安全問題研究会~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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【金曜恒例】反原発北海道庁前行動(通算348回目)でのスピーチ/原子力規制庁交渉を終えて

2019-08-04 22:14:28 | 原発問題/一般
 皆さんお疲れさまです。また1ヶ月ぶりの参加になりました。

 先週金曜日、26日から3日間、東京に行ってきました。関西電力本店前でも、毎週金曜日行動が取り組まれています。全交関電前プロジェクトという団体が、真夏の猛暑日にも、寒風吹きすさぶ冬にも行動に取り組んでいます。その仲間たちと一緒に、先週金曜日に原子力規制庁への要請行動に取り組みました。要請項目は、国家公務員住宅に住んでいる避難者に対する家賃2倍請求による追い出しをやめること、捏造が発覚した早野龍五氏の論文を使っての放射線審議会での議論を今後も含め一切しないこと、30km圏内地域が避難計画を作成できないままの状態で原発再稼働の許可を出さないこと、関電の福井県内の原発や、四国電力伊方原発で焦点になり始めている乾式キャスクによる放射性廃棄物の処理をしないこと、六ヶ所村での使用済み核燃料の再処理をやめること、等です。福島みずほ議員の仲介で、参院議員会館に原子力規制庁の他、再処理を担当する資源エネルギー庁にも来ていただき、交渉をしました。

 原子力規制庁の対応は、ひどいの一言でしか言い表せないものです。何を質問しても「自分達の所管事項でないから答えられない」「回答を差し控えたい」だけで、中身のある答えはまったくといっていいほどありませんでした。

 今もっとも深刻な問題である、東京・東雲(しののめ)の公務員住宅からの家賃2倍請求による追い出し問題は、全交関電前プロジェクトのメンバーから規制庁に持っていく要請項目を一緒に考えてくれるようにお願いされ、私の発案で入れたものです。この問題は福島県と公務員宿舎を管理する財務省が担当で、規制庁の管轄外であることはわかっていましたが、それでも問題が深刻なので福島県を指導していただきたい、との思いで入れました。予想通りと言えばそれまでですが、「自分達の管轄外なのでお答えを差し控えたい」という規制庁の官僚答弁には呆れるほかありませんでした。

 公務員宿舎に住んでいる人たちの多くは、心身に病気を抱えていて、働くこともままならず、仮に追い出されたとしても行く先もない人たちです。精神面の問題を抱えているだけに、自殺に追い込まれる人も出かねないほど深刻な事態なのです。規制庁の官僚たちは、避難者が自殺してもそれは自分達の担当でないから関係ないとでもいうのでしょうか。彼らはいったい誰のため、なんのために官僚になったのでしょうか。国民を幸せにするためにではないのでしょうか。それとも福島県民や福島からの避難者は国民のなかに入っていないのでしょうか。だとしたら、彼らの考える国民とは誰のことなのでしょうか。ほんの一握りの安倍首相の友人でしょうか。ほんの1%の富裕層でしょうか。ここにいるひとりひとりみんな国民のはずです。重度身体障害の人でも国会議員になれる時代がきました。国民がのたれ死んでも自分達の管轄でないから知らないというなら、そんな人たちは今すぐ辞表を書き、官僚をやめるべきです。

 27日の土曜日には、福島原発神奈川訴訟原告団長の村田弘(ひろむ)さんとお会いしました。村田さんは、集会でのあいさつで、やはりこの避難者の住宅問題を取り上げました。「家賃を2倍に引き上げて、住宅から避難者を追い出す福島県のやり方は、地上げ屋、サラ金と同じだ」と怒りをあらわにしました。福島県のこうした強硬姿勢の背景に、オリンピックまでに避難者を消し去りたい安倍政権の強固な意思がある、とも指摘しました。私は、安倍政権だけでなく内堀知事も同じだと思います。福島「復興」の象徴として、せっかく聖火ランナーが浜通りを走るというときに、福島が放射能汚染で住めないから避難してきた、と主張する人たちが邪魔で邪魔で仕方ないのだと思います。オリンピックを成功させ、避難者を消し去るためなら犯罪以外は何でもする。それが安倍政権と福島県なのです。

 しかし、一方で村田さんは「避難者がいるという事実は絶対に消させない」と力強く決意を述べました。福島の原発被害という災厄は数百年続きます。オリンピックなどしょせん2週間そこらの夢にすぎず、夢からは遅かれ早かれ醒めるしかありません。私たちは、福島、沖縄という不都合な現実と向き合う以外にないのです。

 史上2番目に投票率の低かった参院選も終わりました。身体障害者の方が国会に登院しただけでニュースになること自体、日本の後進性を物語っています。多くの発展途上国でさえ、何年も前に通過したスタートラインに日本は今やっと立ったにすぎません。こんな国でオリンピックをやる資格があるかどうかが問われるべき局面ではないでしょうか。とはいえ長く暗いトンネルの向こうにほんの少し、光も見えてきたように思います。諦めずに頑張るしかないと思います。

190727村田弘さん(福島原発神奈川訴訟原告団長)挨拶 2019東京全交


190727飯舘村の方の歌 2019東京全交


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