アブソリュート・エゴ・レビュー

書籍、映画、音楽、その他もろもろの極私的レビュー。未見の人の参考になればいいなあ。

沈黙の王

2016-07-15 23:02:35 | 
『沈黙の王』 宮城谷昌光   ☆☆☆☆  宮城谷昌光の本を初めて読んだ。古代中国の物語を集めた短編集である。収録作品は「沈黙の王」「地中の火」「妖異記」「豊饒の門」「鳳凰の冠」の五篇で、一応歴史小説ということになるのだろうが、神話の色を帯びている。渋澤龍彦ほどではないけれどもいくばくかの幻想性があり、おそらくは化生のものである美姫などが登場する。子供の頃横山光輝のマンガ『水滸伝』にハマった私とし . . . 本文を読む