『島とクジラと女をめぐる断片』 アントニオ・タブッキ ☆☆☆☆☆
再読。というかもう何度読んだか分からない。タブッキは大好きな作家だが、その中でも特にお気に入りの一冊である。
タブッキには他にも『インド夜想曲』『供述によればペレイラは』など傑作があるが、この『島とクジラ』はそういう他の作品とは全然違う形式の小説になっている。まず、一貫したプロットと登場人物が存在しない。異なる断片的なテ . . . 本文を読む
『星からおちた小さな人』 佐藤さとる ☆☆☆★
コロボックル・シリーズ三作目。一作目の『だれも知らない小さな国』がせいたかさんの一人称、二作目の『豆つぶほどの小さないぬ』がコロボックル・クリノヒコの一人称だったのに対し、今度は三人称小説だ。内容的にも、ファンタジー色が濃厚だった一作目、新聞社設立とマメイヌ捜索を軸にコロボックル小国の紹介篇的だった二作目に比べ、今回はいわばサスペンスもの。人 . . . 本文を読む
『The Bourne Ultimatum』 Paul Greengrass監督 ☆☆☆☆
土曜日にボーン・シリーズ最新作を映画館で観てきた。金曜から公開されている。このシリーズは一作目の『The Bourne Identity』、二作目『The Bourne Supremacy』ともに大好きな映画なので、すごく楽しみにしていた。結果は、充分満足して映画館をあとにすることができた。前二作を . . . 本文を読む
『エマーソン、レイク&パーマー』 エマーソン・レイク&パーマー ☆☆☆☆
エマーソン・レイク&パーマー、略してEL&Pのデビュー作。EL&Pは私はそれほど好きではないが、『展覧会の絵』『恐怖の頭脳改革』とこの『エマーソン、レイク&パーマー』は時々引っ張り出して聴く。一般的には『恐怖の頭脳改革』が最高作といわれているようだが、私はこの一枚目の方が好きである。
EL&Pを今ひとつうさんくさ . . . 本文を読む
『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』 田中重雄監督 ☆☆☆★
DVDで再見。自慢じゃないが私はこの『ガメラ対バルゴン』のDVDを所有している。昭和ガメラシリーズで持っているのはこれだけだ、『対ギャオス』も欲しいがもう売っていない。残念だなあ。
昭和ガメラシリーズといえば、子供主導で展開するストーリー、臆面もないご都合主義、ちゃちいセットと特撮、など大映テイスト満載という印象だが、そんな中に . . . 本文を読む