平敷武薫氏批判

平敷武薫氏は、沖縄タイムスの「文芸時評」で、北朝鮮の韓国への砲撃に対して、イラクやアフガンで民衆の殺戮を繰り返す米国やそれを支持してきた者には抗議の資格はないと述べている。

これは平敷氏だけでなく、多くの沖縄の知識人たちの一般的な意見である。沖縄の知識人は、イラクやアフガンでアメリカが議会制民主主義国家をつくろうと苦労していることには一切触れない。アメリカ軍は殺戮の目的だけでイラクやアフガンに侵攻していると決め付けている。
イラクは総選挙が終わっても、宗教対立や地域の利害争いが根深く、国の政治が麻痺していたが、やっと国会活動ができるようになった。
アフガンもタリバンの武装勢力の破壊活動が続く中でなんとか国民投票をすることができた。しかし、不正な選挙があり、当選者の最終結果にとまどっている。
イラクとアフガンの民主化へ一番力をそそいでいるのがアメリカだ。

アメリカがイラクやアフガンに侵攻したのはフセインやタリバンの独裁国家を滅ぼし、民主主義国家をつくるためだった。アメリカがイラクやアフガンに民主主義社会をつくろうとしている苦労は完全に無視しているのはおかしい。

平敷氏は管内閣も批判している。そして、尖閣の衝突問題では、衝突した中国漁船の問題や中国漁船が尖閣諸島を侵略していることには追求しないで、ビデオの流出について追求している。
平敷氏は中国漁船の衝突ビデオを流出させた海上保安管を「国民知る権利」という観点から英雄視する論調を否定して、佐藤優氏の発言に賛同し、「武器に触れることができる官僚が。自らの正義感基づいて下克上を行うことを許すと、民主主義が腐食される。」という佐藤氏の評論を引用している。そして、佐藤氏の説をそっくり引用して、シビリアンコントロールがきかなくなった22・6事件と尖閣ビデオ流出を重ね合わせて、尖閣ビデオ流出も民主主義が腐食される危険性があると述べている。

軍人による閣僚暗殺行為と保安官の情報公開行為と同等に見るのは間違っている。尖閣ビデオは国民に公開するべきものを政府が公開しなかったことに問題がある。
法を守ることが民主主義を守ることではない。政府が非民主的な行為をすることは多々あることであるし、それを正すのも民主主義だ。

平敷氏は法治主義と民主主義を勘違いしている。法治主義は法を遵守する精神であるが、民主主義は政府が非民主的な行為をしたら、それを正す精神もまた民主主義であるのだ。保安官は法を破る行為をしたが、民主主義の精神を破る行為はしていない。むしろ政府のほうが中国の圧力を恐れて非民主的な行為をしたのだ。

平敷氏は法治主義と民主主義をはきちがえている。
平敷氏はイラク、アフガンでアメリカが議会制民主主義国家を樹立するのに苦労していることを理解していない。

残念なことではあるが、沖縄には民主主義思想は育っていない。


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