新・ほろ酔い気分

酔っているような気分のまま、
愚にもつかない身辺雑記や俳句で遊んでおります。
お目に留めて下されば嬉しいです。

ひよどり草紙「はんぶんこの話」

2009年12月18日 08時44分12秒 | 草紙

「はんぶんこよーっ!」

 R沙から、電話。元気な声がキンキン聞こえる。若い女の声は甲高い。

「3億円当たったンでしょ?」 

 とっさに、「バレた!」と悟った。それにしても、情報が早過ぎる。

「3億円って、一体何の話だい?」 この際は、トボケる一手だ。

「トボケたって駄目よ!昨日のブログで見たンだから……。宝くじの話よ!」 

 やっぱり、昨日の「ほろ酔い気分」で知ったのだ。R沙は以前から、ブログを見ていた。

「莫迦を言うンじゃないよ。抽選は大晦日だぜ」 

「でも、当たりくじを買ったンでしょ!隠したって駄目だわ。はんぶんこがイヤなら、奥さんに言いつけるわよ!」

 これがR沙の脅しだ。いつもこの手で押しまくられる。

 さあどうするか。R沙が知ったとすれば、「はんぶんこ」では済まない。

 この話、カミさんには伝わらないが、すぐにS代には伝わるはずだ。R沙はS代の子分みたいなものなのだ。

 30代のR沙は、行きつけの小料理屋の女だ。いわば、チーママ。小柄なので30代には見えず、キュートなところが魅力だ。

 40代後半のS代は、私の主治医だ。私にとっては、愛人ながら怖い存在。

 そんなこともあってか、R沙はS代に一目置いている。姉貴分としての扱いだ。

 3億円を独り占めしよう。これは当初の胸算用。だが、うまく行って1億円になってしまいそうな展開だ。まさに口は禍の元。

 しかし、「はんぶんこ」の話に乗らなければ、カミさんに伝わり、ひょっとしたら、全額がカミさんのものになる危険性が生じる。

 それどころか、浮気がバレることになりかねない。モテる男の悲劇なのだ。

 カミさんは、親からの遺産をしこたま持っている。私として、離婚は絶対に避けたい。

 やはり昨日のブログは、迂闊の一語に尽きた。

 たかだか3億円。この際は、家庭の平和を選ぶべきか。

 私、R沙、S代が1億円ずつ。穏当な策かもしれない。

 どうせ買うなら、はずれくじにしておけばよかったのだ。あとの祭だ。

 とんだノーテンキな話でゴメンなさい。

 別館として、写真俳句ブログの「いのちの囁き」を開いてます。

 ご覧いただけると嬉しいです。

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コメント (14)
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