残り柿

 日当たりの良いすみよしの森の南麓。向こうに見えているのはあかねの森。
 11月になったばかりだというのにこれしか残っていません。夏の酷暑の後も気温があまり下がらないまま 11月を迎えましたので熟すのが早くて落ちてしまったのでしょうか。これで 12月の小鳥たちの食べ物がなくなってしまいますね。

 野菜などの耕作には手間がかかるために古くは柿、最近では栗やみかんが植えられた畑が増えてきたように思います。芭蕉の句に「里古りて柿の木もたぬ家もなし」がありますが、かつてはどの家にも数本の柿の木があり、冬場の食用とするために干し柿を作っていたようです。

 私の子供の頃にも秋になると多くの家が軒下に剥いた柿を吊るしていたものです。柿の木のない家でも吊るしていたのは、近所のお年寄りの家の柿もぎでも手伝ってそのお礼にと貰って来ていたのでしょうか。

 私が少年時代を過ごしたのは、当時の地方としては珍しかった鉄筋コンクリート二階建ての市営アパートでした。共同の庭には柿の木はありませんでしたが、それでもどの家にも柿が干してあったような記憶があります。蒸して薄く切った芋を干している家もありました。

 その頃は今と違って学校から帰っても塾はないしゲーム機もないので毎日外遊びでした。ガキ大将が引き連れた数人の遊び仲間ですが、遊んでお腹がすくとどこかの家で干してある柿や芋を失敬して食べたものでした。

 大将が一つの家からたくさん取らないように教えてくれました。一つか二つずつ頂くのです。取られる方の家でも心得たもので、荒縄に10個ほど挟み込んでぶら下げた一連を持って行ったりしない限り大目に見てくれていたようです。古き良き時代のお話です。

 blog「恩田の森Now」 http://blog.goo.ne.jp/ondanomori に、ただいまは11月3日に撮影した写真を7点掲載いたしております。文句のつけようのない「秋」の日の森の様子をご覧いただければ幸いです。

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