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携帯電話は本当に危険なのか

 今日の神奈川新聞「自由の声」欄に「携帯(電話)は優先席を意識して」と云う投書が掲載されていました。投書されたのは77歳の男性だが、その内容は、「小学校2年生のお孫さんが夏休みの宿題で電車の優先席で携帯電話を使っている人を調べた。その結果、車掌さんが『優先席付近では携帯電話の電源をお切りください』とアナウンスしているのにも関わらず、使っている人が多い事がわかった。」だから、要するに電車の優先席付近で携帯電話を使うのはやめましょう、と云う内容ですが、この件について、郷秋<Gauche>は二つの問題があると常々考えています。

 まず一つは、果たして本当に携帯電話が人体に危険を及ぼすのかと云う問題です。このことについては以前にも書いた事がありますが、携帯電話の基地局が発信(送信)する電波が人体に悪影響を及ぼすことはまず考えられません。それは、携帯電話の基地局が発信する電波は、例えば東京タワーから送信されているテレビやFM放送の電波の数10KWと云う出力と比べると実に小さな出力だからです(ここでは周波数の高低による電波の特質については触れない)。個人が持っている携帯電話の電波の送信出力(電波の強さ)は更に小さく、大雑把に云うと約0.5W程です(PHSは更に小さく0.02W程度)。ですから、健康な人体に対する影響は限りなくゼロに近いと考えてよいわけです。

 問題は、体内に心臓ペースメーカーのような電子機器を埋め込んでいる方(埋め込まれた機器)に対する影響ですが、個人が持っている携帯電話程度ではまず問題が生じないと郷秋<Gauche>は考えています。その根拠は、実は郷秋<Gauche>の母親が心臓ペースメーカーを埋め込んでいるのですが、彼女自身が携帯電話を持って、日常的に利用しているからです。

 母が携帯電話欲しいと云い出した時に、郷秋<Gauche>は携帯電話に比べて送信出力が1/20以下のPHSを勧めましたが、主治医に相談したところ「まず問題はありません。念のため、携帯電話をペースメーカーを埋め込んだ場所に直接押し付けるような事は避けてください」と云われたとの事で、一般的な携帯電話を購入し今に至っています。それからもう6、7年経ちますが、ペースメーカーが携帯電話により誤動作を起こしたことは、少なくとも私の母については起こっていないようです(今も勿論は母健在です。と云うか、八十を過ぎても郷秋<Gauche>よりも元気な程です)。

 以前何かにペースメーカーを使用している方が、自分の近くで携帯電話を使っている人を見ると、それだけで具合が悪くなると書かれたのを読んだ事があるのですが、これは実際に電波の影響があったのではなく、携帯電話の電波が自分のペースメーカーに悪影響を及ぼすと信じている方が、携帯電話を見ただけで体調不良になったような気がしているだけなのではないかと郷秋<Gauche>は考えています。勿論その真偽の程は判りませんが、たとえ気持ちの問題だとしても、もしそう云う方がいるのだとすれば、少なくとも電車の中など狭い場所での携帯電話の使用を控えた方が良いのだとは思います。

 問題なのは、何故、電車やバスの優先席付近で携帯電話を使用してはいけないのか、具体的にどの程度の距離の場合にどのような影響があるとか、例えばペースメーカー利用者の30cm以内で携帯電話を使用するとペースメーカーの50%が誤作動を起こし利用者の生命が危機に晒される、と云った科学的かつ具体的な理由が明記されていないことです。郷秋<Gauche>の目の前で、携帯電話で実に楽しそうに話をしている母を見ていてそう思うのです。

 問題の二つ目は、携帯電話の利用者の多くが携帯電話で通話しているその時、メイルの送信ボタンを押したその時以外には自分の携帯電話は電波を発信(送信)していないと思い込んでいることです。しかしながら、携帯電話は自分がいる位置を携帯電話システムに対して常に伝えていなければならないという構造上の理由により、通話しているか、メイル送信ボタンを押したかに関わらず、常に一定の時間ごとに電波を発し自分のいる場所をシステムに対して通知しているのです。

 繰り返しになりますが、携帯電話は利用者の意思には関わらず、電源が入っていさえすれば自分の都合により勝手に定期的に電波を発しているのです。ですから、電車の(ペースメーカーなど利用者がいるか確率が高い)優先席付近では携帯電話を使わないでくださいではなく、「電源をお切りください」というアナウンスになっているのである。

 自分が持っている携帯電話の仕組みを知らないことと、何故優先席付近では携帯電話の電源を切らなければならないのか、科学的に正しく説得力がある説明がなされていないから、「電源を切るように」とアナウンスされている優先席付近で堂々と携帯電話を使う人が無くならないのだと郷秋<Gauche>は考えています。この二つの問題が解決されれば、双方にとって安心安全な車内環境となるのではないかと思いますが、いかがなものでしょうか。


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、しょうも無い写真ですが、ご覧の通り夏の花「ケイトウ」です。恥ずかしながら郷秋<Gauche>、この花のことを随分と長いこと「ケイト」つまり毛糸で編んだような花だから「ケイト」なのだと思い込んでおりました。ニワトリの鶏冠(とさか)のような花なので「鶏頭」(ケイトウ)なのだとは、そんなに遠くない前になってようやく知ったのでした。恥ずかしい(^^;
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