花の四日市スワマエ商店街

表参道スワマエ商店街会長のひとり愚痴

大滝秀治さんの名セリフ!

2012年10月16日 | わたくしごと、つまり個人的なこと
荷物の包みから、10月7日付の産経新聞に大滝秀治さんのことが載っていた。
     
     
大滝さんが最後に読んだ赤塚不二夫のエッセイは以前にも書いた。
そういえば、忘れられないセリフ「煩悩だよ、煩悩…」の台詞が思い起こされる。
早速、検索したところ、ブログ“映画 シナリオ研究 第11回 若者たち 6 ”にあった。

学生活動家の委員長 隆(江守徹)が部費を私的に流用していた。
回収のため三郎(山本圭)は町工場を営む隆の家を訪れる。
隆の父親役が大滝秀治だった。三郎に向かって言うセリフが・・・(シナリオ原文より)
「税務署もお巡りも怖くはねえけどよ、俺は
昔は葛飾の争議で旗振り回したことだってあるんだし
この工場だって腕っこ一本で作ってきたんだから、ほんと。
煩悩だよ、学生さん、煩悩・・・俺が昔通り、着たっきりの労働者でよ、
あれ(隆)が一生ボロ着て暮らすより仕様がねえ境涯なら、
それ何でもやれって俺ァ云うけどョ、俺ァ今は経営者であれは学生だ、
あんたとおんなじによ、いくらだって先がある訳だ、これから。
だからアナやボル(大正時代の無政府主義者の呼称)の真似はして貰いたくねえしさ、ちっちぇ工場でも、此処守って。
そりゃあんた方から見りゃ、こんな工場は葉屑同然だろうけどさ、
でも俺ァ毎朝新聞見ると、キョッと胸が痛くなるんだ、ほんとに。
倒産なんたって皆新聞ズレしてやがるから、今時一人も驚きもしねえけどサ、俺ァ、
ああまた誰かがどっかで泣き見てやがるんだなあと思うと・・・
ほんと、仕事なんてものは、やってきた当人しきゃ判りゃしねえよ。
良い親じゃねえんだ、俺ぁ。頭じゃ野郎の云う理屈だって判ってるのによ、
・・・ともかく暴れねえで、無事安穏に大学出てくれって・・・。
そんなもんだぜ学生さん。ヤワな人間の一生なんてものはョ。
俺ァいいと思ってんだ、それで・・・嫌われたって、軽蔑されたって、
ともかく野郎が安穏に生きてくれりゃ…それでいいと思ってんだ。」

親心。大滝さんのこの言葉が、胸にしみます。
コメント
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