アブソリュート・エゴ・レビュー

書籍、映画、音楽、その他もろもろの極私的レビュー。未見の人の参考になればいいなあ。

刑事コロンボ パイルD-3の壁

2005-06-20 06:30:41 | 刑事コロンボ
 昔NHKでやってた頃から『刑事コロンボ』は大好きで、ちょっと前にコンプリートDVDボックスを買ってしまった。ほとんどは観た事があったが、これで好きな時に好きなエピソードを観る事ができる。ありがたいことだ。時々取り上げてレビューを書いていこうと思う。

『刑事コロンボ パイルD-3の壁』   ☆☆★

 これはピーター・フォーク自身が監督した一本。残念ながら傑作とは言いがたい。
 最大の欠点は、途中からパイルの掘り返し作業だけに話のポイントを絞ってしまったため、コロンボシリーズの魅力であるところの犯人とコロンボの虚虚実実のやり取りがなくなってしまったことだ。犯人との会話のほとんどがパイルを掘るだの掘らないだので終始する。パイル掘りの手続きの描写がまた長い。後半ほとんど全部それで使われてしまっている。いつものようにコロンボが重箱の隅をつつくようにして犯人に突っ込み、犯人が反論したり動揺したりほくそえんだりするという知力の闘いをあまり堪能できない。
 それから主要な舞台がビルの建築現場というのも個人的には味気ない。クラシックなミステリとしての風格を漂わせたコロンボシリーズには、やはり豪邸や古めかしい建物のような美しい舞台を用意してもらいたいな。

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
クラシックなミステリとしての風格を漂わせた (コロンボファン)
2012-04-27 19:55:48
アメリカ製でなく、どうもヨーロッパもののような、そんな気がしてならなかったのは、これなんですね! わかりました。
返信する
Unknown (ego_dance)
2012-04-29 00:53:10
なるほど。「豪邸や古めかしい建物」が似合うと書きましたが、「ヨーロッパもののような」とおっしゃる意味と同じかも知れません。特に初期がそうで、後期ではアメリカンな印象が強くなってくるんですよね。
返信する

コメントを投稿