黒い牡牛・ダルトン ハリウッド赤狩り


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黒い牡牛・ダルトン ハリウッド赤狩り
 一カ月に一回、目の治療のために沖縄市の知花クリニックに通っている。行くのは午後である。治療が終わるのが午後三時頃で、治療が終わるといつも漫画喫茶店に行く。昼食をとるためだ。
子供の頃から漫画が好きだった。15年前まで15年間コンビニエンスをやっていたので漫画の好きな私はビッグコミック、モーニングなど漫画の見放題だった。コンビニをやって一番よかったのは漫画の見放題だった。しかし、わざわざ漫画を買ってまで見る気はなかったからコンビニを辞めてからは漫画を見なくなっていた。
知花クリニックに行くようになり、漫画が好きな私は食事をとるために漫画喫茶に行った。漫画喫茶ブームの時は至る所に漫画喫茶があったが今はほとんど見られなくなった。
漫画喫茶の流行は終わったから客は少ないだろうと思って入ったのだが、意外と客は多かった。客のほとんどは中年の男性で若い客は居なかった。若い頃に漫画ファンになり、そのままずっと漫画ファンである男性がこの漫画喫茶にやってきているのだろう。漫画喫茶では会話は一切なく、みんな黙々と漫画を読んでいる。一カ月に一回しか行かない私には読みたい漫画があるわけでもなく、昔読んだビッグコミック、モーニングなどを適当に選んで食事をしながら読んだ。ゴルゴ13や釣りバカ日誌など昔連載していた漫画が今も連載しているし、内容も昔とそれほど変わっていない漫画が多い。それに主人公が中年の漫画が増えている。中年男性を対象にした漫画が多くなっているということか。
半年前にある漫画を見て、それからビッグコミックオリジナルを買うようになった。オリジナルは月に二回発売している。買うくらいに興味を引いたのはオジナルに連載している「赤狩り」という漫画である。赤狩りとは第二次世界大戦後の冷戦初期、1948年頃より1950年代にかけて行われたアメリカにおける共産党員、および共産党シンパと見られる人々の排除運動のことである。共産主義者追放運動だ。赤狩りによって多くの人物が国外追放された。チャップリンも国外追放された一人である。
「赤狩り」はシリーズものであり、「赤狩り」された人物たちの物語である。「赤狩り」だからオリジナルを買う気になったのではない。映画「黒い牡牛」の脚本家であるダルトン=トランポが主人公の漫画だったから買うことにした。他の人物であったら買わなかった。ただダルトンの存在を昔から知っていたわけではない。知ったのは最近である。彼が映画「黒い牡牛」の脚本家であり、共産主義者であることを数年前にネットで知った。彼が主人公である漫画を見たくてビッグコミックオノジナルを買う気になった。

