ファタハ、ハマスが統一政府へ調印式・・・平和と民主化へ

 【エルサレム花岡洋二】パレスチナ自治政府のアッバス議長が率い、ヨルダン川西岸を統治する穏健派組織ファタハと、対立組織でガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスは4日、統一政府を結成する合意文書への調印式をカイロで行った。両組織が統一政府を結成するのは4年ぶり。内閣は無党派の官僚で構成し、1年以内に議長選・評議会(国会)選を実施する。

 パレスチナ独立国家の樹立に向けた第一歩。しかし、対イスラエル政策や権力分担への考え方の違いを棚上げしたままの船出だ。欧米の支援が引き続き得られるかが、成否を大きく左右しそうだ。

 式には、アッバス議長、ハマス指導者のメシャル氏らが出席。アッバス氏は「分裂していた暗黒時代は永久に過去のものと宣言したい」と強調した。

 統一政府は自治区内の行政を担う。対イスラエルなど外交は従来通り、ハマスが加わっておらず、ファタハの主導するパレスチナ解放機構(PLO)が行う。分裂している治安・軍事組織の運用法や、新首相を含む閣僚名簿は未定だ。また占領国イスラエルとの関係を切り離して行政運営することは不可能で、同国を公式承認していないハマスがどう政府運営に関与するかも不明なまま。

 米政権はハマスに対し、▽イスラエルの承認▽オスロ合意(93年)などの尊重を要求。ヘイグ英外相も2日「行動をみて判断すべきだ」と述べ、条件付きで和解を歓迎した。

 一方、和解に反発しているイスラエルのネタニヤフ首相は3日、合意撤回をアッバス氏に要求。4日にキャメロン英首相、5日にサルコジ仏大統領と会談し、統一政府を支持しないよう働きかける。
毎日新聞 5月4日(水)23時35分配信


ファタハのリーダーは汚職と怠慢が蔓延してパレスチナ人民から嫌われ、ハマスのほうがパレスチナ人民が選挙で選んだ正式な政権だ。アメリカやヨーロッパがハマスを政権を認めれば、パレスチナ問題はもっとよくなっていたはずだ。アメリカやイスラエル、ヨーロッパが人民の代表としてハマス政権を認め、政治交渉をやっていけば、イスラエルへのテロ行為はかなり押さえられていたかもしれない。イスラエルとの領土問題も政治交渉の場に持ち込んでいたかもしれない。
しかし、アメリカ、ヨーロッパは選挙で選ばれたハマス政権を認めず、ファタハを認めた。

ファタハとハマスが統一組織をつくったのは間接的にエジプトとチュニジアが民主主義国家になったことが影響しているだろう。ハマスが選挙で勝ったときにアメリカもヨーロッパもハマス政権をみとめないでファタハに資金を流してバックアップした。だからパレスチナはファタハとハマスに分裂したままになった。
今度の統一では「内閣は無党派の官僚で構成」するという、これは大きな前進だ。中東の場合、宗教対立が政権争いに大きく影響して、民主主義国家つくりにマイナスに働いている。宗教対立を乗り越えることが民主主義国家つくりの第一歩である。「内閣は無党派の官僚で構成」するということは大きな前進だ。

今度こそ、ファタハとハマスの統一組織は選挙で選ばれた議員による国家つくりをしていくと思う。エジプト、チュニジアが後押しをしてほしい。
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