花の四日市スワマエ商店街

表参道スワマエ商店街会長のひとり愚痴

家族の絆

2012年10月03日 | 諏訪商店街振興組合のこと
市川 崑監督作品“おとうと”の感想が届いています。Tさん、力作をいつもありがとうございます。
     
9月28日の第3回は(文豪 幸田露伴の愛娘)幸田 文原作・水木洋子脚本・市川 崑監督による「おとうと」
時代は「大正」ですが、変わらぬテーマ「家族の絆」を扱っていますね。
ナイーヴな心を持ちながら、放蕩の限りを尽くし、17歳で見舞われた不治の病をきっかけに、信仰も必要としない澄んだ心を取り戻す息子。
家族を養う(療養費も)為、意に沿わぬ仕事も引き受け、最後まで息子を溺愛する父親。
生かさぬ仲の子供たちを愛しきれずにいたが、瀕死の息子の無垢な心に触れ、心の底から愛しいと涙を流す継母。
病弱な継母に代わって家事一切をテキパキとこなし、時には姉弟の情を超えて(?)息子を慈しむ様に弟の世話を焼いてきた娘。
臨終の息子に覆いかぶさって泣き崩れる両親の姿に、それまでの緊張の糸が切れ気絶した“げん”が、再び目覚めたとき、老いてゆく両親はこれから私がしっかり守っていくのだと決意する幕切れ・・・・見事でした。

     
心に残ったシーンは・・・・・
後の碧郎の喀血を連想させるような畳にこぼれた真紅のインク。
「ふわっとした悲しみのほうが、ひどい悲しみより辛い」と言う碧郎のセリフ。
死にゆく弟に見せるため、島田に結い上げた艶やかな髪を恥ずかしそうに隠す“げん”。
俳優については・・・・・
24歳頃、渡仏結婚後、一時帰国して出演した岸 恵子。今なお女優・作家として活躍し続けるパワーは凄い。
若者の苦悩を見事に演じ。ビリヤード・モーターボート・乗馬もさらりとこなしていた川口 浩。
ユーモラスなシーンも生真面目に演じていたのがおかしかった森 雅之。
継母で病身という不安定な立場の初老の女の悲しみを全身で演じきった田中絹代。
落ち着いた物腰と言葉遣いで中年婦人を演じていた、まだ20代の岸田今日子。
ねちっこいストーカー男をいやらしく演じた仲谷 昇(のちに岸田今日子と結婚)等々。
ありがとうございました。
コメント
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