経済からみる共産党一党独裁中国の現実 中国は社会主義と資本主義が混在している社会である


本土取次店 (株)地方・小出版流通センター
http://neil.chips.jp/chihosho/ TEL.03-3260-0355 FAX 03-3236-6182
chihosho@mxj.mesh.ne.jp
県内取次店 株式会社 沖縄教販
電話番号098-868-4170 FAX 098-861-5499
shopping@o-kyohan.co.jp
内なる民主主義24新発売
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
経済からみる共産党一党独裁中国の現実 中国は社会主義と資本主義が混在している社会である
 「香港国家安全維持法」が7月Ⅰ日に施行された。中国政府が香港の民主主義運動を根こそぎにして香港の中国化を狙ったのが「香港国家安全維持法」である。香港の民主化運動は弾圧され、香港の中国化が進んでいる。
 民主化運動は根強いしどんなに弾圧されても絶えることは絶対にない。「香港国家安全維持法」の網をくぐって生き続けるだろうが、民主化運動の勢力は弱くなり、香港の民主化が遠のくのは確実である。しかし、中国の共産党一党独裁が絶対的に強固であるわけではない。中国にも大きな弱点がある。旧ソ連のように純粋な社会主義ではないことである。経済で社会主義が資本主義に崩されている現実がある。

 社会主義は共産党一党独裁国家である。経済では企業は国が所有して国が経営する。社会主義は資本主義を否定することによってつくられた国家なのだ。
ロシア革命のリーダーであったレーニンは労働者を搾取する資本家を社会から排除することを最優先した。資本家を排除するには国が資本を所有する以外の方法はなかった。資本家は労働者を搾取し奴隷にする。労働者を資本家から解放するのを目的に企業を国営にしたのた。政治は共産党一党独裁、経済は国営が社会主義国家である。
 ロシア革命の頃、資本主義社会では労働者の賃金は安く、子供にも働かせ、勤務時間はとても長く奴隷に等しかった。奴隷のような労働者を資本家から解放する目的でつくったのが社会主義国家だった。
 議会制を否定し共産党一党独裁国家にしたのは資本主義を排除するためであった。議会制にし、選挙で議員を選ぶようになると資本主義に味方する政治家が議員に紛れ込み、資本主義が浸透する恐れがある。資本主義を一掃する目的で議会制を排除し労働者の味方である共産党一党独裁にしたのである。共産党は共産社会を理想とする政党である。理想の共産社会を目指してつくったのが社会主義国家であった。しかし、社会主義は国営とする経済のために決定的な欠点があった。国営では経済が発展しないで生産力は落ち経済は悪化することだった。
 資本主義の米国は経済が目覚ましく発展し、社会主義のソ連は経済発展しなかった。歴史的事実である。

社会主義では経済が破綻する
 社会主義では会社は国営である。搾取する資本家が居ないから労働者は搾取から解放された。社会主義は労働者を解放する国家であると信じられていた。経営は資本家の経営専門家ではなく国の政治家が行った。利益追求はしない。生産は国が指定にしたがって生産した。それをノルマという。ノルマを達成することが会社経営の基本であるから、生産開発をして生産を高めたり、生産コストを低くして利益を上げる努力はしなかった。それに経営能力のない官僚の天下り、政治家や軍人への賄賂も普通に行われた。
 社会主義経済には競争がない。競争があれば切磋琢磨して生産力をアップし、商品の質を高め、価格は安くしていったが会社は国営であり国が指定するノルマをこなせばいいから資本主義の米国のような競争をすることはなかった。競争は労働者を酷使するものとしてむしろ悪と見られていた。
 国が経営し、国の要求するノルマだけをこなし、利益を追求しない、競争もしない、天下り、賄賂が普通のソ連社会主義経済は悪化し続け、生活必需品さえ不足する状態になった。末期のソ連の経済は恐慌状態になっていたのである。ソ連が崩壊した原因は経済の破綻にある。社会主義経済は破綻する運命にある。

 中国は社会主義国家だから会社は全て国営であった。民営は禁じていた。中国が社会主義の鉄則を守っていたら現在も民間企業はなく国営企業だけであった。そして、ソ連のように経済は破綻し崩壊の危機に直面していたはずである。しかし、現在の中国は世界第二位の経済大国である。ソ連とは違う。ソ連と中国の違いはソ連にはなかった外国企業が多く存在することである。外国企業は国営ではない。外国資本企業による民営である。ということは社会主義国家でありながら民間である外国の資本家が私有している会社があるということである。中国は社会主義の掟を破っていることになる。労働者を搾取する資本家の会社をつくらないということが社会主義国家設立の目的であった。現在の中国は国家設立の目的を裏切っているのだ。
中国社会に資本主義が導入されていることは労働者を搾取する資本主義を中国共産党政府は容認したことになる。それは社会主義の否定である。今の中国は国営企業と民間企業が存在し、社会主義と資本主義が混在している経済社会である。政治は共産党一党独裁の社会主義であるが経済は資本主義と社会主義が混在しているのだ。
 ロシア革命の時に資本主義を排除する目的で社会主義国家を設立したのに現在の中国は社会主義に反する状態になっているのである。

