安全問題研究会~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

公共交通と原発を中心に社会を幅広く考える。連帯を求めて孤立を恐れず、理想に近づくため毎日をより良く生きる。

この間の各地震について

2017-07-15 18:28:35 | 気象・地震
7月前半に、震度5弱以上を記録する地震が3回あった。遅くなってしまったが、簡単な解説のみでもしておきたい。

1.7月1日23時45分頃の胆振地方中東部の地震について(気象庁報道発表

M5.1は、日本周辺では毎月起きている地震で大きな地震とはいえない。震源はやや浅めの27kmで、これが地表の揺れを大きくした。

東日本大震災直前から、北米プレート内部での地震は増加している。この地震も北米プレート内部でのもので、似ている地震を探すとすれば、2012年8月25日の十勝地方南部地震(報道発表)2014年7月8日の石狩地方南部の地震(報道発表)、2015年6月4日の釧路地方中南部の地震(報道発表)、2016年1月14日の浦河沖地震(報道発表)などがある。いずれも、北米プレート内部が震源で、発震機構)地震のメカニズム)が西北西-東南東方向または北西-南東方向に圧力軸を持つ逆断層型であることだ。いずれの地震も、浦河沖で将来、海溝型巨大地震が発生した際、「今思えば、あの地震も前兆のひとつだった」と振り返られることになる地震だと言ってもいいだろう。

全部で9ページある気象庁の報道発表中、5ページの資料を見ると、この区域でのある程度規模の大きな地震はすべて東日本大震災後に発生している。東日本大震災をきっかけに地震活動が極端に活発化した地域であるといえよう。その意味では将来、この地域で発生が見込まれる海溝型地震の時期に影響を与える可能性がある。

2.7月2日00時58分頃の熊本県阿蘇地方の地震について(気象庁報道発表

「「平成28年(2016年)熊本地震」について(第43報)」という報道発表のタイトルにあるとおり、気象庁はこの地震を熊本地震の余震と見ているが、震源地、発震機構いずれの面からも、その見解でよいと思う。熊本地震は南北方向、今回の地震は北北西-南南東方向と、張力軸の方向はわずかに異なるが、いずれも横ずれ断層型だ。震源深さも11kmと同じできわめて浅く、規模の割に大きな揺れをもたらした。最近活発化しているユーラシアプレート内部の地震だ。

3.7月11日11時56分頃の鹿児島湾の地震について(気象庁報道発表

過去に地震の少なかった地域で起きた珍しいものである。だが、震源深さが10kmで熊本とほぼ同じであること、発震機構も横ずれ断層型であること等、酷似している点が多い。熊本地震の余震とは言い切れないものの、熊本地震に触発されて起きた関連地震のひとつのような気がする。

将来、南海トラフ巨大地震が発生したとき、「今思えば、あの地震も前兆のひとつだった」と振り返られることになる地震だと言えよう。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 2017年上半期 鉄道全線完乗... | トップ | 【管理人よりお知らせ】安全... »

気象・地震」カテゴリの最新記事