シグマSD1の特殊なデバイス

 昨年6月に4600万画素、70万円で登場した弩級DSLR、シグマSD1SD1 Merrillとサブネームを付けるのと同時に、現時点での実売価格55万円から18万円へと大幅値下げして39日に再登場するようだが、事実上同じモデルなのにいきなり価格が1/3に値下げなんて、普通は有り得ない。昨年6月に70万年で購入した人にとってみれば1/4になった訳で、暴動が起きておかしくないほどの出来事だと思のだが、幸いなことに、川崎市麻生区栗木にあるシグマ本社に火が着けられたと云う話しは聞こえて来ない。

 

そんな物騒なことにならないようにと云う事なのだろうな、シグマは70万円でSD1を買ってくれたユーザーにシグマ製品40万円分を購入できるポイントをプレゼントするとの事。何とユーザーに優しい会社なのかと感心すると同時に、だったら最初から18万円で売れよ!と思う郷秋<Gauche>ではあるが、70万円だろうが18万円だろうが、絶対に買わない郷秋<Gauche>でもあるわけだから、そんな余計なことを云う資格はない。

 

しかし、一体全体70万円のSD1は何台売れて、どんな人が買ったんだろうね。Nikon(ニコン)とキヤノン、オリンパスとペンタックス、リコーとパナソニックとソニーも間違いなく買ってばらしたことだろう。だから、少なくとも7台は売れたのだと思うけれど、それ以外、どんな人が買ったのかまたく思い浮かばない、想像力ゼロの郷秋<Gauche>である。

 

前置きが長くなったが、今日書きたかったのは、そんなSD1及びSD1 Merrillに、ニコンやキヤノンのDSLRには無い「ダストプロテクター」と云う特殊なデバイスが組み込まれていると云う事実である。ちょっと長くなるが、SD1のカタログに掲載されている説明文を以下に全文引用する。

 

レンズ交換式デジタル一眼レフカメラにおいて、レンズ交換時のゴミ・ホコリの侵入は大問題。このゴミやホコリがイメージセンサーに付着すると画像に写り込んでしまう場合があります。SD1のマウント部分には光学ガラスによるシールド機構、ダストプロテクターを標準装備。マウント回りにシーリング部品を組み込み、内部へのダストの侵入を最小限に低減。また内部可動機構から発生するゴミのクリーニング用に、ダストプロテクターユニットのワンタッチ着脱機構を採用しています。

 

要するに「ダストプロテクター」は、マウント開口部からボディ内部にゴミやホコリが入り込まないようにするフィルターなわけだ。シグマ以外のDSLRメーカーは、マウント開口部からの異物侵入を防ぐ手立ては全く考えず、ローパスフィルターに異物が付着した時のために、超音波で振るい落とす仕掛けを搭載している。一般的論法で考えると、原因を断つ、つまり異物が侵入しないように「ダストプロテクター」を設けるのが優れた対処法と云う事になろうが、「ダストプロテクター」は実は、イメージセンサーに付着した異物を超音波で振るい落とす仕掛けを導入できなかったシグマの苦肉の策なのである。

 

ローパスフィルターに付着するゴミやホコリはマウント開口部からだけ侵入する訳では無い。レフレックスミラーやシャッター幕等可動部分の多いDSLRでは、ボディ内部でゴミが発生する(金属や樹脂が擦れ合うことによってゴミが発生するのだ。このことについてはシグマも十分認識している)。また、それらのゴミは時に粘着性があり、ブロアーで吹いた程度では落ちないことが多いのである。せっかくの4600万画素も、レンズとの間に「ガラス板」があるんじゃ、解像度の点では随分スポイルされているんじゃないかと心配になる郷秋<Gauche>であるが、繰り返すが、SD1SD1 Merrillも買う可能性がまったくない郷秋<Gauche>には、まっ、関係のない話ではある。

 

 

今日の一枚は、現時点では郷秋<Gauche>が持っている唯一のシグマ製品、APS-C専用の超広角レンズ。性能は価格からすれば十分に満足できるが、難点はやたらに重たいのと、この写真からもわかるようにピント環、ズーム環に巻かれたゴムが白濁して汚らしくなること。「現時点では」と書いたのは、フルサイズ対応のために、もう一本シグマのレンズが増える可能性があるから。こちらはその時が来たらご紹介することにしよう。

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