日本が二大政党にならない原因その1 共産党3


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日本が二大政党にならない原因その1 共産党3

 日本共産党はロシア革命を労働者を解放するプロレタリア革命であると錯覚して誕生した政党である。
 プロレタリア革命とは資本家に搾取され支配された労働者を解放して自由にすることである。共産党宣言で「万国の労働者よ団結せよ」という有名な宣言がある。労働して生産するのが労働者である。民族、文化、生活様式が違っていても労働者は万国共通の存在である。労働者が搾取されない、自由な国をつくることは万国共通する。万国の労働者は団結してプロレタリア革命を起こし労働者の解放を勝ち取ろう。それが「万国の労働者よ団結せよ」である。
プロレタリア革命は資本主義経済が発展して資本家階級が国家権力となった時に起こすものである。しかし、ロシア革命は資本家階級を倒したのではない。倒したのはロマノフ朝である。ロシア革命で皇帝ニコライ2世とその家族は捕らえられ銃殺された。300年続いたロマノフ朝が幕を閉じた。
 ロシアはヨーロッパより近代化が遅れていた。ロマノフ朝が続きニコライ2世が支配していた。日本でいえば江戸幕府である。ロシア革命が倒したのは資本家階級ではなく日本なら江戸幕府=武士階級を倒したのだ。ロシア革命はプロレタリア革命ではなかった。ロシアでは資本主義経済は発展していなかったからブルジョア階級は弱く、国を支配するほどの力はなかった。ブルジョア階級も皇帝ニコライ2世の支配下にあったのだ。
 ロシア革命は農民、軍隊、労働者、そして資本家の団結によって成功した。労働者が戦った相手は資本家ではなく皇帝ニコライ2世であった。皇帝ニコライ2世政権を倒した後に臨時政府を設立したが主導権争いで内部抗争が激しくなり、臨時政府を倒したのが亡命先からロシアに帰国したレーニンが率いるボリシェビキ派であった。
 プロレタリア革命とは資本主義が発展した国で資本家階級の支配を倒すというものであった。それとはとは違っていたのがロシア革命であったのだ。
 ロシア革命以前にわずか2カ月であったが1871年にパリでプロレタリア革命が起こった。史上初の「プロレタリアート独裁」による自治政府を宣言したパリ・コミューンである。

パリ・コミューン宣言一部
労働者諸君、コミューン革命はこれらの原理を確認し、未来における葛藤のあらゆる原因を取り除くものである。・・・・。信用と交換の組織、労働者の結社、無償の世俗的な完全教育、集会と結社の権利、言論の絶対的な自由、市民の自由、警察、軍隊、衛生、統計、その他の業務を自治体の観点でなす組織。・・・・・・。パリの人民は、自らの都市の主人としてとどまり・・・・・自らの自治体の代表を確保するという至上の権利を、議会の選挙投票において確認するであろう。

パリ・コミューンはヴェルサイユ政府軍によって鎮圧されたが、パリ・コミューンで行った数々の社会民主主義政策は、今日の世界に影響を与えた。
 パリ・コミューンが掲げた政策は、教育改革、行政の民主化、集会の自由、労働組合をはじめとする結社の自由、婦人参政権、言論の自由、信教の自由、政教分離、常備軍の廃止、失業や破産などによる生活困難者を対象とした生活保護などであった。
 パリ・コミューンが掲げた政策のほとんどはは戦後の国民主権、議会制民主主義である日本で実現しているものである。

