たかが穴、されど穴・・・

 「たかが穴、されど穴・・・」。勘違いしないで欲しいい。デジカメWatchに掲載されていた「レンズマウント物語(第1話)」のタイトルである(see here)。

 郷秋<Gauche>に云わせれば、まったくふざけたタイトルである。第一に、あれは「穴」か?レンズ交換式カメラの前面にある大きな開口部。穴と云には余りにも大き過ぎるだろう。第二に、著者の豊田堅二氏は「たかが」の意味は知っているのか? 「たかが」は調べるまでもなく、「たいしたことがない。取るに足りない」と云う意味だ。レンズ交換式カメラのマウントは「たいしたことがない。取るに足りない」物か? 違うだろう。

 レンズマウントはレンズ交換式カメラにとって最も大切なもの。何十年もの長きにわたって使い続けるものだから、メーカーが心血を注いで開発したもののはずである。それを「たかが穴」って云ってしまう豊田堅二氏って何者?

 って、そう、氏はNikon(ニコン)の元技術者。大学では機械工学を学んだらしいが、ニコンでは電気系の設計をしていたようである。いづれにせよ、だからこそ、レンズマウントの大切さを知り尽くしている豊田氏だからこそ云える「たかが穴、されど穴」なんだろうな。レンズ交換式カメラにとって一番大切なはずのレンズマウントだが、多く語られることのないものでもある。カタログを見ても例えば「ニコンFマウント」と、書かれているだけで、「ニコンFマウント」とはどう云うものなのかの説明がまったくない。

 クルマにとっての最も大切なもの(パーツ)の一つであるエンジンは、カタログには、例えばF22Cと云う型式だけではなく、直列4気筒 2.2L DOHC VTECなのだとか、ボアとストロークの寸法(ちなみに87.0mm×90.7mm)、最高出力は178kW[242PS]/7,800rpmで最大トルクは221N・m[22.5kg・m]/6,500rpm~7,500rpmなのだとか、細々と書かれているのが普通だ(ちなみに今は無きホンダS2000の例。スポーツカー用にしてはロングストロークだ)。

 なのにだ、カメラの場合には、そんなことを書いても仕方ないだろうとばかりに「ニコンFマウント」としか書かれていない。私たちはレンズマウントについて知らな過ぎる。興味を持なた過ぎるのだ。少なくとも、レンズ交換式カメラを愛用する者ならば、もっとレンズマウントについて知っているべきである。例えばだ、「ニコンFマウント」の口径やフランジバックが何ミリなのか知っている人は何人いる?

 口径44mm、フランジバック46.5mmである。カメラマニアを自認するなら、このくらいのことは暗記しておいていただかないと困る。ちなみに郷秋<Gauche>は、写真は好きだし、写真を撮るための道具としてニコンのカメラは何台も持っているけれど、決してカメラマニアではないから、覚えていなかったぞ(実は口径は覚えていた。現役SLRのマウントとしては最小径かつ最長寿命)。Googleで検索して出てきた数字を上にコピー&ペーストしただけだ。

 と云う訳で、カメラマニアでない人も、写真が好きならぜひご覧いただきたいのが最初にご紹介した「レンズマウント物語」(何回にわたる連載なのかは不明。see here)をぜひぜひご覧いただき、より良い写真を撮るための道具であるカメラについての理解を、郷秋<Gauche>と共に深めて欲しいものである。


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、梅と桜の間が旬となる木瓜(ぼけ)。蝋細工のようにも見える独特風情の花である。

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桜をモノクロームで撮る

 モノクローム設定で撮った訳ではないので、正確には「モノクロームでご覧いただく」だ。カラー写真が一般化するまでは桜は勿論、梅も桃もみんな白黒で撮って、それを見てほんのりピンク色を感じ取っていたわけだ。そう云う意味じゃ、昔の人の方が感受性や創造性が豊かであったと云ってもいいのかも知れないな。

 花のアップの写真ならば、白黒でもその形で桜であるのか梅であるのかはたまた桃なのか区別がつくが、「引き」の写真となると見分けは難しく、樹形で判別できるのは果樹栽培家や樹木の愛好家、研究者くらいのものだろう。もっとも吉野全山で咲き誇る写真ならば、そこが吉野で花が桜であることがわかるかも知れないが。

