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漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
http://kampo.no.coocan.jp/

頭痛2タイプの漢方対策・釣藤散と頂調顆粒

2012-07-25 | 漢方的話題
生理前や気圧の変化で、めまいや頭痛があるという40代後半の女性
釣藤散でずいぶん鎮痛剤を使う回数が減り調子がよいとのこと。
もう一例、
やはり生理前に多いが、今日は頭痛になるなあと朝の体調でわかるという30代女性。
こちらも釣藤散で「すごくよく効く」と好評でした。

以前にも釣藤散の1例を書きましたが、女性の生理前は肝陽上亢しやすく
そして湿気の多い時期は痰湿を抱えやすい。まさに釣藤散の症状。

一方
テレビで釣藤散がいいらしいと指名でこられた60代女性。
朝から頭痛がし、これまでしょっちゅう鎮痛剤を飲んできたという。
「慢性に続く頭痛で中年以降または高血圧の傾向のあるもの」
確かに釣藤散の効能効果欄に書かれている通りの症状ではある。

来局2度目「あまり変わらないのよ・・・」という反応。
「朝から頭痛」というので風寒頭痛かと考え、頂調顆粒(川キュウ茶調散)を処方。

来局3度目
頂調顆粒にしたら、あれだけ毎日鎮痛剤を使っていたのにほとんど使わなくなったそう。
明け方の体温が低いときに、冷えを頭部に受けて頭痛を起こしたと思われます。年齢が高い人に多い。冷たい風に当たって頭痛がするというのも同じ状態)

猛暑になったらまた違うタイプの頭痛が発症することでしょう。
このように人の体は自然とともにあるのでさまざまな環境を考慮して漢方対策を選択することが必要です。


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汗をかきだすと止まらない、を漢方対策

2012-05-17 | 漢方的話題
「このところお風呂上りに、そのほてりももうおさまっているのに、汗がタラ~っと流れでてなかなかおさまらない」という50代女性のご相談。

衛益顆粒を服用していただく。

1週間後
「いいみたい。調子いいとつい飲み忘れちゃって、また入浴後に汗が流れてくると、『いけない!』って思い出して飲んでます

「衛益顆粒、即効性ありますよね。だけど『気虚体質』は頓服で改善できるものではありませんから、忘れずに毎日服用してくださいね。効果がすぐ実感できてよかったですね」

「だけどどうしてこうなっちゃうのかしら? 歳だからー?」
「年齢も無関係ではありませんが、一時的に疲労がたまっても気虚状態に陥ります。
たとえば、このところ気候変動が大きいですが、体内はいつも同じ状態を保たなければならず、バリア部分は大忙しなのです。たぶんバリアが疲れて弱ってしまったのでしょうね」

シダの新芽、宇宙人みたいな形をしていた

「衛益顆粒」はじんましんや花粉症などですでに利用されている人も多いと思いますが、
「気虚」のうちの特に「衛気虚」を改善する処方です。
「衛気」とは体のバリアの力をいいます。
発汗をコントロールするのも「衛気」の役目。
汗をむだにかきすぎると、体温調節がうまくいかずに風邪をひきやすくなったりするので、気になったら早めに気虚対策を行いましょう。


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めまいに寝返り体操

2012-01-24 | 漢方的話題
めまいで最も多い「良性発作性頭位めまい症」
洗濯物を干したり、取り込もうとした時や寝返りを打った時、靴ひもを結ぼうとした時など、
ある特定の頭位を取ると回転性あるいは動揺性のめまいが出現する。

半規管内に迷入した耳石小片(炭酸カルシウムの粒)が体位の変換に伴って
半規管の管腔内を移動することが原因と考えられている。

そこで
半規管に迷入した耳石小片をもとに戻す寝返り体操

Credentials No.39 December2011 疾患のトリセツ(聖マリアンナ医科大学耳鼻咽喉科教授 肥田泉氏)より

仰向けに寝て朝起きる前と寝る前の1日2回行う、 1回に10往復
半規管ない迷入した耳石小片が一か所に集まって大きな塊にならないようにする体操。
最初はめまいがかえって強くなることもあるそうですが
たぶんめまいしてるときの10往復はかなりきついと思う)、
これによってずいぶんQLOが改善されるとのこと。 ま、やってみましょう。

