今日のフィリピン魚はハゼ科のオイランハゼCryptocentrus melanopus (Bleeker)です。学名がころころと変わったりしてややこしい種類です。
オイランハゼはハゼ科イトヒキハゼ属の魚で、テッポウエビの仲間と共生する「共生ハゼ」の一つです。こういうハゼはサンゴ礁にいるように思われがちですが、本種は内湾から河口域に生息する種類です。生息水深も浅く、普通は3m以浅で見られます。日本では奄美諸島以南に分布します。
和名の由来は頭部の模様が「花魁」のように派手であるからでしょうか。それとも共生ハゼの仲間では気が強く、位が高いように見えるからでしょうか。
●イトヒキハゼ属
イトヒキハゼ属の魚はインド・太平洋域に生息する共生ハゼの仲間です。種類は40種類ほどといわれているのですが、分類学的にもまだまだ不十分な点があるようです。属の和名の「イトヒキハゼ」は、本属ではなく、「ハゴロモハゼ属」に含めるべきという意見もありますが、その点は属同士の関係も含め、まだ精査が必要なようです。