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可憐な歌声をもつマイナーな女性シンガーソングライター

2020-11-23 19:20:37 | 音盤ノート
Laura Watling "Early Morning Walk" Shelflife, 2001.

  米国産ギターポップ。Shelflifeは1990年代半ばにカリフォルニアで創業したインディーズレーベルで、NYに本拠地を移してスウェーデンのバンドを紹介するようになってから知られるようになった(現在はオレゴン州ポートランドに所在地がある)。カリフォルニア時代から、レーベルの創業者のEd Mazzuccoと一緒にThe AutocollantsというバンドをやっていたのがLaura Watlingである。(以前WatlingはMazzuccoの奥さんだという記事をみた記憶があるが、今探してみても確認できない)。

  特徴的なのがその声である。可憐で可愛らしくて子供っぽい。内気な女子中学生みたいな歌声である。この押しの弱い歌声の好みは分かれるところで、女性歌手に力強い表現を求める向きにはうけないだろう。とはいえ、落ち着いた歌唱であり芯の強さも感じなくもない。また、このアルバムの内省的で清廉なサウンドの耳あたりはとても良い。収録されている曲の中には王道のtweepopもあるが、アコースティックギターによるフォークロック風の曲のほうが印象に残る。バック演奏の音圧も薄めで、鍵盤はかつてのカシオトーンのように安い音だ。全体としては1970年代前半の古き良きウェストコーストロックを思い出させる。

  このアルバムは彼女の唯一のオリジナルソロアルバムである。このほかに編集盤一枚と数枚のシングルがあるが、いずれのCDもレコードも入手困難のようだ。ネット音源を探すほかないが、CMが入るのを我慢できるならばyoutubeでアルバム全体を聴くことができる。

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