 と云う訳で今日の一枚は、説明なしには桜とは判らない桜。「そんな訳のわからん写真を見せるんじゃないぞ」と云う突っ込みは無しにしてね(^^;

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小林可夢偉、FLを記録

 中国GPの予選があった日、郷秋<Gauche>は「おめでとう、ニコ」と題する小文を書いた(see here)。おそらく多くの「F1ブログ」では小林可夢偉の予選4位について、また、翌日の決勝レースでの小林の表彰台、あろうことか「優勝」さえも夢想した記事が溢れていたものと思われるが、郷秋<Gauche>は小文の最後に「今回は、結果以上に、頂点に輝くドライバーたちの走りを学び、彼らに伍して走ることの出来るテクニックと精神の強さを学んでもらいたいと思う郷秋<Gauche>であるぞ。」と書くに留めた。

 だってそうだろう。いくら前戦でチームメイトのセルジオ・ペレスが2位表彰台を獲得したとは云え、あれば天候の変化がなせる業であって、ザウバーチームが真の実力でものにした表彰台ではない。勿論ペレスの落ち着いたドライビングは賞賛に値するし、今年のマシン、Sauber C31の素性が良いことを否定するつもりはないけれど、郷秋<Gauche>に云わせればあれはフロック。マシンとドライバー、そしてチームの総合力、真の実力で得た2位ではない。

 マシンは悪くない。ドライバーだって悪くない。でも、今のザウバーチームには、表彰台を自力でものにするだけの力がない。だから郷秋<Gauche>は一昨日、「彼らに伍して走ることの出来るテクニックと精神の強さを学んでもらいたい」と書いたのだし、それは小林一人に云った言葉ではなく、ザウバーチームのメンバーすべてに対してのものであった。5グリッド降格のペナルティを受けたハミルトンは表彰台をものにしているし、予選で失敗したベッテルは5位でフィニッシュしている。それが勝てるチームの実力なのである。

 チームの戦略が拙過ぎたと云うことは簡単だ。しかし、云ったからといってすぐには身に付かないのが、置かれた状況を的確に把握・判断してその時点での最良の指示を出すこと出来るチームとしての総合力である。ロス・ブラウン、名将と呼ばれるだけのことはある。クリスチャン・ホーナー、さすが「腐っても鯛」のチーム代表だ。マクラーレンはと云えば、ロン・デニス時代からの伝統の深み、厚みがものを云っているではないか。

 さて、最後にちょっとは褒めておこう。あるいはいまだにお気づきではない方もおられるかも知れないが、2012年中国GPのFL、つまりレース中一番早く周回したのは誰あろう、ザウバーの我らが小林可夢偉である。日本人F1ドライバーの中でFLを記録したのは小林の前には中嶋悟ただ一人。あれは1989年、雨のアデレード。「(前のパトレーゼ(3位、パスできれば中嶋が表彰台)は抜けそうだったんだけど、近づくとエンジンが雨を吸い込んでバラついちゃってだめだったのよ)とかなんとか、淡々と、たいて悔しそうでもなくコメントする中嶋が印象的だったなぁ。

 と云う訳で、小林くん、次のレースを楽しみにしているよ


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、ちょっと日本画に似せて作ってみた枝垂れ桜。昨日の恩田の森Nowには同じ趣向の写真を4枚掲載しているのでご覧いただければ幸いである。

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恩田の森、更新

 お待たせいたしました。本日、恩田の森で撮影しました写真をこちらに掲載たしました。
いつもは正確な描写を心がけている「恩田の森Now」の写真ですが、今日は、ほんのり淡い感じの画像処理を施してみました。浦々と長閑な春をお楽しみ頂ければ幸いです。
恩田の森Now 