 パリ・コミューンと社会主義ソ連と決定的な違いがある。パリ・コミューンは行政の民主化、集会の自由、結社の自由、言論の自由、信教の自由があったがソ連には労働者市民の自由はなかった。ソ連だけでなく中国など社会主義国家には労働者の自由がない。社会主義は労働者を縛り付ける国家である。パリ・コミューンがプロレタリア革命であったとすれば社会主義国家ソ連はプロレタリア革命に逆行するものである。
 ロシアでの革命を世界へ波及させることを目的として、1919年3月に「コミンテルン」が結成された。1922年に日本共産党が成立した。遠いロシアの国の体制の詳しい内容を日本で分かるはずがない。日本共産党はロシア革命は労働者、市民を解放し幸せにする素晴らしい革命であると信じた。日本共産党は今も社会主義国家が最高の国家であると信じている。
1991年にソ連は崩壊した。崩壊したのはスターリン主義が原因であり共産党一党独裁の社会主義が原因ではないと日本共産党は思っている。社会主義が未来の共産社会につながると信じている。
ソ連が崩壊した根本的な原因は共産党一党独裁の社会主義国家だったからである。共産党一党独裁の政治は血族の独裁から共産党という集団の独裁に代わっただけである。血族の独裁にしろ一党独裁にしろ国民の自由を奪う独裁国家に違いはない。ソ連では労働者は解放されなかったし自由もなかった。労働者が解放されたのがロシア革命あると日本共産党信じたがそれは幻想でしかなかった。
 日本共産党は米国と日本は独占資本主義と信じきっている。信じている原因はレーニンの理論をそのままそっくり受け入れているからである。レーニンは国家とは支配階級が被支配階級を支配するために存在していると説いている。資本主義社会である米国は資本家階級が労働者階級を支配している国家であるというのがレーニンの理論である。
米国は選挙で大統領と議員を選んでいるが、選挙をしてもブルジョア階級が支配していることに変わりはないとレーニンは議会制民主主義を否定した。だからソ連には選挙はない。日本共産党は現在もレーニンの理論を信じている。
 共産党にとって米国は資本家階級が労働者階級を支配する独占資本主義であり帝国主義国家である。日本も米国と同じ独占資本主義国家であると決めつけている。
国民主権、議会制民主主義の日本は資本家階級が労働者階級を支配している国ではない。労働者階級が解放されている国である。プロレタリア革命の象徴であるパリ・コミューンと比べると分かる。
 パリ・コミューンのいうプロレタリア革命とは労働者、市民の自由と行政を選挙で選ばれた代表の下に設置することである。パリ・コミューンのいうプロレタリア革命は国民主権・議会制民主主義と同じである。
プロレタリア革命の象徴ともいえるパリ・コミューンは自治体の代表を議会の選挙投票において選んだ。しかし、ロシア革命のソ連は共産党一党独裁国家であり労働者、市民による選挙はなかった。パリ・コミューンの政策に近いのはソ連ではなく、戦後の日本である。
パり・コミューンがプロレタリア革命であるなら戦後日本もプロレタリ革命と言える。

ロシア革命はプロレタリア革命ではなかった。共産主義とはかけ離れた共産党を名乗った政党の独裁国家だった。日本共産党も共産主義ではないし、プロレタリア階級に味方する政党でもない。もし、共産党がプロレタリア階級の味方であれば日本の労働者は共産党を支持し、共産党が与党になれるほどの議席を確保している。しかし、共産党はたった25議席しかない少数政党である。原因は共産党は労働者階級に支持されていないからだ。
日本最大の日本労働組合総連合会は共産党を支持していない。共産党を支持しているのは全国労働組合総連合である。全労連は官公労の自治労連、日教組の左派などの公務員団体の集まりである。公務員は民間労働者ではない。民間労働者は税金を払う。公務員は税金を給料として受け取る。公務員は労働者階級に属さない。共産党は民間労働者に支持されないで公務員に支持されている政党である。
 共産党が民間労働団体に嫌われていることが明らかになる事態が起こった。
 枝野代表は自民党に選挙で勝って政権を奪取する目的で野党の結集を呼び掛けた。国民新党とは合流し、社民党を吸収した。そして、共産党に選挙共闘を要請した。共産党は受け入れた上で野党連合を枝野代表に提案した。立憲民主党と共産党が接近する中で、立憲民主党を支持している日本労働組合総連合会傘下の全トヨタ労働組合連合会が連合を離脱する可能性が出てきた。原因は立憲民主党が共産党と接近したことにある。立憲民主党が共産党と共闘するならトヨタ労連は立憲民主党を離脱すると幹部は警告している。共産党が労働者階級の味方ではないことを労働団体は知っているのだ。

 共産党は教職員、公務員を中心に学者、弁護士、文化人、マスコミ人などが結集する政党である。労働者階級とは距離のある政党である。政党の本部収入は203憶円で自民党に次ぐ2位である。資金力は豊富であり党員も多い強大な政党である。ところが国会議員わずか25人と議員は少ない。
 共産党は日本を独占資本主義と呼び資本家を敵としている。1%の資本家ではなく99%の労働者の味方であると宣言している共産党である。しかし、労働者に嫌われている。資本家にも労働者にも支持されないのが共産党である。

共産党は統一戦線で労働者、勤労市民、農漁民、中小企業家、知識人、女性、青年、学生の結集を目指しているが多数結集させることは無理である。それが共産党である。

最大の労働団体連合に嫌われている共産党は二大政党の足を引っ張る政党でしかない。共産党が立憲民主党と共闘すればトヨタ連合会は連合を抜けるだろう。トヨタ連合だけでなく他の労働団体も抜ける可能性がある。共産党との共闘は立憲民主党が労働団体の支持を失うことになる。ロシア革命にあこがれ、社会主義を信じる共産党は二大政党設立を破壊する政党である。

共産党はプロレタリア革命の原点であるパリ・コミューンの精神に戻り、労働者の解放、自由とはなにかをもう一度追及してほしい。
「共産党よ プロレタリア革命の原点に戻れ」と叫びたい。

国民主権、議会制民主主義、三権分立、表現の自由、職業選択の自由、義務教育、政教分離、財閥解体、独占禁止、政治家への賄賂禁止等々、戦後日本はプロレタリア革命に等しい変革を実現してきた。これからも変革していく。それが国民主権・議会制民主主義だ。
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