D300 ~オーバーホールのすゝめ~

 D800導入に伴って第一線を引退したD300をオーバーホールに出していたが、昨日「代引き便」で戻ってきた。戻ったそのD300を手に取ってびっくり。しっかり4年4ヶ月、59,000ショット分使い込んだD300が新品同様になっているではないか。これはどうしたことかと思ったが、納品書の「処置内容」を見て納得。ボディの開腹手術をする関係上、グリップなどの前面および底部のゴムパーツを剥がす必要があったらしく、その為に再組立て時には新しいパーツを使用することになったのである。

 DSLRは特にグリップ部のゴムが汚れたりベタついたりして来ると、いかにも古ぶるしい感じになって来るのだが、その部分のゴムが新品になっているのである。パーツとしては一体になっているらしく、黒ずんでしまっていたニコンDSLRのトレードマーク、「赤い矢じり」も新しくなっている。更に底部・三脚穴周辺のゴムも新しくなり、三脚使用痕が消えている。こうなることが予めわかっていれば、各種ポートのゴム製の蓋と右手親指がかかる部分のゴムの取り換えを頼むんだったとは、後の祭りである。

 もし、これからDSLRをオーバーホールに出される方がおられたら、金額等を良く確認した上で、ゴムの張替えを依頼することをお勧めする。ゴムの張替えだけを依頼するとそれなりの経費がかかるものと思われるが「ついで」ならば、極わずかな追加費用で本来のグリップ感を取り戻しかつ見た目の大幅なリフレッシュも図ることが出来るはずである。オーバーホールを検討される方の参考まで、今回の作業内容及び費用を以下に記しておく。

作業内容:
1. オーバーホール。具体的にはAE・AF・AWB精度点検、電池接点・表示パネル点検調整、記録・再生画像等点検調整、撮像部・ファインダー部点検清掃、各作動部点検清掃調整。(メカニカル部分をバラして再組立てする訳ではない)
2. ミラー作動不具合(時々ミラーが戻らなくなっていた)のため、チャージ機構部を交換(注)。
3. モニター窓曇りのため、部品交換。
4. ローパスフィルター清掃。
5. 作業上擬革・外観ゴムを交換。

費用:
1. チャージ基板部組 430円
2. グリップゴム部組 1,170円
3. 外部接点側ゴム部組 530円
4. 背面ゴム部組 110円
5. 底カバーゴム部組 110円

部品代合計 2,350円
修理料金(技術料) 18,700円
小計 21,050円
運送料 0円
代金引換手数料 0円
消費税 1,053円
合計 22,103円

 部品代が随分と安いように思う。修理代も作業内容と手間とを考えると十分に納得のいく金額で、依頼時の概算見積である35,000円と比べてもかなり安い結果であった。配送料や代引き手数料を取らないのも良心的。D70、D5000、D3000クラスのカメラの場合には躊躇する金額かも知れないが、D300あるいはD700等の場合にはリフレッシュしてサブ機として更に数年使用すると云うのも選択肢となるのではないだろうか。D800購入後のD700、D300(S)の「処遇」にお悩みの方の参考になれば幸いである。

注:修理代が安かったのは、ミラー作動不具合の原因がメカニカルなものではなく、電気回路に問題があったからのようで、部品代が見積時18,700円から2,350円へと大幅に安くなっている。


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、例の東京都下某所で咲き始めた枝垂れ桜。同所の染井吉野はと云えば、「開花13時間49分前」と云った感じである。

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