新・ほろ酔い気分

酔っているような気分のまま、
愚にもつかない身辺雑記や俳句で遊んでおります。
お目に留めて下されば嬉しいです。

捨てたものではない

2008年10月09日 08時22分33秒 | 身辺雑記

 今朝はカラッと晴れた。浮かんでいる雲は薄い。

 以前の私は、なにかにつけて腹を立てていた。

 腹立ちの原因は、公共のマナーについてが多かった。

 電車の中でのマナーの悪さには呆れた。公園内でのマナーの悪さにも腹が立った。

 このブログを始めたのは、昨年の4月。記事の中でも、怒り心頭に発していた。

 このまま行けば、脳動脈が破裂せんばかり。

 しかしこの頃は、怒る機会がなくなった。

 外出する機会が減ったわけではない。むしろ多くなった。ここのところ2~3週は、ほとんど毎日のようにJRを利用していた。

 マナーが向上したのか?そんなことはない。短時間で向上するはずがない。

 私の人間性に丸味が出たのか?決してそんなことはあるまい。

 原因は簡単。私が諦めたのだ。嫌な場面を、見ないように努めている。

 これを称して、「人間性に丸味が出た」と言うのなら、確かに丸くなった。

 電車に乗るときも、優先席付近には近づかない。

 老人が立って若者が寝たふりをしていても、見えないから腹が立たない。

 なるべく若者から離れる。若い女性も見ない。電車に乗ったら、もっぱら本を読む。

「優先席の携帯電話」も、「車内化粧」も見ないですむ。

 誰かの著書に、「老いの気概」を説いた本があった。

「気に障ることがあったら、どんどんぶっつけろ。それが老いの気概というものだ」

 そんな内容だったように思う。「老いたる者の義務ではないか」と書いてあったかもしれぬ。

 しかし私は、もうそんな気概は持たない。そんな気概は無意味だ。

 何を言っても反発を喰らうだけ。知らぬが仏を決め込んだほうがまし。

 情けないと思うし、悔しいとも思うが、今さら無理なのだ。まさに「蟷螂の斧」。

 小さい蟷螂(カマキリ)が、斧を振りかざして車輪と戦ってみても、所詮勝てはしない。

 ここまで書いたとき、先日の光景を思い出した。

 JR車内でのこと。

 赤ちゃんを抱いた若いママさんが立っていた。

 座席に座って本を読んでいた老人(60代後半?)が、いち早く立ち上がった。

「重たそうだね。さあ、お掛けなさい」 老人が言った。

「いえ、私、すぐ降りますから……」 ママさんは固辞した。

 老人の隣りに座っていた若者(学生風)が、もぞもぞと立ち上がった。

「ここへどうぞ!」 そう言うなり、若者はそそくさとその場から立ち去った。

「じゃあ、座りましょうか」 

 老人とママさんが、隣りあわせで座った。

 ひょっとすると、日本はまだ大丈夫なのかな?

 もう駄目なのか、まだ大丈夫なのか。

 老人の役割は、まだあるのかもしれないな。

 このブログ、書き始めとシッポで、書き手の気分がだいぶ変わった。

 従って、一貫性が失われたようだ。でも、まあいいか。

 まだまだ捨てたものではないかもしれない。

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コメント (14)
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