TPP以前にキビ゛農業壊滅



 
 宮古島市の狩俣氏がさとうきび農家の実体を述べている。さとうきび農家の平均年間所得は100万円であるという。とてもじゃないが生活ができる収入ではない。さとうきび農家が減るのは当然だ。

 沖縄本島のさとうきび農家のほとんどは軍作業などの仕事をしながらさとうきび作りをしていた。私の家は専業農家であったが、さとうきびの収入では生活ができず、母は生活を支えるために豆腐屋をしたり嘉手納飛行場のゴルフ場のキャディーをしたり、外人住宅のメイドなどをやった。戦後の沖縄のほとんどの農家がさとうきび生産では生活ができなかった。それがさとうきび農業の実体だ。

 農業で生活できたのは那覇近郊の野菜農家だった。那覇近郊の農家は野菜を那覇の農連で売ってまずまずの生活ができた。


 さとうきび農家は生活のできない安い収入であっても、零細農家が多ければ多いほど製糖工場は儲かるし、農家に肥料や農機具を売り、農家に金を貸し付けるJAは儲ける。JAが儲けるシステムになっているのが戦後の沖縄の農業である。
 JAが主導する農業は小規模農業であり、農業を先細りさせる農業である。

 県はJAと協力して減り続ける農業人口を回復させようと努力しているが、零細農家は減少していく運命であり、零細農家を増やす努力しても農業の復興はない。JAと組んだ農業政策である限り農業復興はありえない。
 沖縄の農業に必要な政策は年収が500万円以上の農家を生み出すことである。専業で不自由ない生活ができる農業をつくりださない限り農業の復興はない。

 狩俣氏の意見は沖縄農業の核心をついた意見である。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« マイルスのペ... 文科省、竹富... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。