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ニッコール松竹梅

 ニッコール(Nikkor)とは、ニコン製のレンズに付けられた名称(愛称・ブランド名)である。レンズには、ライカならズミルックス、ズミクロン、エルマー、カールッァイスならばビオゴン、ディスタゴン、プラナー、ゾナー、テッサー、ニコンならニッコールなどと云う名称がつけられていたものであったが、ロッコール(ミノルタ)、ヘキサーとヘキサノン(コニカ)は共にカメラ事業から撤退、タクマー(ペンタクス)、リケノン(リコー)が消えたのはいつ頃のことだっただろうか。いま、レンズに名称を付けているのは、日本のメーカーではニコンとオリンパス(ズイコー)そして富士フイルム(フジノン)だけからも知れないな。

 前置きはさて置き、今日はニコンのレンズ、ニコールの松竹梅、つまりランク分けである。

 キヤノンのレンズにはLの文字が付される高級レンズが存在するが、ニッコールレンズには、そのような高級レンズであることを示す印が存在しないことから初心者にはちょっと判りずらいかも知れないと思ったのが、「ニッコール松竹梅」を思い立った理由である。いろいろ迷ったりもしたのだが、郷秋<Gauche>は結局ニッコールを5段階に分類した。

 結論先に述べるとするならばこうなる。特松はプロ用。勿論カメラ本体も特松クラスが必要となるが、このレンズを使うと写真の不出来を道具のせいにすることが出来なくなるので、購入に際しては我が腕と良く相談する必要がある。上級を目指すアマチュアには松と竹を勧める。最初に買うレンズとしてはコストパフォーマンスの高い梅と準梅も悪くはないが、出来るだけ早くに竹もしくは松に移行するのが良い。

特松:鏡胴(レンズの筒)先端に金のリングが着けられレンズのうち、ズームレンズにおいては開放F値が全焦点距離で2.8のもの。また単焦点レンズのにあっては開放F値が1.4のもので多くはナノクリスタルコートが施されている。
 具体的にはAF-S 14-24mm f/2.8G、同24-70mm f/2.8、同70-200mm f/2.8G VR II。DX専用レンズでは唯一17-55mm f/2.8Gがこれに該当する。単焦点レンズにおいてはAF-Sの24mm、35mm、85mm各レンズ。

松:鏡胴(レンズの筒)先端に金のリングが着けられズームレンズのうち開放F値が全焦点距離で4のもの。
 具体的にはAF-S 16-35mm f/4G VR、同24-120mm f/4G VR、AF-S DX 12-24mm f/4Gなど。

竹:金属製マウントを採用し、かつ鏡胴に距離指標窓を持つもの。
 具体的にはAF-S 28-300mm f/3.5-5.6G VR、同70-300mm f/4.5-5.6G VR、AF-S DX 18-200mm f/3.5-5.6G VR II、単焦点のAF-S 50mm f/1.8G、同85mm f/1.8G、など。

梅:プラスチック製マウントを採用するがフォーカシング時にレンズ前枠が回転しないもの。
 具体的には、AF-S DX 18-105mm f/3.5-5.6G VRなど。

準梅:プラスチック製マウントを採用し、フォーカシング時にレンズ前枠が回転するもの。ニコン製DSLR用としては最廉価で、D3100、D5100のキットレンズとされているもの。実質価格(レンズ単品の価格ではなく、レンズキットとボディ単体との価格差。ほんの数千円である)を考えると写り素晴らしく、コストパフォーマンスは抜群だが、ニコンの本音としてはNikkor(ニッコール)の名を冠したくないものと思われる。
 具体的にはAF-S DX 18-55mm f/3.5-5.6G VRなど。

 上記5ランクの分類は、郷秋<Gauche>のまったく個人的な見解である。なお、単焦点のAF-S 50mm f/1.8G、同85mm f/1.8Gについては最後まで迷った末に「竹」としたが、ほどなく登場するであろう50mm f/1.8Gと共により「松」に近い「特竹」とするのが相応しい気がする。


 例によって記事本文とは何お関係もない今日の一枚は、何故かクヌギの木の洞(うろ)に根をおろしてしまった菫。

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おめでとう、ニコ

 現在F1ドライバーには二人のニコがいるのでちょっと紛らわしいが、勿論ニコ・ロズベルグの話しである。そのニコが、今日行われた中国GPの予選で見事ポール・ポジションを獲得した。