カルシウム不足だと耳石が剥がれ落ちやすくなりこのめまいが発生するそう。
骨粗鬆症がはじまる中高年女性は要注意。
更年期になるといろいろと体のメンテナンスが忙しくなりますね、まったく。

ところでカルシウムの吸収を助けるのはビタミンD。
これは人間も日光に当たることで皮膚で生合成される。

「午前10時から午後3時の日光で、少なくとも週に2回、5分から30分の間、日焼け止めクリームなしで、
顔、手足、背中への日光浴で、十分な量のビタミンDが体内で生合成される」
(WikipediaビタミンDより)

つまり、この手のめまい予防にも、屋外の運動が予防になるというわけ。

だけど日焼け止めクリームなしっていうのが、ねえ。美容問題もあるし・・・
あ~、思春期より悩みが多いよ、更年期は・・・

更年期対策や体力低下に伴うめまいには漢方対策も役に立ちます。
これはまた次回にでも。


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元旦から地震に見舞われて

2012-01-11 | 漢方的話題
関東から東北にかけて元旦から肝をつぶすような地震にみまわれ、
不安な幕開けとなった辰年。
今日の新聞では、各県から移動した人数の記事に身震いした。

今後日本に暮らすなら放射線による汚染問題を避けて通ることは無理な様子。

新聞やマスコミはしっかり原発の今をタイムラグなく国民に伝えてほしいものです。
(昨年の朝日新聞の特集は興味深かったけど、
あんなに後出しでは、やっぱり騙されていたと落胆したものだった)

私たちはどう暮らせばいいのだろう?
私たちは不安に押しつぶされることなく健康な体づくりを続けていく。
少しでも放射線に抵抗できるように。
そのために食べ物や生活環境をどう選ぶか? アンテナを張り巡らそう。

実際昨年は、目に見えぬ不安感が蔓延して、
当薬局でも、来局される方々の気持ちの中には
無意識のうちにもストレスが感じられた。

しかし不安に負けてはいけない。
健全な精神は健全な肉体に宿る。
何千年もの自然と暮らす知恵が集約された漢方医学の中に
対策のヒントはたくさんあるのではないだろうか。
少しでもそれらを紹介できるようがんばらねば。

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睡眠(体温と寝汗)・冷え性の人、ほてる人

2011-12-14 | 漢方的話題
眠たくなると手足がぼーっと温かくなるのは手足から体温を放出しているからです。
寝ているとき暖かいと感じるのも熱を放散しているからで、実は体温は下がっています。
脳や体を休めるために冬眠みたいに体温を下げているのです。
(逆に寒気がするのは体温を下げまいとする反応)

散熱する部分は手背(手の甲)、足背(足の甲)、太腿の内側で、
血管が拡して散熱します。同時に同じ部分から寝汗もかきます。
昼間に汗をかく場所と異なりますね。

冷え性の人は、体の熱を逃がすまいと手足の末梢血管が収縮していて
体温が下がりにくく、寝つきが悪く眠りが浅くなりがちです。

そこで
(体の休息態勢を導くヒント)
・手足を冷やさない
・寝室を適温に保つ
・入浴はぬるめにし就寝直前に入浴しない
・就寝前2~3時間はリラックス
・夜食をしない
・女性の場合高温期には脇の下を少し冷やしてみる
(参考:武田薬報465号 体温と睡眠 内山真)

寝汗で目が覚める人(ほてる人)は
成人なら一晩にコップ一杯くらいの寝汗をかくといわれますが
特に入眠後1~2時間そして最も睡眠が深くなるときにたくさんの汗をかくそうです。
この時体温がぐっと下がります。
健康な状態なら寝汗をかいても目を覚ますことはありません。

漢方的発想にいう「陰虚」では「寝汗を頻繁にかく」という症状があるのですが、
陰虚つまり潤い分(ここではラジエーターの水というべきか)が不足していると
夜になっても陽気(日中の活動エネルギー)が裏に入りきれず寝ている最中も動いてしまう状況で、
体はほてりやすく眠りも浅いので、寝入るたびに寝汗をかいてはまた目が覚めるということになります。
漢方対策は、ほてりをさましたり潤いを補う生薬が配合されたものを用います。
(ex.六味地黄丸、八仙丸、瀉火補腎丸、二至丹など)

