偏った沖縄基地・経済論 4

沖縄県の経済状況

2009年 工業製品出荷額5480億7550万円
2009年 観光収入3778億円2008年4298億円
2008年 農業  920億円
基地の経済効果 4206億6100万円

およそ観光収入と基地経済収入が同額である。

県事務局の試算では、
嘉手納基地以南のアメリカ軍事基地が返還された場合は9109億6900万円の経済効果がある。
沖縄の全ての基地が返還された場合は4兆7191億400万円の経済効果ある。

参考に、現在の県民総所得は3兆9548億円である。


平成17 年において、
輸移入は 1 兆7,230 億円
輸移出は 8.444 億円

このことから沖縄の輸移出と輸移入の差は8,786 億円であることがわかる。

輸移出と輸移入の関係では毎年沖縄から8,786 億円の金が県外に出ているということである。
もし、県外からお金が入るのが輸移出だけだとすると沖縄から毎年8,786 億円が流出していくことになり沖縄県の経済は破産するということだ。しかし、輸移出入で8,786 億円の赤字を出しているということは、輸移出入とは別の経路で8,786 億円が沖縄に流入しているということになる。だから、輸移出・輸移入で8,786 億円の赤字を出しても沖縄経済のバランスが保たれている。

8,786 億円の赤字分の補填に大きく貢献しているのが基地関連の収入である。基地関連のお金4206億6100万円は県外にある日本政府とアメリカ政府から支払われるからだ。基地収入は経済的に考えれば貿易で4206億6100万円の黒字を出したのと同じなのだ。

観光も大半は県外からの収入である。8,786 億円の赤字補填は基地関連収入と観光収入が大半をしめているといえよう。宮田氏が「基地経済の歴史とメカニズム」で述べている基地返還された那覇新都心や北谷の商業やサービス業で得る収入は県内の客が使う金であり県内で移動する性質のお金だから、8,786 億円の赤字補填をやらない。
単純計算すると沖縄の基地が全て返還された場合、4206億6100万円が県外から入ってこないからその分だけ輸移入が減るということになる。観光業収入が4298億円だから、基地が全て返還されるということは沖縄の観光収入がゼロになるに等しい。これは沖縄に大打撃だ。商業・サービス業の倒産が増えるだろう。

基地返還が沖縄経済に影響しないためには、基地収入と同じくらいの輸移出産業を成長させなければならない。それは観光業、製造業、農業とコールセンターのように本土へのサービス業などだ。
商業やサービス業が基地経済に代わることはできない。

ところが、県議会事務局も宮田氏も基地撤去という政治目的が念頭にあるために、単純な数字あわせの捻じ曲がった経済論で、基地撤去したほうが経済的にも何倍もの経済声かあると嘘をつくのだ。

県議会事務局はすべての基地が返還された場合の経済効果を4兆7191億400万円としている。現在の県民総所得は3兆9548億円である。県土面積の10・2%を閉めるアメリカ軍基地が開放されただけで、現在の県民所得よりも高い経済効果が出るというのだ。こんな馬鹿げた経済論なんてあり得ない。
ところが沖縄の経済発展に責任ある県議会事務局が荒唐無稽な経済論を発表したのだ。そして、沖縄の知識人や経済学者はこのでたらめな経済論を積極的に容認したり黙認したりしているのだ。

沖縄経済の根本的な問題は基地経済とは関係ない。沖縄が海に囲まれた小さな島であり、資源もなく、農業にも適していないために経済を発展させるのが困難だからだ。
しかし、輸送方法の発展や中国やアジアの経済成長は沖縄の経済成長のチャンスだ。工業特区へ入居するベンチャー企業が少しずつ増えている。
沖縄産業の発展こそが基地経済からの最良の脱出法なのだ。

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