 思えはF1チャンピョン、ケケ・ロズベルクを父に持つF1界のサラブレッド、ニコ・ロズベルグがデビューしたのはもう6年も前の事であった。父も在籍しチャンピョンともなった名門ウィリアムズからデビューするも、ウィリアムズの黄金期は既に過ぎ去っていた。ニコの卓越したドライビングにより予選では度々上位グリッドを獲得し、その才能の片りんを見せることはあったが上位入賞は難しかった。
注:父、ケケ・ロズベルクは1982年にわずか1勝、44ポイントでチャンピョンになっている。息子ニコはドイツ国籍のようだが、ケケはフィンランド人でF1における元祖「フライング・フィン」。

 2010年にブロウンGP改めメルセデスGPに移籍するとともに予選での2位獲得をはじめ、コンスタントにポイントを獲得し、かつて皇帝と呼ばれたチームメイト、ミヒャエル・シューマッハよりも速いところを見せ付けていたニコであるが、ここに来てようやくPPを獲得。しかも今日のPPは2位ハミルトンにコンマ5秒もの大差をつけての圧倒的PP。明日の決勝レースが楽しみである。

 さて、ニコ以下ノ予選結果についてもおさらいをしておこう。2番手は既に書いた通りハミルトンだが、ギアボックスを交換していることから5番グリッド降格が確定している。予選3番手にはニコの同僚、ミヒャエルがつけたがハミルトンの降格によりメルセデスの2台がフロントローからスタートすることになる。ニコの初優勝の行方は、ひとえにミヒャエルの走り次第と郷秋<Gauche>は読むが、さて如何に。

 スターティングリッド3番目には何と我らが小林可夢偉である。予選4番手タイムは自己最高であることは云うに及ばず、これまでの日本人ドライバーの予選最上位である5番手(片山右京、佐藤琢磨)を上回り、小林は繰り上げとは云えセカンドローからレースを開始する初めての日本人F1ドライバーと云う事になる。小林の隣にはロータスの「3代目フライング・フィン」キミ・ライッコネン。後にはバトン、ウェバーと云う、錚々たるドライバーが並ぶ。

 小林の決勝レースでの速さ、上手さは既に証明されており「もう少し上位からスタートしていれば」と云うレースが多かったことはご存じの通り。二列目からの発進となればスタート直後のアクシデントに巻き込まれる心配もないし、マシンの調子も上々の様子であることを考えれば最良の結果も十二分に期待もできるが、今回は、結果以上に頂点に輝くドライバーたちの走りを学び、彼らに伍して走ることの出来るテクニックと精神の強さを学んでもらいたいと思う郷秋<Gauche>であるぞ。


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、山肌を彩る数種の桜。美しい日本の春の一コマだが、これが川崎市内で撮影したものだと云えば、驚く方も少なくないだろう。川崎市麻生区の飛び地、岡上で昨日撮影したものである。

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ニコンがソニーを追い越していた

 ノンレフレックス(ミラーレス)カメラ市場では、現時点で最後発のNikon(ニコン)だが(程なくキヤノンが参入することは間違いない)、BCNランキングによれば、本年1月にはソニーと肩を並べ、2月、3月とその差を広げつつあるようである(see here)。

 ニコン1がこのままの勢いでシェアを伸ばすことが出来れば、夏前にはノンレフレックスの雄、オリンパスと二番手パナソニックとの三つ巴の争いにもつれ込みそうな勢いであるが、V1&J1には失速しかねない要素があることに注意する必要がある。

 なぜニコン1が発売直後から急激にシェアを伸ばすことが出来たのか。多くの人がニコンのノンレフレックスを待望していたわけでは、実はない。いや、勿論待っていた人も少しはいたことと思うのだが、本当の所はD3100やD5100が欲しかったけれど、タイ工場の洪水被害により生産がストップ、市場に両モデルが流通しなくなったことから止むを得ずV1&J1を購入した方が相当数いたのではないかと云うのが郷秋<Gauche>の想像である。

 その証拠は、いっとき5万円を切っていたV1+10mmパンケーキのキットの価格が、D3100・D5100の生産が再開され、市場に流通し始めると同時に上昇に転じ、現時点では6万円程となっている事である。まったくニコンも商売上手になったものである。