陰虚タイプの人は休眠態勢を導くヒント(上記)に加えて
激辛や熱過ぎる食べ物を避ける
すっぽん、豚肉、なまこ、牡蠣、あわび、牛乳、豆腐などは
潤いを補って余分な熱を冷ます働きがある。
夜更かしするほど陰分は消耗するので、早めに寝る
などを実行してみてください。


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思ってもみなかった熱中症

2011-07-07 | 漢方的話題
「麦味参(ばくみさん)だったよね、熱中症は」

と、わが薬局に元気よく入ってきた男性。
声も大きくいかにも体力がありそうなのに、

「まいったー、熱中症になるなんて思ってもみなかったよー」

去年は、何回も暑いところで仕事をする機会があったけど熱中症なんか
気にもしなかったそうだが、(麦味参顆粒を飲んでいた)

今年、ちょっと暑かったくらいで、急にふらふらと意識を失いかけたんだそう。
「そういえば麦味参(ばくみさん)飲んでたんだー、って思い出してさ~」

湿度の高い日・・・

夏の入り口、梅雨時の不安定な気候の今頃は、
体が暑さにもまだ慣れていないため、汗のコントロールがうまくできず、
年齢に関係なく熱中症に陥ることがある。
かえって毎日暑さが続いて、しっかりその気候に慣れてしまえば、体は恒常性を保ちやすい。

疲労をため込まず、しっかり旬の食材を食し、冷食で胃腸を冷やさず、
お茶やスポーツドリンクで水分補給し、ばっちり備えて、汗をかく練習。
なによりこの気候に体をなじませることが大切です。

七夕の今日は、が降るという予報だったけど
午前中ってムシムシしていたかと思ったら、今はれて熱風が吹きまくっている。
昨日は梅雨明けかと思うほどさわやかな天気で、一転夜は急に涼しくなった。
めまぐるしく変わる天候になじむのは大変だけど、
適度に外気に触れて体におぼえさせましょう。

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温度差で鼻炎は血管運動性鼻炎

2011-02-15 | 漢方的話題
年中鼻炎という60代女性。
年中といっても季節によって微妙に症状が異なるので、症状に応じて処方をかえて服用いただいている方です。

年末ごろは、鼻づまりと頭痛がしてイライラするということで葛根湯加辛夷川キュウと頂調顆粒を用いて良好でしたが、ここへきてまた鼻づまりが酷くなり、鼻をかみたくなるが鼻水が出るわけでもなくなかなかスッキリしない。そこで補陰しながら肺熱を取り去る辛夷清肺湯と頂調顆粒の組み合わせに変えてとても良好です。

      

ところで一年中鼻炎というのは、いったい何に敏感に反応しているのでしょうか?

花粉症の場合は花粉が飛散する時期だけ
くしゃみ、鼻水、鼻づまり、そして目のかゆみなどが現れるのですが、
が降った日でも花粉症みたいな症状がある、という人も結構います。
耳鼻科でアレルゲンを調べても花粉への反応が現れないこともあります。

それを『血管運動性鼻炎』と言っています。
温度差(温かいから冷たいへ)や急に姿勢を変える(たとえば起床時)などが刺激になって
反復性のくしゃみ、水様性鼻水、鼻づまりなどの症状が現れ、目の症状はないようです。

鼻の毛細血管を広げたり、血管から水分をにじみ出させたりする副交感神経の異常なのだそう。
塵埃、化学物質の蒸気、臭気、天候、肉体的や精神的な心身性因子、
血行不良の体質因子などなど、
つまりはなんにでも反応して毛細血管の状況が悪化する超過敏性の鼻炎ということです。
花粉症がきっかで超過敏な鼻炎へと移行することも多いようです。

      

な~んだ、いまさら言われなくても、鼻が何にでも敏感になってるのは前からわかってるよ
・・・と年中鼻炎の人は思うでしょう。
炎症が続いた粘膜が超敏感になるのは当たり前といえば当たり前なのですから。

