『小説作法』 スティーヴン・キング ☆☆☆★
マンハッタンの紀伊国屋書店で見かけて購入、約二日で読了。ハードカバーとしては普通の厚さの本で、つまりキング本としてはずいぶん薄いことになる。
キングは今となっては最高に好きとは言えない作家だが、昔はハマッた。『キャリー』『呪われた町』『シャイニング』『デッドゾーン』『ファイアスターター』『クリスティーン』『ペットセメタリー』『クージョ』あた . . . 本文を読む
『How Dare You!』 10cc ☆☆☆☆
邦題『びっくり電話』。傑作『オリジナル・サウンドトラック』の次の作品にして、ゴドレー&クレーム込みのオリジナル10cc最後の作品である。
サウンド・プロダクションの面では『オリジナル・サウンドトラック』より更に磨きがかかっていて、これまでの三作にはあったどこか泥臭いところが払拭されている。ただそのせいで、どこか温かみのあった10ccサ . . . 本文を読む
『クローバーフィールド』 マット・リーヴス監督 ☆☆☆
DVDで鑑賞。以前予告を観て面白そうだと思ったのだが、ひどくつまらなかったという人がいたので観にいくのを止めた。最近になって今度は面白いという噂を聞いたので観たわけだが、うーん、これはなかなか微妙である。毀誉褒貶がまっぷたつに分かれているのもうなずける。米アマゾンのカスタマーレビューでは5点と1点がほぼ同数になっている。
そもそも . . . 本文を読む
『別れのワルツ』 ミラン・クンデラ ☆☆☆☆☆
クンデラの『別れのワルツ』を久しぶりに再読。やはり面白い。これこそ読書の愉悦。
本書はクンデラの他の作品、たとえば『不滅』や『存在の耐えられない軽さ』とはだいぶ感触が違う。クンデラ自身の説明によれば、「完全に均質で、逸脱がなく、唯一の手法で構成され、同一のテンポで語られる。これはヴォードヴィルの形式にのっとり、きわめて演劇的で、様式化され . . . 本文を読む
『北京の秋』 ボリス・ヴィアン ☆☆☆☆
再読。まあしかし、リアリズムなんてものはかけらもない、シャボン玉のように軽くてナンセンスな小説である。遊び以外の何物でもない。ヴィアンの小説を読んでいると、この人は普通の作家とはまったく異なる感性で書いてるなとしみじみ感じる。ただふざけているだけのように思えることもある。こんなんでいいのかと呆れそうになるが、しかし、にもかかわらずこの妙に人をひきつ . . . 本文を読む