 先にこのまま行けば「夏前には三つ巴の争い」と書いたけれど、実はそうはいかない。多分、その前にV1&J1は失速する。D3100より高いJ1を、D5100よりも高いV1を買う人はいないからである。ただ、J1は売れ続ける可能性がある。来週の木曜日にD3200が発表される見込みだが、現時点ではD3100とほぼ同等の価格のJ1だけれど、発売直後のD3200は間違いなくJ1よりも高価になるからである。

 SLR(一眼レフ)とノンレフレックスは、本来競合するのではなく、共存可能なまったく別のカテゴリ、つまり別のシーンで使われるべきカメラであるにも関わらず、単に価格によってのみ選ばれる傾向があり、入門機となる廉価なモデルの場合には特にこの傾向が顕著である。だから、D3200のレンズキットが6万円で売られるようになると、SLRとノンレフレックスの違いが判らない方々がJ1を購入するようになる。J1は売れ続ける可能性があるのだ。

 一方、積極的に三つ巴の戦いに落ち込むための作戦がない訳では無い。それは、現在のV1&J1の上位機種としてのV2&J2をデビューさせることである。モデルチェンジではない。上位モデルを追加し、ニコン1を4モデル展開するのである。下はJ1の3万円から、上は10万円のV2まで、1シリーズをワイド展開するのである。とは云っても、新製品をすぐに投入出来る訳もないから、郷秋<Gauche>が考える程、事は易しくはない。

 と云う訳で、この先しばらくノンレフレックスのシェア争いは実に見応えがある展開となりそうである。そうこうするうちにカメラ界の巨人、キヤノンがノンレフレックスマーケットに参入して来るから、ますます面白くなるだろうな。しばらくは楽しませてもらえそうである。


 東京都下多摩地区南部の染井吉野は今日あたりが満開だが、夕方から降り始め雨で一気に散ってしまう事だろう。と云う訳で今日の一枚は、満開時に赤みを帯びた葉を出し始めている、染井吉野は雰囲気が違う桜の花。残念ながら郷秋<Gauche>には品種までは判らない。

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何も考えていない

 長い事、来る日も来る日も駄文を書き続けていると(このblogに掲載している小文のことだ)、もう自然に、ちょっとした仕事の合間に「今日は○△について書こうか」などと決まっていたりする。テーマが決まれば、時間のある時には昼食の後の珈琲をすすりながら思いつく端からパタパタと打っておいて、夕刻に氷を浮かべたビールをステンレス二重構造のマグカップでゴクリごくりとしながら推敲してUpする。昼時にバタバタでパタパタできない時には、あのことをこんな切り口で書いてみようなどと構想をまとめておいて、夕刻に、時々ゴクリとしながらパタパタと打ってUpする。

 「長い事」と書いてはみたものの、何年になるのかと自分のblogをスクロールして右バーを見ると、blog最初の記事は2005年4月となっている。そう云えば三葉躑躅や山吹が咲いている頃にblogを始めたことを思い出した。2005年4月をクリックしてみると、最初の記事が4月20日であることがわかった。もう7年も前の事じゃないか。この間に3日だけ、あらかじめ予告して休んだ時があったけれど、一日に2回書いたことも少なくないから、365日×7年、都合2555本以上、駄文を書いていることになる。

 7年間と云えば、高校に入学して大学を卒業するまでじゃないか! そう思うと、毎日よくもまあ書いたものだと我ながら思うけれど、先に書いたように書くのが習いとなってしまい、云ってみれば何の苦も無く「駄文」を書けてしまうようになっている。1年365日の内364日は。そう、年に1日くらいは、何を書きたいのか、何を書けば良いのか皆目思いつかない日がやって来るのだな。今日がその日である。あれについて書いてみようかとか、いやこっちの方が良いかとか、思わない訳では無いのだけれど、何だかまったく書けない。そう云いながらも、書くべき中身は思いつかなくても、思いつかないことをネタに、こうして書けてしまうから不思議。