まあ、西洋医学派はなにかと名前をつけて症状を分類する体質ですから・・・
そしてやっぱり西洋医学的な治療法もなんら花粉症と変わりありません。

      

漢方も別に病名が付いたからと言って対策が決まるわけでもなく、
冷静に、どのような時に悪化するのかを見極め、また鼻炎のこれまでの経緯もふまえ、
血流改善とその人の鼻粘膜の回復をサポートするのにどの漢方が合うかを
体質を考慮しながら考えます。
なので人によって用いる漢方薬が異なりますが、体質にあう漢方養生をすると、かなり楽になります。

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秋に入って胃腸不調は夏バテ?

2010-09-15 | 漢方的話題
昨日あたりからすっかり涼しくなり、
冬までずっと続くんじゃないかと思われたあの連日の猛暑が
うそのように記憶の遠くに過ぎ去ってしまった・・・
昨日まで着ていた夏服がいっきに色あせて見える。
急な帳尻合わせに、気持ちも体もついていかない。

と、今週の薬局では、
お腹の具合がよくない、お腹がシクシク痛い、体がだるくて動けない、
ぜんぜん食欲がない、おまけに微熱が続くなどの症状の方々が続きました。

実は、急な温度変化も体にとってはストレスとなり体力を消耗するのですが、
今年は長く猛暑が続き、その間冷たいものを食べ続けていて、
胃腸は思いのほか疲れきっているようです。

これも一種の夏バテでしょう。
(夏疲れといったほうがいいかも)

温かい煮物などをよく噛んで食べ、胃腸の働きを高めましょう。
秋の夜長は静かに過ごし、睡眠時間を十分とってください。

考えられる漢方処方:人参湯、勝湿顆粒、桂枝加芍薬湯、補中益気湯などでしょうか。


ヤマボウシの実がすっかり色づいていた。
ハナミズキもヤマボウシの仲間ですが、いずれも東北あたりまでが適地で
映画『ハナミズキ』の舞台は道東のようでしたが、
あそこは札幌よりずっと寒さが厳しい土地。
物語のテーマとなる植物がそもそもそこに育ちそうにないっていうのは、
どうもいただけないと思ったのは私だけでしょうか。それとも温暖化?

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寝苦しい夜に(熱中症に注意)

2010-07-28 | 漢方的話題
禁句かもしれないけど、こう連日だとやっぱりこたえます、暑さが。

冷房嫌いの私は家に帰ると夜はクーラーをつけずに寝るので、
かなり汗をかき、それで不覚にも梅雨明けすぐの猛暑が続いた
1週間後あたりに 、体力低下を実感してしまった・・・
(たぶん紫根騒動の疲れも重なったのだと思う)

食欲低下が著しく、やけに腹痛が起きる、朝起きるとどうにも体が重い・・・
もしかして軽い熱中症か???

で、あわてて漢方薬(麦味参顆粒ばくみさんかりゅう)を飲み
夜は枕元に麦味参顆粒入りの水分をペットボトルに用意したらばっちり。
我ながら効き目の素晴らしさに驚き、お客様にあわてて勧めているしだい。
ちょっと情けない流れだけど・・・

熱中症に注意

そして今日は、『通販生活』から、麻のパッドが届いた。
これまでの夏は「花ござ」を使用してきたけど、これって朝起きると大概、
ござの目の跡がほっぺあたりにくっきりついているのが困りものだった。
それに老い先そう長くはないのだし、ここでちょっといいヤツを買ってみようと思い立ったわけ。
これで良質の眠りを獲得するのだ。
(ってまだ使ってないのでまだお勧めするわけではありません、今日から、今日から)

ところで、「花ござ(寝ござ)」は九州出身の私は日常的に使うのだけど、
少なくとも北海道ではその習慣はなく、布団の上に花ござを敷いたらすごく驚かれ、
そして寝がえりを打つごとにシャラシャラと音がするのに馴染まず、
あげくにすごく『プア』な気分に陥ったらしい。(暑い地方は「ござ」が『リッチ』なのだ)



