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11月12日に公開となったアニメーション映画「この世界の片隅に」を観てきました。

原作は「こうの史代」の同名漫画「この世界の片隅に」。2015年3月に実施されたクラウドファンディングにて資金調達に目処が立ち,なんと6年もの歳月をかけて完成されたアニメーション作品です。こうの史代さんの漫画は以前ちょっとだけ読んだことがありました。最初は「ぴっぴら帳」というインコの漫画から入りましたが,次に読んだのが「夕凪の街 桜の国」。あまりのギャップに愕然とした覚えがあります。本作「この世界の片隅に」の舞台は戦時中の広島。見知らぬ土地に嫁ぐことになった主人公の少女「すず」の日常がゆったりと描かれています。今までとは違う嫁ぎ先の環境に翻弄されながら生きるうち,徐々に戦争に巻き込まれ,自らも戦争の「被害者」となってしまうすず。ネタバレしたくはないのであまり細かくは書きませんが,物語終盤に日本の敗戦に感情を爆発させる姿が衝撃的でした。

こうのさんの作風は非常にふんわりした感じの線なので,これが劇場版アニメになったらどうなるのか??とか思っていましたが,これが予想以上に鮮明で美しい作品に仕上がっていてびっくり。舞台となった広島の「被爆前」の姿が詳細に再現されています。絵や音がきれいになっているので,単なる街並みだけではなく,米軍の空襲から逃れる様子も非常に臨場感があってリアル。空襲警報→防空壕へ逃げる→警報解除 といった毎日がマンネリ化してしまうのか,あくびをしながら逃げる姿も描かれていて,これもまた戦時中の日常としてリアルなんだろうな・・・と思ったりしました。逆に,原子爆弾投下時の様子は直接描かれていません。すずが嫁いだ呉市は爆心地となった広島市からはだいぶ離れていたので,爆風や熱線による直接的な被害はなかったものと思われます。ただ,大きな振動と風が時間差で襲ってきたり,ラジオが受信しなくなるなど,明らかに「何かが起きた」という描写がなされていて,観ていてゾッとしました。

なにかと話題になっていた,主人公すず役の「のん」さん。
いまだに賛否両論あるようですが,自分は絶賛派。すごくイメージどおりのキャラクターになっていたと思います。
今回の成功で,演者である彼女に仕事が戻ってくるよう祈りたいです。

ラスト前にかなり強烈な描写があるので,年少のお子様が観ると泣いちゃうかもしれません。
でもこの映画。是が非でも観てほしいのはラストシーン。ラスト~スタッフロールでどばっと涙が出ました。
映像ソフト化を心待ちにしています。のんさんのコメンタリー付きでお願いします。


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