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算数の壁を突破する方法

ここのところ、算数がうまくいかないというご相談をいくつかいただきました。

例えば、試験では力が発揮できず、うちにかえるとできる。

あるいは算数の点数だけが良くないなど。

お子さんによって悩みはさまざまでしょう。そこでちょっと見方を変えて見ようと思います。

算数の力を育てていくには3つの段階があるといっていいでしょう。

(1)知識の段階

解き方、考え方を学ぶ。公式の理解

初学の段階といえるでしょうか。たとえばつるかめ算の解き方を習う、円錐の表面積の出し方を習う。これは知識として持っていなければならないので、まずそこを学習します。

(2)基本の段階

(1)を再現できるといってもいいでしょう。基本問題などを通じ、(1)の知識を自分で使えるのか。覚えているのかを確認する段階ですね。

ここまでは記憶である程度できるといってもいいでしょう。だから覚える、パターン化する勉強が行われます。

(3)応用の段階

単純にいえば応用問題を解くわけですが、ここではまず最初に問題の分析力が問われる。いったい、この問題はどういう構造になっているのか、どういう論理の進め方をすればいいのか、そのどこで(1)を使うのか。

で、良く私が「じっくり考える」といっているのはこの(3)の段階なのです。そして得てしてそれがうまくいかないのは、(2)と同じ解き方、考え方をしようとするからです。

応用問題にまでパターンや記憶を持ち込んでしまうと、それはもう際限がない。だから、言い方は難しいですが、問題の本質を考えないといけない。どの公式を使うではなく、どう考えていくのか、論理の道筋を見出す必要があるわけです。

つまり、(2)と(3)では考え方が違う、解き方が違う。しかし多くのお子さんは(2)の勉強で疲れてしまっているから(つまり大量に再現の練習をしている)、(3)も基本の再現の延長で考えてしまう。

しかし、応用問題はひとつの論理ではできていません。複数の論理が重なっている。Aと考え、次にBと考える、最後にCで答え。みたいな流れですね。

だから、それを一括してひとつのパターンになんかできないわけです。

例えば「家でやるとできる」というのは(1)(2)まではできている可能性が高い。むしろ精神的な要素が左右しているから、これは自信をつける必要がある。解決法は別です。

しかし、算数が他の教科に比してできないという場合は(1)、(2)が危ない可能性がある。だとすれば、大急ぎでどこに穴が開いているか調べないといけない。

そこそこ簡単な問題は解けるのだが、応用になるとできないという場合は、(2)から(3)への考え方の切り替えができていない可能性があります。だから、(1)や(2)の練習をするのではなく、(3)についてパターンから頭を切り離して、論理を考える必要がある。

そのためには式をしっかり書く。そしてここまでで何がわかった。次に何がわかるか、という進み方を練習する。

解答を読むとき、多くの子どもたちがパターンとして覚えようとする。そんな際限なく覚えることができるはずがない。むしろ、「なるほど、こう進むのね」と理解すればいい。記憶なんかせず、発見できればそれでいいと考えてください。

子どもによってどこでつまっているかは差があるでしょうし、テーマによって(1)ができていない場合もあれば、(3)の段階にはいって止まっている場合もあるかもしれません。

いったいどこで詰まっているか、どの段階の壁を突破すればいいのか、問題点をまず絞ってみましょう。
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