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幸せな野仏

 高度成長期の大都市周辺の急激な人口増に対応するために、その周辺部の多くの里地里山が宅地化された。郷秋<Gauche>が住む東急田園都市線沿線などはまさに宅地化の嵐が吹きまくった地域である。郷秋<Gauche>がこの辺りを知るようになったのは1980年代初めて、既に大規模な宅地造成が進行中で往時の姿を見ることが出来ない、そんな時代であった。


 今日ご覧いただいたのは、おそらくはそんな時代にあった道路拡張の折りに、それまでの小径の端にあった野仏が邪魔になり捨てられる寸前に拾われ、コンクリートブロックを組み合わせた小さな祠に移された、そんな野仏である。おそらくは多くの野仏が打ち捨てられたであろう時代の中で、小さく粗末であると云えども祠を与えられた野仏は幸せと云うべきだろう。

 しかもだ、祠のある斜面には百日紅が植えられ、夏の間中美しい花を咲かせてくれる。おまけに大輪のカサブランカまでもが備えらえているに至っては、これ以上は無いだろうと云う幸運に恵まれた野仏である。幸いにして恩田の森ではこのような祠、野仏を幾か所かで見ることが出来るのだが、それらを見るにつけ、小さく控えめではあるけれど、これこそ大切にした「文化遺産」であるとの思いを強くする郷秋<Gauche>であるぞ。

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