ふうるふうる・たらのあんなことこんなこと

いろんなできごとを面白がってしまおうと思っています。
日常のあれやこれや記事です。

マンガ関係大収穫 望都さん、ひさいちさん、烏童さん

2012-07-03 17:59:14 | 本や言葉の紹介

中浦和“ふうるふうる”のたらです。
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 「月刊フラワーズ」8月号に萩尾望都さんの緊急描きおろしとして「あわてふため記 紫綬褒章」が掲載されてました。見開き2ページ。
 “お父さんの四十九日の法要のときに仏前で受賞報告”というコマに書かれていたお母さんの言葉、「お母さんはネ 『ゲゲゲの女房』を見て まんがの仕事がわかったタイ」に胸が詰まりました。望都さん、親とのイバラの道のりをよくがんばったなあ。
 数日後、「マンガのあなた SFのわたし  萩尾望都対談集1970年代編」を読み、最初の対談の写真を見て「おお、望都さんが少女少女している」と感激。
 1970年代の対談も「へえ、ほお、そうだったのかあ」ですが、それだけじゃなくて、この本用に羽海野チカさんとの対談もされていて嬉しい。
 チカさんの、
「『ゴールデンライラック』(望都さんの作品)のハーバートが好きで。主人公のヴィーの旦那さんになる人。最初から出てくる少年ビリーは、竹本くんです。で、『ハチクロ』は、この後『ゴールデンライラック』と同じ話になっていくんです。「続きは『ゴールデンライラック』を読んでください」っていう話。
という発言には仰天しましたよ!
 対談では詳しく説明してくれてますので、ぜひ読んでみてください。

 「総特集 いしいひさいち 仁義なきお笑い」文藝別冊 KAWADE夢ムック 河出書房新社)が6月下旬に出ていることを偶然知って本屋さんに走り込んだら売り切れ。一駅違う本屋さんにあるということで飛んでった。
  朝日新聞朝刊掲載の「ののちゃん」で、ののちゃんたちが住んでいる「たまのの市」っていしいさんの出身地岡山県玉野市がモデルになってること、玉野市が「ののちゃんの街」としてすごい展開をしていることを知ってびっくり。市役所には「ふるさとたまの! ののちゃんの街」という垂れ幕が下がっているんだって。
 その他いろいろ盛りだくさんでよかったわー。

 篠原烏童さんの「1/4×1/2 クォート&ハーフ 5」(朝日新聞社)が出たのも見つけました。
 烏童さんの絵もストーリーも大好き。「1/4×1/2 クォート&ハーフ」は動物ものなので特に好き。
 「愛しき日常を」という作品はスリーマイル原発事故にかかわる話で、次のような解説がありました。
「(東日本大震災について)直接描くのは辛すぎたため、過去の出来事にスライドさせて描きました。
 といっても、事件を描きたかったわけではありません。
 ただ、
 なんてことない日々がどんなに大切か、
 わたし達はこれからどうすべきなのか、
 そのために、何を、どう、がんばるべきなのか、
 忘れてはいけない、考えるのをやめてはいけない、
 と、
 祈りをこめて。

 最後に「たけのこのゆめ」という、あとがきをかねた作品が載っていました。文章だけ紹介します。

 あなたのベクレル 基準値をこえてますよ と言われて
 きょとんとしているたけのこの夢を みました

 そのたけのこも また 夢を みました

 ふるえるあしで 立ち続ける 厩舎の馬たちを

 お母さん おなかがすいたよう のどがかわいたの と なき続ける 小さな犬を

 だれもいない 家のなかで ぽとり と 小鳥のおちる音が しました

 たくさんの なにか が
 川に 森に
 海に 土に
 くっついてしまいました

 ひとよりもたあんと歳経(としふ)りた 美しい樹々が
 ああ なにかが べとべとする
 べとべとが じみじみする
 と くるしそうにざわめきます

 なにも 知らないりすは たくさんのなにかがついた たくさんの枯れ草を
 うれしそうに ぎゅっぎゅっと口に くわえこみます
 それをおふとんにして ふかふかと 眠るのです

 「ごめんな」と 牛たちに言わなくてはならなかった おじいさんの
 かきむしられるような苦しみを

 あの日 家にのこしてきてしまった 歳老いた猫をむかえに行けない奥さんの
 はりさけそうな涙を

 けんさをまつおさな子の にぎりしめた 小さなこぶしを

 いくつも
 いくつも
 いくつもの 夢をみました

 つらくてかなしい夢でした

 こわいよ
 こわいよ
 かなしくて胸がつぶれそうだよ

 でも これは 夢だから
 夢なんだと
 たけのこは 思おうとします
 
 そして
 ベクレルって なあに?
  と たけのこは 
 小さくかわいい
  でも かすれた声で つぶやきます