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もう来週は秋分だと云うのに、今日も真夏並みの酷暑となった横浜地方ですが、ふと思い浮かんだ秋の歌「誰かさんが誰かさんが誰かさんが みつけた〜ちいさい秋ちいさい秋ちいさい秋 みつけた」。
覚えていたのはサトーハチローの詞のうち二番でした。一番と三番の歌詞は、こんなだったかなぁ・・・。どうやら「うつろな目の色 とかしたミルク」が印象的で覚えていたようです。
それにしても「ちいさい秋」って、どんな秋? いや、ちゃんと詞に書いてあるんですが、何度読んでみても歌ってみてもそこに書かれている秋は「晩秋」なんです。ちいさい秋なら、ようやく残暑も終わり蝉の声よりも虫の声の方が大きくなってくるちいさい秋、つまり言葉としては秋の始まりじゃないかと思うのですが。
でも、「お部屋は北向き くもりのガラス」ですから、北向きで日当たりが悪く、おまけにくもりのガラス(今はほとんど見かけない磨りガラスなのでしょう)だからことさら部屋の中が暗くて寒い。秋の初めの頃ならそんなに寒くはないはずですから、やはり晩秋。
「うつろな目の色」ってどんな色? いや、これは美術的と云うのか色彩学的、あるいは物理学的もしくは光学的な色ではなく、心象風景的な色なのでしょう。その心象風景は隙間風が入ってくる暗くて寒い部屋ですから、鈍色。そんな暗い心の色を溶かしたミルク。そんなホットミルク(温めた牛乳と云うべきか)を飲んでみたところで骨の髄、心の芯まで冷きった身体が温まることはないでしょう。寂しいく悲しい、ほとんど初冬といっても良いほどの詞です。
詞を繰り返し読んでみるほどに、これは季節の秋、先に書いた純粋な季節、初秋を描いたものではなく、作者の心象風景を秋という季節を借りて詠んだものではないのか、母が去り寂しく荒れた少年時代を思い起こしての「うつろな目の色」であり、いくら飲んでも心も身体も温まらないミルクなのだろうと思えてならないのです。
【ちいさい秋みつけた】
作詞:サトーハチロー 作曲:中田喜直
歌:ボニージャックス(1962年)
(三番)
誰かさんが誰かさんが誰かさんが みつけた
ちいさい秋ちいさい秋ちいさい秋 みつけた
お部屋は北向き くもりのガラス
うつろな目の色 とかしたミルク
わずかなすきから 秋の風
ちいさい秋ちいさい秋ちいさい秋 みつけた
と云う訳で今日の一枚は、郷秋<Gauche>が見つけた「ちいさい秋」。
追記:歌詞ですので「詞」と書きましたが、本来は「詩」であろうかと思ったりするところです。
横浜市青葉区の住宅地の中に残された小さな里山の四季の移ろいを毎週撮影・掲載しているblog「恩田の森Now」に、ただいまは9月7日に撮影した写真を6点掲載いたしております。厳しい残暑が戻って来た森の様子をご覧いただけたら嬉しいです。
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