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ひろの東本西走!?

読書、音楽、映画、建築、まち歩き、ランニング、山歩き、サッカー、グルメ? など好きなことがいっぱい!

0マイル ゼロマイル(稲葉なおと)

2011-02-01 22:15:08 | 10:あ行の作家

Zeromile1_30マイル ゼロマイル(稲葉なおと)
小学館文庫
★★★★☆’:80~85点

2年前に単行本で読んだ作品の文庫化です。
美子さんから情報を頂いて早速購入し、通勤時間などを利用して1.5日で一気に読了。やはり面白かったです。表紙も美しいですね。美子さん、情報をありがとうございました。

ちなみに以前の感想はこちら

ストーリーそのものはほぼ覚えていたため、あっという驚きなどはありませんでしたが、単行本で読んだときの記憶が鮮やかによみがえってくると共に、再読ではしみじみとした味わいがありました。「苦くて深い相棒物語」という重松清さんの解説も絶品!

******************************** Amazonより ********************************

父と子のふたり旅が紡ぐ新感覚ロードノベル

かつて新進気鋭の写真家として脚光を浴びた吉川士朗は、出張中に身重の妻が緊急手術をしたことが原因で、長期の旅行を伴う撮影をやめてしまった。日々の仕事に埋没していた折、旧知の編集長から米国フロリダを旅する紀行写真の企画を持ちかけられる。これは「最後のチャンス」かもしれない……。そんな思いを抱きながら、病弱の妻を日本に残して、小学2年生の息子・登士を「助手」として連れていくことになった。

「世界でいちばん美しい道」を息子と一緒に見にいきたい----。マイアミ国際空港から米本土最南端「0(ゼロ)マイルの街」キーウエストを目指してドライブする「ふたり旅」。ホテル内を無断で撮影しようとして警備員に拘束されたり、夜の繁華街で息子が行方不明になったりと、トラブルの連続で思うように仕事ができない士朗は、つい息子にきつくあたってしまう。しかし、些細なことでケンカをしながらも、旅先で様々な人たちとの出会いを経て、「助手」から「相棒」へと、親子の距離も少しずつ変わっていく。そして「世界でいちばん美しい道」の果てで、士朗たちが出会ったのは……!?

父と息子の交流を描いた感涙必至の紀行小説、待望の文庫化。

********************************************************************************

巻末に単行本に新たに加筆・改稿したものの文庫化とありましたが、具体的にどの部分かはよく分からずでした。メインのエピソードそのものは増えていないような気もするので、終章の最後の方でしょうか?士朗と登士の会話など?

今回の再読で印象に残った箇所です。
(桃色ヘアのおばさんとの会話のシーン)

   「あなたはもうすでに何人も会ってるでしょ」
   「会ってる?」「誰に?」
   「天使よ」
   「・・・・・・・・」
   「旅するひとは必ずひとりの天使に出会える」
         :
   「私が、もしかしてこのひとがっ、て感じた相手は、そうでなければあり得ない
    と思うほどの感激を私に与えてくれたから。まるであらかじめ台本があった
    んじゃないの、っていうくらいのね。あなたにもあるでしょ。旅先で会った
    見ず知らずのひとに、忘れられないくらい感動的なハプニングや思い出を
    プレゼントされた経験が」

士朗と登士が二人旅で出会った天使は果たして誰だったのだろう。
  ザ・ブレイカーズのビル(総支配人)やスーザン?
  ハリー、アサミ、アイリーンの親子(娘)
  桃色ヘアのおばさん自身
  老警官 ・・・
出会った人同士がお互いに相手にとっての天使だったのかもしれない。

0マイル標示のあった場所が、士朗や読者が想像していたような桟橋の先端といったドラマチックな場所や特別な場所ではなく、何の変哲もないごく普通のありふれた場所だったのは、意外であった一方で味わい深いとも思いました。

重松清さんの解説より

   息子と二人きりの旅・・・・。
   息子を持つ父親であれば、おそらく誰もが胸躍らせるシチュエーションである。
        :
   だが、現実には、世の父親たちの多くが「いつかは俺も・・・・」とほろ酔い
   かげんで繰り返しつつ、結局その「いつか」を逃してしまう。
   だからこそ、ひとは父親と息子の二人旅の物語を求めるのではないか。

うーーーむ、我が家は息子が二人なのですが、4月からは高1と中1になります。少し前までは夏に海水浴や家族旅行を、冬にはスキーなどを楽しみましたが、最近は息子達も部活などで忙しく、父親との旅どころか家族旅行のスケジューリングも困難になってきております(汗)。もう少し小さいときでも父親と息子たちという男同士の旅はしなかったですね。3人で六甲山や箕面の紅葉見物に出かけたりはしましたが、これは旅とはいえないしなあ。

やはり、日常生活から離れた旅らしい旅でこそ、様々な出来事があったりして本書のような感じにもなるのですかねえ。息子達をちらりと見やると・・・・今夜もまた、私や妻に怒られながらもゲーム三昧です。ほぼ毎日、ゲーム、ゲーム、ゲーム・・・・。あ~ぁ。。。かくして、息子たちとの旅の機会を逃してしまうのかな。。。

◎参考ブログ:
  
   えんたかさん(遠藤さん)のブログ


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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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ゼロマイル、文庫本が出てるんですね。 (mayumama)
2011-02-03 22:00:19
ゼロマイル、文庫本が出てるんですね。
以前ひろ009さんが紹介されてたこの本読んで私も内容に共感を覚えまくりで感動した記憶あります~
又文庫本の方も読み返してみたいなと思いました。
今度春休みには去年の築地本願寺に続いて稲葉なおとの「巨匠の宿」で紹介されてた
秋吉台国際芸術村に宿泊の予定です。
ここも建築も楽しめるようなので今から楽しみにしてます。
返信する
☆mayumamaさんへ (ひろ009)
2011-02-03 22:43:52
☆mayumamaさんへ

こんばんは。
コメントありがとうございます!

久々の再読で感動を新たにしました。
やはり親子の旅が良かったですし、フロリダ(マイアミ)のアール・デコ建築も見に行きたいものです。
アメリカとは全く無縁ですが、ニューヨークも面白そうですね。

秋吉台国際芸術村、ここは全く意識したことがありませんでした。
次回の建築めぐり講座、よろしく~。
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