サルも滑るというサルスベリの幹をさかんに蟻たちが行き来している。
暑さが厳しくなればなるほど色鮮やかに咲くサルスベリは、たまにはぐったりしないんだろうか・・・


白いほうが、やや涼しげです。

久しぶりに桐の木が何本も植えられている小さな公園にいってみたら、

しっかと睨まれてしまった。


初夏につける紫色の花は終わって堅そうな実が付いていた。

漢方を飲んでいたら髪がきれいになった

2010-07-22 | 漢方的話題
他人の肌や髪やの様子をぱっと見て、体調が良さそうとか、
何歳くらいかなとか推察することはよくやることだけど、
逆に、自分自身やいつも一緒にいる家族などの肌ツヤや髪の質の変化には
気づきにくいものです。

薬局にいて漢方を飲んでいる方からよく言われるのが、

「美容室に行ったら『髪の質が良くなったね、なにか飲んでるの?』と言われた。」

という言葉。

先日も、不妊症の漢方対策を続けていて最近基礎体温もずいぶん元気になってきたなあと感じていた女性から、この言葉を聞きました。

体にいいことを重ねると、気になる症状だけでなく体の隅々まで元気になるので、その結果肌や髪が美しくなるのです。
特に髪がきれいになったと言われるのは、女性としてはかなり嬉しいですね。
これでまた頑張れるね。

美容室の方はさすがプロ、櫛を入れた時の変化を敏感に感じるのでしょう。
気づいてくれてありがとう。伝えてくれてありがとう。

女貞子の花

紫根(しこん)騒動でヘロヘロでした

2010-07-02 | 漢方的話題
6/23朝、開店まえの薬局で。
いつも通りにパソコンのメールチェックをしようとスイッチオン。

と、電話が鳴る。
『紫根の化粧品を使ってみたいんです・・・・』
「それではサンプルお送りしますよ」(ずいぶん早くから熱心な・・・)

そしてパソコンの画面に視線を戻すと、未読メールが2百通以上。

え~っ壊れたの? 今日は朝からパソコントラブルと格闘するわけ?!)

訳が分からず、見てる間にも次々とメールが入る。

また電話が鳴る。
『昨日、深夜のTV番組の『魔女のなんとか~』で紫根がシミにいいって言ってたんですけど』

そ、そういうわけか!)
メールを見ると夜の11時前から一気に問い合わせメールが増えていた。

で、電話を置いたとたんにまた電話。
こういうのを『タッチアンドゴー』とでもいうのかしらん。)
膨大なメールと絶え間ない電話の応酬で、
処理能力をすっかり超えた脳みそはのんきなことを考えている。

それからあっという間の本日に至るまで、
(あの当日、検索上位にあった我がページは、タケノコのように
出てきたほかのページによって1週間後には無事1ページ目に登場しなくなった)

毎晩メールをこなし(ふだんから私ひとりでメールをこなしているのよね、50代のおばさんが・・・)
眼精疲労とめまいと頭の芯に張り付くいやな頭痛、それから腰痛も・・・

ちなみに私がこの間に服用した漢方薬は、
・補腎剤で体力補給⇒杞菊地黄丸、参馬補腎丸
・活血剤で停滞した血流を改善⇒冠元顆粒、心沙棘
・動きの止まった胃腸と湿気あたりを改善⇒星火温胆湯、勝湿顆粒・・・

ホント、漢方薬でつないだって感じ

え、私が飲んだ漢方薬の話より、紫根の話題が気になるって?
もう、かんべんだけど、
何年も前から私が気に入って紹介している紫根美容シリーズ。
そして、気に入ってくださった方だけ何年もずっと利用していただいているシリーズ。
だってそんなにすぐに色白になるわけないもの。
だけど長く使ってると確かにいいみたい。
マイペースに好きなものだけ、それが私のモットー。