小学生の時メキシコを舞台にした映画「黒い牡牛」を見て感動した。「黒い牡牛」は舞台をメキシコにした少年と牛の愛の1956年のアメリカの三流会社がつくった映画である。「黒い牡牛」を見たのは偶然だった。
母方の祖父が私の誕生日のプレゼントとして欲しい物を買ってあげるといった。私はお菓子やおもちゃなどではなく映画が見たいと言った。とにかく私は漫画と映画が好きだった。
私が「映画を見たい」というと祖父は「よし、映画を見に行こう」と言って、祖父は母と私たち孫を連れて映画館に連れて行った。その頃の嘉手納には三つの映画館があって二つは日本映画、一つは洋画を上映していた。祖父は映画を見たことがなく、興味もなかったから日本映画も洋画の区別もしないで、家に近い洋画の映画館に私たち母子を連れて行った。映画館に入ると二階席に上っていった。あの頃は二階席は特等席であり料金を払わないと行けなかった。祖父はお金が出ると聞いて特等席である二階席にいったのだ。二階席に行くと酔っている祖父は映画を見ないでずっと眠っていた。
その時に見たのが「黒い牡牛」てある。洋画だから会話は英語であり、日本語は字幕になる。小学生の私が字幕を読むのは無理である。しかし、映像を見るだけで内容が分かる映画であった。少年がまるで弟のように愛情深く子牛を育てるが、大きくなると売られていく。少年は売られた「黒い牡牛」に会おうと探しにいくが、「黒い牡牛」を見つけたのは闘牛場であった。メキシコやスペインの闘牛というのは人間と牛の闘いであるが、最後には闘牛士が牛を剣で突き刺して殺すショーである。「黒い牡牛」は殺される運命であるが、頭のいい「黒い牡牛」は闘牛士を突き飛ばす。牛が勝つのである。牛が勝った瞬間に少年は闘牛場に入り、「黒い牡牛」に駆け寄っていく。しかし、怒り狂っている「黒い牡牛」は誰も近づけない状態である。少年も突き飛ばされる・・・と私はとても心配した。しかし、怒り狂っている「黒い牡牛」は少年を見るとやさしい顔になり(そのように見えた)少年は牛に抱き着く。映画の最後のシーンに私はとても感動した。ずっと私の心に「黒い牡牛」は残った。
「黒い牡牛」をグーグルで調べてみると、予想もしていなかった驚きがあった。脚本家がダルトン=トランボであるが彼は共産主義者として逮捕され、刑務所にも入った。共産主義者であるためにハリウッドから追放された人物だったのだ。追放された彼は本名では脚本の仕事ができなくなり偽名を使って仕事をした。「黒い牡牛」もロハート=リッチという偽名を使った。「黒い牡牛」は1957年にアカデミー原案賞を取る。
なんと「ローマの休日」も実際にはダルトン・トランボが執筆したものだった。しかし、本名を出せないのでイアン・マクレラン・ハンターの脚本とした。「ローマの休日」はアカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞し、オードリー・ヘップバーンを世界的女優した有名な映画である。「ローマの休日」は「最優秀原案賞」もそれぞれ受賞した。本当の脚本原作者がトランボであることを知ったアカデミー賞選考委員会は、1993年にトランボへ改めて「1953年最優秀原案賞」を贈呈している。「ローマの休日」がトランボの脚本だったことに驚いたが、「「栄光への脱出」「スパルタカス」、「脱獄」「パピヨン」も彼の脚本である。
「黒い牡牛」を見たのは偶然であるが、偶然に見た映画にとても感動し、「黒い牡牛」の名はずっと私の記憶が残った。ネットが発達したおかげで60年以上も前の映画「黒い牡牛」について調べることができた。調べてみると脚本家がハリウッドを追放された脚本家だったのだ。そして、偶然月に一度行くようにになった漫画喫茶でダルトン=トランボが主人公の漫画を見つけた。偶然の積み重ねでビッグコミックオリジナルを買うことになったのである。

「黒い牡牛」でアカデミーショーを取った後に「スパルタカス」「栄光への脱出」など大作の脚本を手掛けるようになったからハリウッドに復帰にして順風漫歩の人生を歩んでいったと思っていたら違っていた。「ローマの休日」の時は脚本家がダルトンであること知られなかったが「黒い牡牛」はアカデミー賞を取ったことでダルトンが原作者であることが明らかになり、圧力や嫌がらせが激しくなる。ダルトンの子供は学校でいじめられるようになり、ダルトンの脚本活動への監視が厳しくなる。
「スパルタクス」の時も本名を使わないでサム・ジャクソンという偽名を使ったが、偽名を使っていることがばれて共産主義追放団体からサム・ジャクソンと解約するように圧力がかかる。圧力を受けたプロデューサーはダルトンを解約しようとするが「スパルタカス」の主人公を演じているカーク・ダグラスはプロデューサーに解約するように命令するが、カーク・ダグラスは偽名のサムを1ドルで解約して別の偽名を使って再契約する。そして、「スパルタカス」は完成して発表する時に脚本はダルトンであると発表する。また、ポール・ニューマンが主人公の「栄光への脱出」ではオットー監督はしつこくダルトンに脚本を書くように迫り、脚本が完成すると脚本はダルトンであると発表する。ダルトンの才能にほれ込んだカーク・ダグラスとオットー監督はダルトンに脚本原稿を依頼し、名前も偽らず公表するのである。才能あるものは認めるというのがアメリカでもある。
共産主義者追放運動は在郷軍人会、カトリック退役軍人会やヘッドホッパー、ジョンウェインなどの右派の団体であり、上映禁止運動も激しくなる。

漫画はアーサーキングの公民権運動に長女が賛同し、黒人の少年たちと人種差別反対運動に参加するようになる。そして、ジョン・F・ケネディが登場し大統領に立候補する1960年代に入る。
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