 書きたいことも書くべきことなないのならば書かなければ良いのにと自分でも思うのだが、書かずには眠れない、つまり寝る前の歯磨きのようになってしまっている駄文書きの習慣なのである。こう云うことを「習い性」と云うのだろうか。多少なりとも意味のあることならば書くのも良いが、何の意味も目的もなく、いや、書くことそれ自体が目的化して、惰性的に書いているのって、何だか悲しいような気が、こうして無目的に書いていながら思えて来たぞ。と云う訳で、今日の所はこれでもそれでもやっぱりでもなく、お終い。そんな今日だからご覧いただきたい写真も思いつかないから写真も無し。

 しかしだ、訓練次第では何の意味も無い文章を、さほどの苦も無く1080文字つまり原稿用紙2枚半分(ここまでで)あっという間にかけてしまうと云うのもなんだか困ったものである。こういう訓練をもっと他の事でしていれば、例えば今頃ブラームスのソナタ(チェロの話しだ)やショパンのノクターン(こちらはピアノ)が弾けたり、英独仏伊の日常会話が苦も無く出来るようになっているのではないかと思うのだが、まったくエネルギーの使い方が間違っていたぞと自己嫌悪に陥る郷秋<Gauche>である。(ちなみにこれで原稿用紙3枚分)

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一人静?


 昨日ご覧いただいたカタクリ群生地から数十メートル離れたところで咲いていました。花の形と云い、4枚で輪生している葉の形と云い、どうもヒトリシズカ(一人静)のように見えるのですが、これだけ密生していると一人静と云うよりは「三人寄れば姦しい」と云った様ですね。

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春爛漫の再履修

 春爛漫とは、染井吉野が咲き誇るまさに首都圏の今時分を云うのだろう。その桜は今月4~6日に既にご覧いただいているので、今日はカタクリ(片栗)の花をご覧いただきたい。実はFacebookの方では咲き始めたばかりのUpをご覧いただいているのだが、今回は文字通り辺り一面咲き乱れるカタクリの花。カタクリの群生地と云えばどこも半ば観光名所化して遠方からバスで乗り入れたりする昨今だが、探せば身近なところでもまだ見ることも出来るのだなぁと、感じ入った郷秋である。


 実は昨日、D300+18-200mmで似たようなカットを撮影したのであるが、四切ワイドにプリントしたところ、ボケが煩雑なのと玉ボケのグラデーションの粗さがどうしても気になり、D800+70-20mm F2.8を持ち出して再履修したのが今日ご覧いただいている一枚である。

 果たして十分な説得力のある一枚かどうかは置くとして、主題の一輪のクリアさとバックのボケのスムーズさは、重い荷物を運んだ甲斐が十二分にあった、つまり撮影機材の優秀さは証明できたことをお知らせしておきたい。ただしこれは、四切ワイドのプリント上での問題。横640 PixcelのデータをPCのスクリーンで見る限りではその違いはまったく判らない

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「Nikon DSLRの系譜」2012年4月版

 過去2年間は2月に新版をご覧いただいている「Nikon DSLRの系譜」だが、今年は2ヶ月遅れての登場である。間もなくD3200が発表される見込みだが、それまで待っていると更に新版の掲載が遅くなりそうなので、半ば見切り発車である。


上の画像をクリックするとPDFファイルが立ち上がります。

 過去1年2ヶ月の間に登場したのはD5100とD4そしてD800の3機種であるが、3.11大震災やタイの洪水被害のためにいずれも当初の予定からかなり遅れての登場となっている。その影響はD3100の後継機、D3200の発表・発売の遅れにも出ているが、こちらは間もなく(Nikon Rumorsの主張が正しければ、4月19日)発表の見込みである。

 D300Sは2011年11月19日をもって日本国内での出荷が終了しており、既に5ヶ月が経過しているが後継機種登場の情報は乏しい。「Nikon DSLRの系譜」2012年4月版には「9月登場。FXに移行か?」などと書いてはみたものの、その根拠は郷秋のまったく勝手ない願望だけなので間違っても鵜呑みにはしないで頂きたい。

 強いて根拠をあげるならば、最近のFX用廉価なレンズの特許出願と、50mm f/1.8、85mm f/1.8等が登場している事実である。これらのレンズはどう考えてもD800には力不足であり、となれば普及版のFX機が登場するのではないかと云うのが郷秋の「読み」である。また、D+一桁数字とD+三桁数字がFX(フルフレーム)、D+四桁数字がDX(APS-C)と云う型番が定着した今となっては、D300Sの後継機、D400がDXと云うのはいかにも不自然だと云うのは、まったく根拠にもならない思い込みである。