ご理解頂ければ、下のページをどうぞ、ってしっかり宣伝してしまいましたけどね。
漢方美肌づくり

北京で漢方研修・薬膳その3メインとデザート

2010-05-20 | 漢方的話題
「豚の血」料理のあとはスープとメイン料理の登場。長々と申し訳ありません。


多種類のキノコを煮込んだ、深い味わいで舌触りのよいスープ。
お腹の底からほんわか温まるスープでした。免疫力もぐっとアップしたかも。
スープはもう一種、味の濃厚なこってりスープもあったのですが、
残念ながら食い気が先行して撮影を逃してしまった(キノコやアワビが入ってました)


骨付き鹿肉。(補陽益精、強筋壮骨、養血調経)
冷え症、不妊症の人はぜひ食べたい。こってりしているのに胃腸はスイスイ働いてもたれません。


干しアワビのピリカラ煮。アワビは(滋陰清熱、養血明目)
周りに添えられたねぎもシャキシャキしていい歯ごたえ。

鹿肉もアワビも『補腎』の食べ物。鹿肉で『陽』を補い、アワビで『陰』を補う。
バランスが取れたメニューで老化予防、若返り対策もバッチリです。

そしてデザート。


シロキクラゲのフルーツポンチ。ほどよい甘さと冷たすぎない冷たさ。
その塩梅が絶妙で、すーっとお腹に溶け込みました。
シロキクラゲはじっくり煮込むとやさしいとろみが出ます。美肌にいいキノコの代表格。

日本だとデザートはアイスクリームやシャーベットなど冷たいものも多いのですが、
中国では基本的に生ものや冷たすぎるものは食べません。野菜もしかり。
そのためお腹は冷えることなく消化力が落ちないので、気持ちよく食べられました。

しかし近年中国では、ビールはよく冷えており、マクドナルドなどの進出により
生の野菜サラダがメニューに加えられているところも多くなりました。
食生活が変わりつつあるせいか、今回研修した生活習慣病の糖尿病も増え
若年齢化しているとのこと。
日本の食生活も見直したいですね。

      
食べてる時は、はやる食欲を抑えきれずに気が付きませんでしたが、
こうしてみると白一色の食器は、すべてデザインが異なっており、料理をしっかり引き立ててますね。
今頃気が付きました。

(北京康源瑞廷酒店2F牡丹庁にて)

ということで、心から謝謝(シェイシャ)

北京で漢方研修・薬膳その2オードブル

2010-05-19 | 漢方的話題
北京の近代化、国際化の勢いはすさまじいものでした。
その勢いの強さは、ただ街中に立っているだけでも伝わってくる気がしました。
もしかしたらアジアの中で日本だけ、昔の偏見にしがみつき、
すっかり『井の中の蛙』になってしまっているのではないかとさえ思いました。
(このところの政治とか報道とかテレビ番組とかを思うとそんな不安にかられる・・・)

なにせ、ホテルのポーターが、私たちを見てにこやかに
「アンニョハセヨ」とか「コニチハ」とか、話しかけてくるのです。
何かを尋ねても率先して丁寧に教えてくれます。

15年くらい前の北京では、さすが共産主義のお膝元というか、
つまり、商業=サービス業という観念はまったくなく、
ホテルマンがお客にニッコリとすることなんて絶対なかった・・・
というより日本人がきらいだったのかなあ・・・ま、振り返るのがつらい歴史もいろいろあるし。
とにかく十数年で、見た目の都会化だけでなく、人もこんなに変わるなんて、半端じゃない。


ということで、今回は食事も気持ち良いサービスを受け、おいしさ100倍でした。
まずは前菜。


冬虫夏草入りソーセージ ピリッとした辛みで食が進みます。おしゃれな盛り付けが見事です。
冬虫夏草は肺腎を強化する働きがあります。


生薬ニクジュヨウを豚の腸(だったかな?)に詰めたもの。
ニクジュヨウは補腎陽、益精血。


羊の肉と当帰(トウキ)を煮たゼリー寄せ

当帰は、婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)を服用していらっしゃる方々には馴染みのある生薬ですね。
実は「当帰羊肉湯」という処方さえあります。羊肉のなべ料理に当帰を加えるという『処方』

つまりは、食と漢方薬は同じところにあるのです。


イカの姿煮ではなくて薬用ニンジンのハチミツ煮。上品な甘さでした。

ここまでがいわゆるオードブルといったところ。
冷やす作用のものは一つもなく、胃腸に負担のかかるものもなし。
さすが薬膳レストラン。まずは体を温めて消化力のウォーミングアップといったメニューです。

