魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

コオリカジカ

2016年12月07日 14時36分21秒 | 魚紹介

昨日は日記を書く途中で居眠りしてしまい、結局ぶろぐ更新はできませんでした。

今日は北海道の魚。スズキ目・カジカ亜目・カジカ科・コオリカジカ属のコオリカジカ。

コオリカジカ属は北太平洋、北大西洋から17種が知られ、日本にはそのうち11種が知られている。多くの種類で櫛鱗が列状になっているなどの特徴がある。コオリカジカは後頭部に1対の棘があり、さらに体側の背側に小さな棘状の鱗が列をなしている。この二つの特徴の組み合わせによって、日本に分布しているすべてのコオリカジカ属魚類と区別することができる。

体側の背側の棘状の鱗列

後頭部の棘

水深70m以深、やや深い海に生息する種で、漁法は刺網や底曳網。本種もおそらく刺網にかかっていたのだと思われる。日本における分布は、コオリカジカ属としては最も広いものと思われ、北海道の全沿岸から日本海岸では山口県、太平洋岸でも宮城県くらいまでは見られる。海外では朝鮮半島やロシア沿海州まで分布。以前宮城県の底曳網でも本種を見たことはあるが、じっくり見たのは今回が初めてである。カジカの仲間は同定が難しいが、きちんとした標本が残っていればなんてことはないのである。

側線上の強い櫛鱗

今回の個体は北海道の羅臼近海で漁獲されたものだ。ちなみに羅臼産のコオリカジカ属魚類の一種にはその名も「ラウスカジカ」というのがいる。ラウスカジカは体側の背側の鱗列の上方に細かい櫛鱗があり、後頭部には棘がなく皮弁があったりし、後頭部の皮弁は1対であることで近縁種やオットセイカジカと区別することができる。ラウスカジカは2006年に新種記載された種類で、羅臼のほかに太平洋岸の浦河でも漁獲されているらしい。水深73m以浅に生息しているようだが、7cmほどの小型種であり、網にかからず出会う機会はそれほど多くないのかもしれない。

今回のコオリカジカは雄の個体で、大量の卵を持っていた。魚は頭を落とした後三枚おろしにして焼いてたべた。我が家の魚料理にはほとんど頭部がない(笑)。じっくり塩焼きにして食べた、鱗は一見硬くて食べにくそうに思われるがよく焼けば骨も鱗もそのままバリバリと食べられる。身は淡泊であり、味はあまり感じられなかった。

今回のコオリカジカもほかの北海道産の魚と同様坂口太一さんから頂きました。ありがとうございました。

コメント
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