魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

イラコアナゴ

2016年12月23日 14時30分30秒 | 魚紹介

ぶろぐを更新することで「ぶろぐ初登場」となる種はまだまだ更新のたびに出てくるし、ぶろぐを10年間もやってきて「科」としてもはじめてご紹介できる魚もまだまだある。今回もそんな魚。ウナギ目・ホラアナゴ科・ホラアナゴ属のイラコアナゴ。

ホラアナゴ科の魚は日本近海の深海にも8属12種あまりが分布しているのだが、これまではこのぶろぐで紹介することはできなかった。理由はほとんどの種が深海性であり、それも底曳網(~300m)より深いところに生息しているものが多いからであろう。アサバホラアナゴのように水深100m以浅で見られることもある種もいるが、水深4000mくらいのところにいるものもいる。

口は大きく、鋭い歯を持っていてウツボの仲間のようにも見えるが、歯がウツボほど大きくはないように思える。ホラアナゴの仲間もウツボの仲間と同様獰猛なハンターで海底の動物や魚類を捕食する。また眼は口裂中央付近にあることで、口裂後端付近にあるホラアナゴと区別することもできる。

立派な胸鰭があり、これもウツボの仲間とは違ったところである。

ホラアナゴ科の魚類は鱗が同定形質として重要だったりする。イラコアナゴの鱗は棒状で細長く、楕円形に近いホラアナゴや、円形に近いソデアナゴおよびモトソデアナゴと区別できる。

分布域は北海道~沖縄県の太平洋域。海外ではインドー西太平洋、オーストラリア周辺、ハワイ諸島近海、グリーンランド、南アフリカ、ブラジルまでの大西洋域に広く分布している。水深300m以深に多く生息し、3000mを超える深海にまで生息する。日本においては北海道~千葉県までの海域では深海釣りや底曳網漁業などの漁法で漁獲され、食用となっている。

食べ方も色々で、煮物、かば焼き、揚げ物などさまざまな方法で食することができる。また東太平洋に生息しているウミヘビ科のマルアナゴのように、ウナギの代用としての利用もされているようである。

今回はほかの魚数種とともに、唐揚げでいただく。小骨も食べられ、脂がよく乗り美味である。

以前クロソコギスという魚をこのぶろぐで紹介したことがあった。その時にホラアナゴの仲間をぶろぐで紹介したことがない、と書いたら坂口太一さんがほかの魚の中にいれておいてくれたのかもしれない。とてもうれしいプレゼントであった。ありがとうございました。

 

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