 もう一台、その動向がまったく見えないカメラがある。D3Xの後継機、D4Xである。既に「オリンピック・スペシャル」たる超高速機、D4が登場しているけれど、これの高画素版となるD4Xが登場するのや否や。高画素・高解像度モデルとしては3日後の4月12日にD800Eが登場することになっているが、価格的にはD800の年子の兄貴分程度でありD3Xの後継機、Nikon(ニコン)のフラッグ・シップ機と云うにはちょいと寂しい。フラッグ・シップ機と云うからには、素人がおいそれとは手に入れることが出来ないほど高価であって欲しいとは、まったく勝手な物云いであるなぁ。

 2012年中の発売となると、D7000の後継機、D7100が年末商戦に向けて、11月下旬に発売となる可能性がある。もし、郷秋の妄想通りD400がFXに移行するとなれば、DXのフラッグ・シップ機として相応しい高速性能が求められるから、価格的には幾分上級移行することになるだろう。

 となるとD5100との価格差が大きくなるから、現在のD7000のポジションを担うD6000(世代とモデル名を合わせるためにD6100からスタート?)の投入はあるのだろうかと、妄想が限りなく膨らむ郷秋であるが、この妄想が全て現実になれば、2013年のニコンDSLRのラインナップは、FXがD4X、D4、D800(E)、D400、DXがD7100、D6100、D5200、D3200と、盤石の体制となる。壮観だなぁ(^^)

 ご参考までに、過去に作成した「系譜」は下記をクリックしてご覧ください。
「Nikon DSLRの系譜」2011年2月版
「Nikon DSLRの系譜」2010年2月版
「Nikon DSLRの系譜」2009年4月版

注1:「釈迦に説法」かも知れませんが、著作権者(郷秋<Gauche>のことだ)の許諾なく、記事および図版を複写、転載、改変等することは著作権法により禁じられていることを明記しておきます。
注2:D1登場の2年前に「E3」と云うDSLRが登場していますが郷秋<Gauche>はこれをNikon DSLRの「前史」と捕らえ、D1登場の1999年を「DSLR元年」としています。
注3:PDFファイルをご覧になるには、無償配布のAdobe Readerが必要です。下のアイコンをクリックしてダウンロードしてください。

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ニコンが24-70mm f/3.5-4.5の特許を取得

 Nikon Rumorsによれば、Nikon(ニコン)がフルフレーム用の24-70mm f/3.5-4.5の特許を取得したとの事(see here)。製品化されればAF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VRと呼ばれることになるのだと思うが、実は非常に似たようなスペックのレンズが過去にラインナップされていたことを覚えている方はおられるだろうか。


 AF-S Zoom Nikkor 24~85mm F3.5~4.5G(IF)。正確な発売年・販売終了年は未確認だが、フィルム時代の最後期に発売となったレンズである。郷秋がD70を購入する際に、D70の標準ズームたる18-70mmにするかこれにするかを悩んだレンズである。24~85mmだと広角側が35mm相当からとなるが、望遠側は127mmとなることから検討対象となったのだが、結局は、ニコン推奨の18-70mmを購入するに至っている。

 AF-S Zoom Nikkor 24~85mm F3.5~4.5G(IF)は、F5、F6、F100、F80等で使用されることを想定し設計されたものだと思うが時はデジタルへの移行期で、当時としては廉価で登場したD100の標準ズームとしても想定されたものと思われるが、D70の発売に合わせてDXフォーマット専用の18-70mmの登場により製造中止になったものと思われる

 そして今、なぜFX対応の24-70mmの特許取得(と云う事は、遠からず発売)かと云えば、より廉価なFX機用のキットレンズとして必要となったからである。

 現行FX機の廉価版(D4に対してと云う意味で)としては国内ではD800があるのみである。ニコンは28-300mmをレンズキット用に用意しているが、これとても単体では10万円もする高価なものである。D800の性能を考えれば24-120mm f/4がD800に相応しいキットレンズと云えるが、これだと更に3万円程高価なものとなってしまう。D800の性能を考慮しつつ、妥協できるぎりぎりの線が28-300mmである訳で、廉価が予想されるAF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VRは、D800のキットレンズでは有り得ない。

