国家の第一は民主主義である。美しさとか品格はまやかしの国家論である。新聞に掲載されている論文を中心に批判する。
品格より民主そして自由
TPP発行 米国FTA・中国一帯一路・TPP11 アジア・世界経済戦争が始まった
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TPP発行 米国FTA・中国一帯一路・TPP11 アジア・世界経済戦争が始まった
30日に待ちに待ったTPPが日本、メキシコ、シンガポール、ニュージーランド、カナダ、オーストラリアの6カ国で発行した。6カ国は。ベトナムは来年1月14日の発効が決まっており、残るマレーシア、チリ、ペルー、ブルネイも早期の発効を目指す。
TPP11は人類史上初めての新しい経済協定である
TPP11は人類史上初めての新しい協定である。誇大した表現と思うだろうがそうではない。
EUも国際連合も政治を中心とした連合である。経済も問題にするが優先しているのは政治である。それに比べてTPP11は経済を中心にした経済連合である。過去にあってもよさそうであるが、TPPのような協定はなかった。世界は第二次世界大戦までは戦争の連続であり、帝国主義の世界だった。戦後は議会制民主主義国家圏と社会主義国家圏の対立が続いた。政治対立の歴史であった。
ソ連が崩壊し、独裁国家も減り、議会制民主主義国家が増えていった。政治対立、戦争が少なくなったアジア、環太平洋地域だからこそTPP11が誕生したのである。
英国がTPP参加を表明したが、TPPの正式名称は、環太平洋パートナーシップである。名称からすれば環太平洋の国ではない英国は参加できないことになる。しかし、英政府はTPPの参加条件に地理的な制約がないことを確認している。それに日本の茂木敏充経済再生担当相も、英国の参加が可能との見解を示している。経済は政治と違い本質的にグローバルである。TPPには世界のどこからでも参加できるのだ。
参加に意欲を示す国は英国以外にも6カ国・地域があり、その中でもタイとコロンビアは協定発効直後にも参加の意思を正式に通知してくる可能性がある。
「後から加盟したい国が次々と手を挙げるような貿易枠組みは世界初だ」
とある政府関係者は述べたというが、それがTPP11なのだ。
TPP11実現をリードしてきたのが安倍政権である。経済政策を重視する安倍晋三首相は「保護主義からは何も生まれない」として、自由貿易体制の維持に取り組んでいる。それがTPP11の実現であり、欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)の署名である。
安倍首相は東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の年内大筋合意の方向性も打ち出している、
東アジア地域包括的経済連携は、東南アジア諸国連合加盟10ヶ国に、日本、中国、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランドの6ヶ国を含めた計16ヶ国でFTAを進める構想である。RCEP11には中国も参加している。中国にTPP11の知的財産権保護など幅広い分野のルールを認めさせるかが鍵となるだろう。
TPP11は米国FTA、中国一帯一路を超える
米国FTA、中国一帯一路は交渉する時一国対一国である。相手国によって交渉内容を変えることができる。
トランプ大統領は鉄鋼とアルミの輸入にそれぞれ25%、10%の関税賦課を課したがカナダとメキシコを適用除外とした。FTAは一国主義だからできるのである。
米国と中国の高関税の掛け合いも米国と中国は一国主義であるから一対一の駆け引きである。
米国FTA、中国一帯一路と違い日本のTPPは一対一ではなく11ヵ国が協同し11ヵ国の合意に基ずいて貿易は行われる。
参加国
日本・シンガポール・チリ・ニュージーランド・ブルネイ・オーストラリア・ベトナム・ペルー・マレーシア・カナダ・メキシコ
TPP11は輸入品にかける関税の撤廃率が高い。関税が低いのだ。投資やサービスの自由化、米国が経済制裁の対象の原因となっている中国の知的財産権問題についてもTPP11は保護を明記している。TPP11は幅広い分野で高い水準のルールを設定しているのだ。TPP11は11ヵ国が平等な関係であるのだ。発行する時点でルールは決まっていて、各国は統一されたルールに基づいて行動する。
今の米国と中国の貿易戦争とは雲泥の差があるTPP11である。
メキシコに続き日本もTTP11に必要な関連法は全て決議した。残り9カ国の内4か国が決議すればTPP11は発行される。いよいよ大詰めを迎えた。
ところが日本の評論家たちの反応は鈍い。米国第一主義をかかげたトランプ大統領がTPP12を脱退すると多くの評論家はTPPは終わったと発言し。TPPへの論評が激減した。
安倍政権は米国に従属しているとTPP12を批判していた評論家は米国が脱退すると「TPPは終わった」と発言してその後はTPPについて一切書かなくなった。
日本が中心になったTPP11だから安倍政権は米国に従属していると安倍政権を批判することができなくなったからだろう。TPP11を正しく評価できない評論家が蔓延している。
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