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産地北上

 今日の神奈川新聞に「温暖化前に“産地北上”」という記事が掲載されていた。ご想像の通り、地球温暖化の影響により、これまで沖縄でしか栽培できなかった亜熱帯性の果実が九州で、九州でしか採れなかったものが関東で、さらには関東北部や東北でレモンや柚子(ユズ)といった柑橘類の栽培が試行されているという記事である。

 郷秋<Gauche>はこれまでにも幾度か温暖化により、これまで採れた作物が採れなくなる、南方系の品種に変更しなければならないところまできていると云う事について、特にワインの原料である葡萄の事について書いている(see here)。更にblog内で「ドメーヌ・シブロ」で検索いただければ、ブルゴーニュの若き葡萄農園主が温暖化と葡萄の品質の問題に語っている記事を見つけていただけるはずである。

 かく云う私もここ一年ほどの間に、バレンシアオレンジ、柚子、酢橘(すだち)、レモンと云った柑橘類の苗木を5、6本植えた。それは郷秋<Gauche>の近くにある恩田の森の休耕畑に、これまで植えられていた柿や栗に変わってミカン類が植えられる事が多いのを見てのことである。事のほか暑かった今年の夏だけれど、冬になってまで平均気温が1度も2度も高いかどうかはわからないけれど、確実に温暖化が進み、そのテンポも早くなってきていることは間違いないようである。

 以前にも書いた事があるが、里山の雑木林の中に棕櫚(シュロ)が自生しているのを見たヨーロッパだったかアメリカだったかの植物学者が「日本は亜熱帯である」と云ったそうだ。植物だけではなく南方系の昆虫や鳥類、哺乳動物が日本に住み着きそれが北上し続けているとも聞く。郷秋<Gauche>も「宮城県にカンガルー?」という記事を書いたほどである。

 例えば東北で柑橘類が採れるようになるのは新たなビジネスチャンスとも云えるけれど、これまでリンゴの産地であった長野でリンゴが採れなくなるとか、今までの品種では栽培・収穫ができないという問題は新たなチャンス以上に大きな問題となることだろう。この温暖化が植物・動物に程の影響をもたらすものなのか、総合的かつ個別の状況に関する調査報告が、私たち素人にもわかり易い形で公表されることを切望する郷秋<Gauche>である。


 例によって記事本文は何の関係もない今日の一枚は、恩田の森、白山谷戸の先週の稲田と空。明日は更に黄味の増した稲穂と、更に高くなった空を見る事が出来るだろう。
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