北国の代表的な魚といえば、カジカ。
今日も北海道の魚。スズキ目・カジカ科・オニカジカ属のオニカジカ。
オニカジカは北海道から太平洋岸では福島県まで、日本海側では島根県隠岐にまでみることができる。広い範囲に分布していて、また浅い場所(水深100m以浅)にすむので、情報も多い。
オニカジカの最大の特徴は前鰓蓋骨にある巨大な棘で、内側は鋸歯状になっている。ほかにもこのような巨大な棘を持つカジカの仲間は何種かいるが、それらには頭部に骨質板が密集していたり、小型種である(10cm以下)などの特徴により、日本産のほかのカジカの仲間と区別することができるようだ。ちなみに日本産のオニカジカ属魚類は1属1種、ただし色彩的に区別ができる2型があるようだ。ただしそれがどのようなものかはわかあない。世界では4種が知られているが、北太平洋~ベーリング海、チュクチ海に分布し、大西洋には見られないらしい。
頭部には骨質の隆起があるのも特徴の一つ。同じように大きな前鰓蓋骨をもつクシカジカ類には骨質隆起がない。ツマグロカジカの仲間では骨質板で覆われているなどの違いがある。
オニカジカは今回は3個体を入手。うち1個体は雄の個体だったようで、ずいぶんと長くてりっぱなものをお持ちであった。
あとの2個体は地味な茶褐色の雌であった。
カジカ類は美味なものが多い。本種も唐揚げ、鍋物という二通りの食べ方で味わうことができた。この仲間を鍋で食べる場合、肝臓は絶対一緒に入れるべきである。そうでなければこの仲間の魅力がひとつ損なわれてしまう、ともいえる。カジカの仲間の多くは卵を食用にすることができる。しかし北米に生息する大型のカジカ科魚類で有名な釣り魚カベゾン(カベドンではない)の卵は有毒であるとされている。
今回も坂口太一さんから送っていただきました。ありがとうございました。