 つまりだ、実売価格7~8万円程度の24-85mmを標準ズームレンズとするに相応しい、FX機が登場すると云う事である。郷秋は既にD300(S)の後継機はフルフレームが相応しいと書いている。つまり、DXのフラッグシップはD7000の後継機に任せ、D300(S)の後継機はFXフォーマットとなり、D800のジュニア版として登場すると云うシナリオである。実売価格20万円のD400(郷秋が勝手に命名したD300(S)後継機のモデル名)の標準ズームには、今回特許を取得した24-85mmがピッタリではないか。

 D800のレンズキットの市場価格は現在37万円程度と思われるが、24-85mmをセットにしたD400のレンズキットは27万円程度での登場である。これはD300レンズキットの売り出し価格とほぼ同程度のはず。これならかなりの数が売れるはずで、FX機の低価格化に弾みがつこうと云うもので、郷秋としては大歓迎であるぞ。

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恩田の森、更新

 お待たせいたしました。本日、恩田の森で撮影しました写真をこちらに掲載たしましたので、ぜひご覧ください。
恩田の森Now 

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若葉の季節

若葉は夢
若葉は愛
若葉は希望

どんなに長い夜でも、その後には必ず朝が来るように
どんなに厳しい冬でも、その後には必ず春がやって来る
冬が厳しければ厳しい程、春は輝く、若葉は輝く

若葉は夢
若葉は愛
若葉は希望


 今日の一枚は、木五倍子の若葉。花は奇妙だけれど、若葉は至って普通。

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Nikon D800、健闘し8位フィニッシュ

 当たり前の話しだが、D800が運動会の徒競走に出場した訳では、勿論ない。BCNランキング(3/26-4/1)のデジタル一眼カメラ部門で、Nikon(ニコン)D800が売れ筋ランキングで第8位に入ったと云うお話である。

 ちなみD800の前、7位にランクされたのは同じくニコンのJ1の標準ズームキット(市場推定価格47,900円。BCN調べ。以下同様)、その前の6位がJ1のダブルズームキット(62,700円)。更に4位にはD3100の200mmダブルズームキット(59,100円)、3位にはD5100(89,500円)がランクインするなど、ニコンが結構頑張っていた先週のランキングである(詳細はこちら)。

 しかしだ、このランキング見て驚くのは、47,900円のJ1標準ズームキットよりも15,000円高いダブルズームキットの方が売れていること。もっと驚くのが(自分で買っておいて云うのも何だが、298,000円もするD800が、47,900円のJ1標準ズームキットの次に売れていると云う事実。このデジタル一眼カメラの売れ筋ランキングを見ていると、景気が悪いと云うのは一体全体どこの国の話しなのかね、と思わざるを得ないのである。

 もう一つの驚きは、J1ダブルズームキット(62,700円)よりもD3100の200mmダブルズームキット(59,100円)の方が安いと云う事実。D3100はモデル末期で間もなくD3200が登場する見込みだから、今が「底値」と云う事ではあるけれど、コストのかかるレフレックス機構もなく、イメージセンサーも小さなJ1よりも、D3100の方が安いと云うのは実に不思議な事である。まっ、良いカメラが廉価で売られていることにケチをつける必要はない訳だが、やっぱり不思議ではある。

 しかしだ、一眼レフとノンレフレックス(ミラーレス)を同じカテゴリでランキングしようと云うBCNの姿勢には納得がいかない。だってそうだろう。レンズの交換が出来ると云うだけで「コンデジ」に毛が生えた程度のカメラとDSLR(デジタル方式一眼レフ)を同列に考えるのには相当無理がある。あらゆる分野において「カテゴライズ」には常に無理と矛盾が付き纏うのは事実だが、J1とD4やD800が同じ土俵で語られると云うのは明らかにおかしいだろうと、郷秋<Gauche>は思うぞ。


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、例の東京都下某所の染井吉野。同じ東京都内とは云っても、千代田区と比べると開花の進み具合が2~3日遅れる多摩地区である。

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