唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋<Gauche>の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
不思議な1NIKKOR 新標準ズームレンズ
Nikon Rumorsに、新しいニコン(Nikon)1 J2と1Nikkor 11-27.5mm f/3.5-5.6の写真が掲載されていた(元ネタは、何のことはない日本語のサイトDigicame-infoである)。
しかしだ、この1Nikkor 11-27.5mm f/3.5-5.6は不思議なレンズだ。先代はもちろん1 NIKKOR VR 10-30mm f/3.5-5.6だが、まず気が付くことは「VR」の二文字が無くなっていること。手振れ補正を、これまでレンズにVRを組み込む方式からイメージセンサーシフト方式に切り替えたのか。これは実に大きな変更だが、それにしてはJ2の外見はロゴが無ければJ1と見分けがつかない程だ(外観が同じだから中身も同じとは限らないが)。手振れ補正方式の変更でなければ、1NIKKORは全てVR付だから、それは当然のこととしてVRの二文字をレンズの名称から外したと考えることは出来る。
もう一つ不思議なのは、焦点距離がこれまでの10-30mmから、11-27.5mmに変更されたこと。ニコン1のクロップは×2.7だから35mmに換算すると、これまでの27-81mmから29.7-74.25mmへと、広角側は狭く、望遠側は短く、つまりズーム倍率が小さくなっており、広角側はより広く、望遠側はより長くと、ズーム倍率が大きくなるのが常識である標準ズームレンズのモデルチェンジのパターンからはまったく逸脱している。広角端が24mm相当と云うのも珍しくない昨今にあって、30mmは見劣りがする。実際の撮影面からすれば30mmは悪く無い選択だとは思うけれど、マーケティング的にはNGだろう。
これについては、レンズ全長を短くしたために止むを得ずこうなってしまったという答えと、もう一つは、これまでの「1」よりもイメージセンサーが大きくなり、クロップが×2.5になったという、二つの解釈が可能だ。クロップが×2.5ならば、11-27.5mmは35mm換算で27.5-68.75mm相当となる。取り分けボケが得にくいイメージセンサーの小さなカメラの事情からすると、望遠側はちょっと物足りない気がするけれど、広角側の27.5mm相当はまずまずの画角と云える。
しかしねぇ、1型のイメージセンサーから「ニコン1」と名付けられたはずのシリーズだから、今更イメージセンサーのサイズを大きくするとは考えられない。VRの二文字が消えたことと云い、ズーム倍率が小さくなったこといい、何とも理解に苦しむ1Nikkor 11-27.5mm f/3.5-5.6ではある。ついでに云うならば、J2と新しい標準ズームレンズが来週発表になると云う予想にはクエスチョンマークが10個くらい付く。だってそうだろう、来週は日本の伝統である「お盆休み」に当たり、この時期に新製品を発表するとはとても思えない。発表されるとしても翌々週、つまり20日からの週だろうと、郷秋は思うぞ。
追記:モデルチェンジではなく、ズーム倍率は小さくVRもつかないけれど、軽量コンパクトかつ廉価な新レンズの追加と云う事もあるかな。デザインは10-30mmよりずっといいし。(8/8朝)
例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、咲き始めたイネの花。判り易く云えば「米」の花ですが、米の花には花弁はなく、籾から飛び出している白い物はどうやら雄蕊のようです。まったく地味極まりない花ですが、私たち日本人にとってはあらゆるは花の中で最も重要な花であることは間違いないでしょうね。