、店の利益に貢献してしまうのが不本意ではあったが、全部購入してレスキュー。  2度と捕まりませんように、、 2度と販売しないよう後日改めて抗議意見届ける予定」(上記アカウントより)

これは簡単に言うと立ち寄った道の駅の中に入っているような店舗にカブトムシが販売されていたから、それを全部購入して放虫し、今回はめでたしめでたし、なんですが、お店に二度と販売しないように抗議意見を提出するのだそうです。

さて。

これについて賢明な読者の皆さんは、どこが問題なのかお分かりであろう。購入した生物を野外に逃がすというのは、やってはいけないことである。しかし、この人はそんなことも知らないのである。生き物を飼育したことがない、もしくはイヌ・ネコ以外の生き物を飼育したことがないと、そんなことはわからないだろう。そして、カブトムシはどこの出自のものか、それが明らかになっていない。ブリードものもあるのかもしれないが、そのブリード個体のもともとの産地はどこなのだろうか。カブトムシにも「系群」というのがあるようで、それが狂うと不稔など取り返しがつかない問題が起こってしまう危険性もある。ネコなどは基本的に避妊・去勢されているから問題はない、だからカブトムシも大丈夫と思っているのかもしれないが、この手の問題は、眼でみることができないからこそ恐ろしいのだ。さらに病気の問題もあり、感染症によりカブトムシが大幅に減少し、その地域のカブトムシがほろび、生態系のバランスが崩れてしまうという危険性もある。こんな難しいこと言われてもわかんないよー、とか、生き物を飼うのにこんなことを考えなきゃいけないの?と思っているのであれば、どんな生き物も飼育するべきではないのだ。

せめて「抗議意見届ける」のであれば、ここは日本であり、意見をのべる自由が存在する。もっとも、笑い者になったりするだけかもしれないけれど。

しかし、これは偏見なのかもしれないがヴィーガンの人は、なぜか排他的になっているような気がする。Twitterで「ヴィーガン」を掲げている人たちはだいたいが、ノネコを愛し、反捕鯨、反ペットショップなのだ。意見を述べれば攻撃的になる。これでは偏見を持たれるのも仕方ないかもしれないが、正直ヴィーガンは「思想」とか「ライフスタイル」ではなく「カルト宗教」ではないかと思う。

さて、明日からはトンキンオリンピック。本当にこんな問題ばかりのオリンピック、強引にやっちゃうんですね。すごい国だなー。

コメント
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