庶民は普天間基地問題にそれほどの興味はない

沖縄県知事選挙は仲井間候補が当選した。仲井間氏は71歳であるが、年齢相応に老人っぽくて頼りない感じだ。それに比べて。前宜野湾市長の伊波候補は58歳と若い。伊波候補は普天間問題を盛り上げた立役者でもある。

去年から今年にかけて、普天間問題はもりあがり、4月には九万人の県民集会も開いた。マスコミも連日普天間問題を取り上げたし、新聞投稿も普天間問題に対する意見が多かった。意見のほとんどは辺野古への移設反対であった。

マスコミの流れからは伊波候補の当選も可能性があり、接戦だろうとマスコミは予想していた。ところが3万票近くの差があり、当選判明は深夜になるだろうと予想していたが、はやばやと十時過ぎには仲井間候補の当選確実が出た。

 候補者の獲得票の様子を見ようと思ってNHKを見たら、それぞれの候補者の獲得票の報告ではなく、仲井間候補の当選確実の報道をしていた。こんなに早く当選が決まったことに私はあっけにとられた。


マスコミは基地問題を選挙の最重要課題にし、候補者の基地問題に対する姿勢で当選するかしないか大きく左右するように報道するが、それは間違いである。沖縄の庶民は基地問題に対する関心はそんなには高くないのが実情なのだ

 前鳩山首相が、「普天間は最低でも県外」と沖縄県民と約束したから圧倒的に民主党が勝利したようにマスコミなどは判断しているが、本当は違う。
鳩山民主党なら自民党よりも沖縄の生活を向上してくれるだろうという期待があったから多くの民主党候補が当選したというのが本当のところだ。

 だから今回の選挙で普天間基地の県内移設反対の伊波候補ではなく、辺野古移設を認める可能性のある仲井間候補が当選したのだ。庶民にとって普天間基地の移設問題はそんなに関心のある問題ではない。

その事実が投票率に現れた。
今回の投票率は60・88%(であり、前回の64・54%より4%近くも下回っている。前回の知事選居は革新の候補者なる者がいなくて、すったもんだの末にぎりぎりで衆院議員である女性が革新候補は決まったのだ。その正内容的にはそれほど盛り上がらない選挙だった。普天間問題は全国にも広がり、今年がいぢばん盛り上がった。投票率は上がるのが当然だと思えるが、現実には前回より投票率は低かった。

マスコミや知識人たちは普天間問題に高い関心があるが、庶民にはそんなに強い関心はない。私は庶民の中で生活しているから、それがわかる。

それに現在のアジア情勢では普天間基地は辺野古に移設するか、普天間にそのまま居座るかの二つの方法しかないし、アメリカ政府と日本政府は様々な面から検討した結果、辺野古移設を決めたのだ。両政府が決めたことを県や市がひっくり返すのは不可能だと考えている庶民は多い。

ところが庶民と違って、マスコミや知識人の多くは、県外移設を公約した候補者が当選したら県外に移設し、グアム移転を公約した候補者が当選したらグアム移転ができるとような口ぶりだ。

非現実的なことを平気で発言するマスコミや知識人や政治家のたまり場が沖縄だ。




 

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