福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

部活むし歯

2007-09-20 | むし歯予防の話

「部活むし歯」という言葉があります。中学高校生あたりのティーンエイジャーが多分最も永久歯虫歯ができやすい時期ですが、この時期部活に頑張っている場合が多く、水分補給ということでスポーツドリンクなどの飲料水を頻繁にかつ大量に摂取することが虫歯発生の原因と考えられるからです。
発汗することで唾液が減少し、このような飲み物を洗い流す作用も低下していることもマイナス要因です。
虫歯発生の主たる原因は、歯に貼り付いた歯垢中のミュータンス菌がドリンクの糖分から酸をつくって歯を溶かすというメカニズムです。加えて、どれくらいの影響力かまだ明らかにされていませんが、pHが低いいわゆる酸性の飲み物が直接歯に作用して歯を溶かす「酸蝕症」と呼ばれる虫歯発生が考えられます。ミュータンス菌によるものと比べパワーは小さいでしょうが、頻繁に摂ることで歯が溶ける原因になるものと思われます。酸性飲み物の代表選手はコーラなどの炭酸飲料やスポーツドリンクです。
お茶や缶コーヒーは中性に近いpHです。成人の「缶コーヒーむし歯」などという言葉もありますので、虫歯原因はpHというよりも糖分であるというのは間違いないので誤解しないように。
「部活むし歯」の一例の写真をみると、どう見ても歯垢べったりで、部活で忙しく歯磨きもおろそかということが想像されます。
私の意見としては、水分補給は必要でしょうからスポーツドリンク+お茶+水で補給し全体の糖分が多くなりすぎないようにして欲しいということです。それと歯磨き+定期的な健診とフッ素塗布が同様に重要です。


pH5.4以下がエナメル質が溶ける酸性度です。炭酸系はノンシュガーであってもpHは低いですね。通常量ではむし歯発生には至りませんが、過度に頻繁ではむし歯発生のきっかけとなるかも。
私が個人的に知りたいのは、ビール、日本酒、焼酎のpHです。「酒飲みむし歯」というのは無いように思いますので。

コメント
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