新・ほろ酔い気分

酔っているような気分のまま、
愚にもつかない身辺雑記や俳句で遊んでおります。
お目に留めて下されば嬉しいです。

民主主義の危うさ

2008年10月07日 07時01分33秒 | コラム・エッセー

 中山成彬前国土交通大臣が、議員引退の意向を示した。

 あれほどのことを言ったのだから、大臣の辞任は当然のこと。ところが、議員も引退すると表明した。

 その段階から、東国原知事の迷走が始まった。ある一定期間、態度が不明瞭となった。

 中山議員は宮崎一区選出の議員だ。

 衆院選はすぐに行われる。自民党としては、候補者を見つけなければならない。東国原知事に、出馬を打診したかもしれない。打診しても不思議はない。

 東国原知事が出馬か?

 いつもの通り、マスコミが走り廻った。知事の周囲に群がった。

「衆院選に立候補されるのですか?」 異口同音の質問を、知事に浴びせた。

 初めのころ、知事は、「今は考えられない」と、否定的なニュアンス。

 しかし、いつの間にか、態度が変わっていった。

「県民のみなさんの意向次第」、と答えはじめたのだ。

 つまり、「県民から国政で汗をかけと言われれば、それもあり得る」という態度だった。

 裏側で、自民党からの意向打診があったのだろうか。

 さあ、面白いぞ!視聴率が稼げるぞ!新聞が売れるぞ!

 躍起になったマスコミが、知事を追いかけ廻した。

 マスコミ好きの知事は、したり顔で、「県民のみなさんの意向次第」を幾度も力説した。

 視聴率取りに躍起のテレビでは、「国政選挙に出るべきか?」との問を発し、世論調査を行った。私が見ていたかぎりでは、90パーセントの県民が否定的であった。

 この騒動は、日本の民主主義の危うさを物語っている。日本にかぎらず、もともと民主主義の危うさなのかもしれない。

 民主主義という政治形態は、「選ばれる側」の品格と、「選ぶ側」の品格が問われる。

 面白おかしく取り上げるマスコミは論外。軽佻浮薄な行動は、今に始まったことではない。

 知事になった東国原氏は、「宮崎をなんとかせんばならん」と訴えて当選した。

 知事の任期なかばで、「宮崎をなんとかせんばならん」と言って、衆院議員に転じることができるのか。

 状況が変わった、と言えば言えそうだ。

 しかし、「県民のみなさんが、宮崎県のために国政で汗をかけと言うのであれば……」と、下駄を県民に預けている。

 自らの政治信念はないのか!

 信念と矜持、これが選ばれる側の品格だ。

 見識と鑑識眼、これが選ぶ側の品格だ。

「空気」次第で、どうにでも変わるいい加減さでは、民主主義は正しく機能しない。

 それが民主主義という政治形態の欠陥なのだろう。

 とは言え、それでも、独裁政治よりはましなのだが……。

 現段階において、やっと、知事は不出馬に心を固めたらしい。

 こちらの今朝は、深い霧に覆われている。今の政界を象徴しているようではないか。

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コメント (14)
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