衰退していく革新

衰退していく革新

 とうとう革新は、県知事選で独自候補を出す能力がなくなった。独自候補を出せば確実に知事選に敗れる。そこで悩みぬいて考え出したのが保守派を自称する翁長市長の擁立である。
 辺野古については、翁長市長と共通点である「辺野古移設反対」を公約にしている。
 革新はずっと「普天間飛行場の閉鎖・国外移設」を公約にしていた。安保廃棄を旗印にしている共産党・社民党が絶対に死守しなければならない公約なのだ。
 ところが、鳩山首相が「最低でも県外」を公約してから、「県外移設」ブームが沖縄を席巻し、非現実な「閉鎖・国外移設」を革新は公言するのを抑えてきた。
 沖縄二紙も「県外移設は県民総意である」を連日、紙面に載せた。「県外移設」の大ブームに圧倒されて政治理念のない自民党沖縄県連は辺野古移設から県外移設に変更した。革新の中核である共産党と社民党は国内移設である県外移設を公約にするわけにはいかなかった。しかし、県外移設に反対すれば県民の支持を失うので表立って県外移設に反対するわけにはいかなかった。革新は県外移設に賛成するようなポーズをして誤魔化した。
 だから、翁長市長が「県外移設」を主張し、「県外移設は県民総意」であると主張してオール沖縄を結成した時には積極的に参加した。そして、オール沖縄の建白書には「県外移設」ではなく「閉鎖・撤去」をこっそりと記入して、革新の面目を保った。

 自民党が政権に復帰して安倍内閣が発足してからは、「県外移設」を掲げていた自民党県連は迷走したが、革新も迷走したのだ。そして、県知事選の時には必ず掲げていた「普天間飛行場の閉鎖・撤去」の公約を降ろして「辺野古移設反対」にしようとしている。「辺野古移設反対」には「閉鎖・撤去」が含まれるが、普天間固定化、県外移設も含んでしまう。戦後ずっと続いている米軍基地撤去の公約が大きく後退することになる。

 自民党も迷走、革新も迷走している沖縄政界であるが、政治の大きな流れは保守に傾いている。その原因が中国の横暴な行動だ。
 尖閣領海への中国戦の侵入、フィリピン、ベトナムへの領海への実力による侵略に県内では反中国の心情が高まっている。安倍首相の法の支配によるアジアの平和維持の主張も支持されている。

 中国のアジア侵略が沖縄では保守支持が高まり、革新支持の低下を生じさせている。
 そして、県知事候補を単独で立てることができないくらいに革新は低迷している。

 革新が、保守政治家を公言している翁長那覇市長を擁立するために「名護市辺野古への移設反対を旗印に党派を超えた新たな枠組み」として公約するのは安保廃棄という革新の魂をなおざりにすることになる。

 革新陣営が、新知事候補について、「埋め立て承認を撤回」との基本姿勢を崩さなければ、他の政策は候補者の考えを尊重する方針は翁長市長の政策を丸のみすることを意味する。
辺野古移設を除けば、保守系の翁長市長の政策は現職の仲井真弘多知事の政策とそんなにかけ離れたものにはならない。だから、他の政策で仲井真氏かその後継候補者との差をなくし、辺野古移設反対だけを争点にして、公明党や自民党の一部を巻き込んで選挙を有利にすると革新側は漁夫の利をもくろんでいる。
しかし、それではごりごりの共産党や社民党政治家は猛反発するだろう。最悪の場合は革新は分裂し、崩壊につながりかねない。

 名護市長選では沖縄自民党の分裂があり、自民党が分裂したのだから革新が有利になりそうなのに知事選では独自候補を擁立できないで保守派の翁長市長を擁立しようとしている。
自民党は自民党で老仲井真知事に代われる有望な新人がいない。
 革新も自民も混とんとしている。

 ただ、中国のお蔭で革新が衰退し、保守が伸びていくのが大きな流れである。

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