続・「偽装」「仮装」「化粧」・・・・何が問題か

2007-11-06 17:47:33 | 論評
また「耐火」建材の不正認証取得がばれたという。

今の建築界の構図はこうだ。

①「建築確認」は、国土交通省の認定を受けた建材を使えば所与の目標を達成していると見なされ、フリーパス。
②だから、たとえば「耐火」について、そういう建材を使ってあれば「建築確認」を容易に得られる。ゆえに設計者もそれを使う。
そのとき、設計者は、おそらく、多分、きっと、それによって建物が本当に耐火建築物になったかどうかは不問に付しているはずだ。目標が、「耐火にすること」ではなく、「認証された耐火建材を使うこと」にすり替えられている。
③材料メーカーは、そういう具合に使ってもらえば売り上げが伸びるから、競って認証を受けようとする。一度認証を受ければ占めたもの。
④それゆえ、認証のために、規定の性能・数値を得られる(あるいは、得やすい)試験体で試験を受けるように努める!不正取得を行う「動機」はここにある。

ところで、試験体に不正がなく認証されたとして、現実に製造されている材料の、抜き打ち試験:追試はやられているのだろうか。
そしてまた、「認証された耐火建材を使う⇒耐火建物になる」という保証はあるのだろうか。その追試はやられているのだろうか。ただ、「認証された建材を使っている」ということで「安心」しているにすぎないのではないか。

また、万一、認証された建材を使用し建物が、耐火でなかったならば、その責任はどこにあるのか。
これは、「耐震」でも同じこと。構造計算に不正がなく、施工もまちがいがなく、そして、万一被災したら、その責任はどこにあるのか。

国土交通省は、すべての建材の「認定時の試験の内容」について調査を行うという。
しかし、必要なのは、食品等で行われているように、「実際に市場で流通している建材」そのものを「抜き打ちで調べる」ことだろう。
「試験」が問題なのではなく「材料そのものの性能」が問題なのだから。
認定試験時の試験の実態調査は、その次の問題のはずではないのか。

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