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次回はメインとデザートを。

北京で漢方研修・薬膳編その1豚の血

2010-05-17 | 漢方的話題
この北京研修は、日本で受けている漢方講義の講師である女性中医師が
もと広安門病院勤務だったので実現したのですが、
もう一つ、北京行きの目的がありました。それは彼女の日本での循環器講義の中で、

「カラダニキンゾクタマタラ、プタノチ」
「プタノチ、チガキレイニナリマス」
なに? プタノチってどんな生薬?
「ワタクシハ、スデアジツケシテ、タベマス。」
酢で味付けする、プタノチ?
「プタノチ」「ブ タ ノ チ デス」
? えー、豚の血?

「豚の血」は血液中に溜まった不必要な金属を除去できるとのこと。

「え~、そんなこと言っても日本ではたべられませんよー」

ということで、今回の北京行きのもう一つの目的は「豚の血」を食らうことでした。


「豚の血」とセンマイなどの豚内臓を合わせて辛み味で調理したもの。
チョコレート色の豆腐状のものがそれ。

「豚の血」は豆腐状に固められた状態で売られていて、
通常はモツ料理の屋台などでよく食べられるそうです。
しかし日本人は、屋台のなれない脂で下痢することがあると、
女性講師が心配して、彼女が知人の薬膳レストランを手配してくださり、
この日のメニューに豚の血料理を特別に加えて頂きました。


豚の血とニラのあっさり炒め。

わずかにえぐみがありますが、案外あっさり味で、食べられます。
自分の血液中の汚いものが、どんどん豚の血に吸いとられて体内浄化された気分になりました。
うん十年生きてきた「アク」とか「澱(オリ)」とかも取れないかなあ・・・
そしたらもうちょっと性格も素直になれるのに、ってか。
まあ、いまさらムリだわなー

というわけで、その夜はドラキュラに変身することもなく、ぐっすり眠れました。
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次回は、ここで供されたその他の薬膳料理をご紹介。
食べた者にしかわからない喜びを無理やり押し付けますが、どうかご勘弁を。

北京で漢方研修その3

2010-05-13 | 漢方的話題

こちらは心臓内科の診察室。ずいぶんにぎわっているとお思いでしょう。
この写真、実はとても中国らしいと思った場面なのです。

左背中の白衣女性が75歳の医師。知識の豊富さはピカイチとか。
漢方薬を処方しますが、心電図や心血管造影図もチェックします。
患者診察にかける時間も長く(ひとり30分以上掛けていました)
そのため午前診察12時までの予定が、2時までかかってしまいました。
それでも、女性医師の細やかな説明に患者の満足度はとても高いようでした。
そしてこの長時間に、彼女はお茶で口を潤す以外一度も席を立つことなく、
ぶっ通しで患者を診ており、とても75歳のパワーとは思えません。
(この先生が食べているものと生活習慣を知りたい!)

さて中国らしさはというと、診察室への患者たちの出入りがかなり自由ということ。

医師と向かい合って中央左向きで座っている黒い服の男性が患者。
それを取り囲んでいる数人は家族のようで、皆真剣に医師の話に耳を傾けています。
中国では、家族とくに高齢者を大切にしているようです。

さらにその周りにいる人たちの中には、順番待ちの患者たちが混ざっているのです。
同じ疾患に悩むものとして、今診察を受けている患者にくっつくようにして
医師の話を聞き、時々うなづいたりしています。

まるで講習会のような環境で、それによっても患者の意識が高まっていると思われました。

漢方対策について言えば、
心臓疾患だから活血対策という単純なものではなく、
潤いを補う(補陰)ことによって体内の流れが改善し、
体全体を元気にして(補気)心臓の回復力が高まるという考え方です。
そのためにこまごまと症状をチェックし、個人に対応した処方が編み出されます。



ハードスケジュールに頭の中はいっぱいいっぱいで、へとへとでしたが、
もう一つの目的はまったく別腹。それは「豚の血」を食らうこと。
次回もよろしく。

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