 マルクス・レーニン主義で社会主義の象徴的な存在であるマルクスが資本は国境を超えると言った。資本主義国家の欧米、日本の資本がこともあろうに社会主義国家中国の国境を越えて中国内に入ったのである。資本主義国家の欧米や日本の資本が社会主義国家中国に進出したということは、経済からみれば欧米、日本の資本が中国を侵略したということになる。日本は1万2000社以上の企業が中国を侵略している。日本では日本企業の中国進出を侵略とは呼ばないが社会主義の中国から見れば紛れもない資本主義の侵略である。
 社会主義国家中国にとって資本主義の侵略は社会主義経済の崩壊につながる。将来的には社会主義が崩壊する恐れがある。中国共産党政府は社会主義を守るために外国企業株の51%を中国政府所有することを強制した。欧米、日本は国が民間企業の資本を所有することはない。日本では国営の国鉄を民営化したし、小泉首相は郵政も民営化した。公共的な企業さえ民営化したのが日本である。

資本主義国家の米国や日本は国が企業の資本を所有することはないが社会主義の中国では全資本を所有し国が経営してきた。しかし、中国に進出した外国企業の全資本を中国政府が所有することは無理であった。中国政府は社会主義を守る方法として考えたのが外国企業の株の51%を中国政府が所有することであった。中国に進出している企業は株の51%は中国政府が所有することを認めた企業である。欧米、日本の企業は51%の株は中国政府が所有するという条件でも中国に進出していったのである。それでも利益が出ると計算できたからだ。

 外国企業にとって中国の魅力は人件費の安さだった。安い労働力で生産した安い商品を欧米諸国や日本に輸出すれば、莫大な利益を得ることができる。利益を求めて多くの企業が中国進出したのである。利益が見込めれば国境を越えるのが企業である。マルクスの「資本は国境を超える」を文字通り実行したのが欧米、日本の企業であった。 
外国企業は莫大な利益を獲得すると同時に、中国を世界第二位の経済大国にしたのである。中国を経済大国にしたのは中国の国営企業ではない。欧米や日本の外国企業である。中国の多くの国営企業は赤字であり政府から援助を受けている状態である。

 中国政府は外国企業からの税金と株式配当で莫大な収入を得た。その金で人民解放軍を強大化し、習近平主席は一帯一路という米国と対抗して「シルクロード経済ベルト」構想を打ち出したのである。
 中国は世界第二位の経済大国になったが、経済大国にしたのは中国の国営企業ではなく、米国を中心にした外国企業である。米国は中国製品を大量に輸入している。米国には中国の輸入品が増えて米国内で生産する商品が売れなくなった。米国では規模を縮小する会社や倒産する会社が増えた。米国企業が中国進出した反動で米国内の会社が減少して失業問題が出た。トランプ大統領は失業問題を解決する方法として中国進出の米国企業に米国復帰を呼びかけたが90%の企業が米国復帰を拒んだ。
 起業にとって重要なのは利益である。利益を優先するから中国に移動したのである。企業は利益を生み出す地を求めて移動し、国境も超える。企業に愛国心はない。あるのは利益愛である。

 企業の本質を見抜いていたのが資本論を書いたカール・マルクス(1818年5月5日 ∸ 1883年3月14日)である。マルクスは「資本は国境を超える」と言った。それを如実に示したのが中国に進出した米国企業である。米国企業の90%は米国に復帰しないと宣言しているが、中国に進出した日本企業も80%は日本に復帰しないといっている。利益を追い求める企業は国境を平気で超える。企業は利益を求めてグローバルに移動する。そんな外国企業が中国政府の財政を支えているのである。
 中国政府にとって外国企業が中国から出ていくことと米国との貿易ができなくなることは絶対に避けなくてはならないことである。そうなれば中国経済が破綻するからだ。
 中国政府は米国と貿易交渉し第1段階の貿易合意に署名した。米国の要求をほとんど受け入れた内容の合意だった。中国政府が米国との対立を避けた合意だった。

 中国経済は欧米、日に支えられている。その現実を正確に理解すれば中国が米国と軍事衝突することは絶対に避けることが分かる。中国は日本とも軍事衝突はしない。断言できることである。
2012年に中国の活動家が尖閣の魚釣島に上陸した時に多くのジャーナリストや評論家は再び中国人が尖閣に侵入して島を占拠すると予想し、騒いだが、私は中国人は侵入しない。侵入するのを中国政府が止めるとブログで断言した。私の断言が正解だった。
今年、中国が設定する尖閣領海に中国漁船と公船が領海に大挙して侵入する恐れがあるとマスメディアは騒いだ。評論家も侵入の可能性を示唆した。漁船が尖閣に侵入することはないと私はブログで断言した。尖閣侵入はなかった。
中国政府は紛争に発展するぎりぎり手前の策略を日本に仕掛けてくる。その仕掛けに騙されるのがマスメディアや政治・軍事評論家たちである。彼らは中国政府に騙されて尖閣が危機であると騒ぐのである。日本との軍事衝突を恐れているのは本当は中国の方である。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 菅首相の最初... 米中貿易合意... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。