混迷させたのは反育鵬社団体のほうだ




 16年間続いた革新市政から自民党系の保守市政に代わったのは去年である。石垣市の政権が革新から保守に代わったときが八重山の岐路であったと推理するのが常識だ。

 八重山採択地区協議会で、公民の教科書が今まで採択していた東京書籍の教科書ではなく育鵬社の教科書に代わった原因は、去年の市長選挙で保守系の候補者が当選したことにある。第18代石垣市長・中山義隆氏は石垣市教育長に玉津氏を任命し、中学の公民は育鵬社にするように指示したと考えられる。
 玉津教育長は自民党本部の指導を受けながら、調査員の順位付けを排除するなどして八重山採択地区協議会の規定を変更し、8月23日の協議会で育鵬社の教科書を採択した。八重山の岐路は今ではなく去年の石垣市長選にあった。すでに八重山の岐路は決まっている。
 新たな方向に変えるには長い闘いをしなければならない。八重山教科書問題に取り組むくらいでは方向を変えることはできない。

 社説は「混迷を深めている」というが、「混迷を深めている」原因は八重山採択地区協議会で育鵬社の教科書が採択されたにも関わらず、育鵬社の教科書に反対して東京書籍の教科書を採択しろと無理な要求をする団体が登場したからである。
 それに混乱が起こっているように見えるが、文科省の方針ははっきりしているし、石垣市、与那国町の教育委員会はすでに育鵬社の教科書を採択している。教科書の無償配布手続きは粛々と進んでいる。育鵬社を採択した石垣市や与那国町の事務的な流れは混迷を深めていない。「混迷を深めている」のは東京書籍の教科書を無償給与しろと主張している竹富町や育鵬社の教科書に反対している団体である。
 文科省は今月末までに八重山地区の公民の教科書冊数を報告するように県教育庁に要求している。県教育庁は報告するだろう。

 9月8日の全員協議で東京書籍の教科書を採択した時は民主ルールを無視した強引な協議運営だった。文科省は8月23日の地区協議会は有効であり、9月8日の全員協議は無効であると答弁しているが、9月8日の協議会の議事録をみれば文科省答弁に納得できる。
文科省の見解に反対して全員協議を支持するのは政治思想があるからである。

 「教職員も、未来を担う中学生も、市民の立場から声を上げるのは当然の権利である」は正当な意見である。しかし、どこでも市民の立場から声を上げることは許されない。
 「こどものための教科書を考える保護者の会」は義務教育の場である学校で署名活動をした。これは問題である。文科省の検定を合格した教科書であるのだから、教育の場では育鵬社の教科書も東京書籍の教科書も平等に扱わないといけない。ところが、「こどものための教科書を考える保護者の会」は育鵬社の教科書を嫌い東京書籍の教科書を支持している。
 ということは「こどものための教科書を考える保護者の会」は偏った思想を持つ団体であるということになる。公的な場所である小中学校で東京書籍の教科書を採択させる目的で署名活動をするのは違法行為である。

 東京書籍の教科書を支持する署名をするということは七社の教科書の中の一社だけの教科書を売り込む行為であるし、学校内で教科書売り込みの営業をしていることになる。「こどものための教科書を考える保護者の会」は東京書籍以外の出版者の営業妨害していることにもなる。

 「こどものための教科書を考える保護者の会」の署名活動を学校内で禁止するのは当然である。

 社説は学校内での「こどものための教科書を考える保護者の会」の署名活動や中学生の自衛隊配備反対の署名活動を当然の権利としているが、彼らの行為は政治活動である。学校内の政治活動を認めるということは右翼の政治活動も認めることになる。
 社説は右翼の政治活動も認める客観的な視点から述べているだろうか。社説は学校を政治争いの場にしてもいいというのだろうか。

「このような精神風土を持つ地域が、政治的な思惑によって引き裂かれる現状は異様だ。異議に耳を傾け、後世に恥じない選択を求めたい」と社説はしめくくっている。
国が許可した育鵬社の教科書であるのに採択を拒否することがむしろ政治的に偏っていることである。育鵬社の教科書を天皇崇拝、軍国主義であるという非難のほうが政治的思惑がみえみえである。引き裂いたのは八重山採択地区協議会の採択を拒否した竹富町であり、育鵬社の教科書の採択を拒否している沖教祖や沖教祖OBたちである。

 9日8の全員協議では石垣教育長や与那国教育長の意義を一切受け付けないで、強引に全員協議を成立させたのは県教育庁であった。

 新聞社は公平な立場に立ち、八重山教科書問題を検証してほしい。
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