中国は「まねし小僧」?

 2007年第一四半期、GMを抑えて世界一の自動車メーカーとなったトヨタも、かつてはどこかの国のどこかのクルマにどことなく似たクルマを作ったりしたこともあったけれど、それはコンセプトを真似たために結果として似てしまったという、結果論の範疇に収まるものだとは、中国・上海で開催中の上海モーターショーに出品され中国車の写真を見ての正直な感想である。結果として似てしまったのではなく、似せて作られた気の毒なクルマの数々。中国自動車メーカーの多くは確信犯であると、郷秋<Gauche>は断言する。

 しかし、今日の神奈川新聞12面の記事によれば、現在の中国での知的財産権(侵害)に対する意識は極めて低いらしく、裁判に訴えても認められる可能性が低いというのが現状らしい。というここまでは良いとしても、続く「部品を買ってもらうためには我慢するしかない」というコメントは、なんとも情けないのではあるが。それにしても、今日の神奈川新聞12面に写真が掲載された「マツダ3」(ファミリアセダン)と「ハイマ(海馬)3」とは、名前も見た目もそっくりである。いや、むしろ「ハイマ(海馬)3」の方がよりマツダらしく見えたりもするからますますややこしい。

 トヨタばかりではなく、かつては日本の自動車メーカーのすべてが(ホンダは除いてもいいかとは、隠れホンダ・ファンの郷秋<Gauche>の贔屓目か)アメリカやヨーロッパのクルマの真似をして成長してきたことは確かである。そんな中でいくつかのそっくりさんが登場したことは確かであるが、例えばロータス・エランを手本に作られたトヨタ2000GTは世界がトヨタオリジナルの「素晴らしい」GTと認めたし、MINIという手本はあったにしてもホンダCIVICはVWゴルフの登場1年前に来るべき時代の小型車のスタイルを世に問うほどに、オリジナリティに満ちていた。

 しかしながらそれから35年後に登場した中国車の数々は、模倣ではなく単なる盗用でしかない。私たちは今、胸を張るべきである。私たちは模倣と引用こそしたが、それは決して猿マネではなく、そこから多くを学び実に短期間で日本オリジナルのデザインと技術を確立してきたのだと。昨日、郷秋<Gauche>が酷評したレクサスLS600hにしても、メルセデスもBMWもVW(AUDI)も、昨日まで世界一であったGMさえも決して真似のできない、世界に誇る日本オリジナルなのである。

 単なる盗用、「まねし小僧」は遠からず手痛い仕打ちの目に合うことになる。中国政府と各自動車メーカーが早くそれに気づき独自デザインコンセプトと技術の確立に向かうために、日本と日本の自動車メーカーが出来ることは多いはずである。いま、日本と日本の自動車メーカに課せられた責務は大きく重いのだ。それが果たせてこそ真に世界一の自動車生産国、メーカーとなる事が出来るものと郷秋<Gauche>は考えている。

 奇妙な青さんが、笑えるほどの「そっくり野郎」をご紹介くださっていますので、どうぞお楽しみください。
 
今日の1枚は、新緑のなるせの森の尾根道を見上げる図。
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